Old is New.書評「40歳のためのこれから術 幸せな人生をていねいに歩むために」(松浦弥太郎)

2013/12/23

40-year-matsuura

本書は「暮らしの手帖」の編集長である著者が、40歳からの人生をどう生きたらよいのか、著者の考えをまとめた1冊です。40歳は”下り坂”という考えもありますが、著者は「人生のピークは70歳」と考え、70歳にピークを迎えるにはどうしたらよいのか。そんな考えの基に、本書は書かれています。

“オールド”ではなく、”ヴィンテージ”

本書を読んでいて、最も印象に残ったのが「”オールド”ではなく、”ヴィンテージ”になる」という言葉です。僕自身、20代の頃は歳が若いことに価値があり、歳を重ねるということは、古くなり、傷んで、価値がなくなることだと思っていました。

しかし、本書では、年月を重ねることによってワインのように芳醇になり、味わい深い生き方を目指すべきだと説きます。年齢には年齢なりの楽しみ方、人生の生き方があり、その事を踏まえて準備をしておくことで、歳を取ることで、より人生が楽しめるようになるというのです。

長く生きようとすることで、見えてくる事がある

最近、長く生きようとすることで、見えてくる事があると感じています。先日亡くなりましたが、GAの創設者である二川幸夫さんは「120歳で事業を完結させたい」とおっしゃって、死の間際まで世界中の建築を見て回り、自身のアイディアを実現させるために活動されていました。

ちなみに、糸井重里さんは「1000歳まで生きる」とあるインタビューでおっしゃっています。

「100歳とかじゃなくて、1000歳まで生きるつもりで、いまを生きたほうがいいんじゃないか」。
(中略)
もしも死んじゃったら、死んじゃったで、
1000歳まで生きる予定だった人がそこで死んだだけのこと。
そういうふうに思うことにした。
だから、時間がないって言い方はしない。

ほぼ日刊イトイ新聞「ジルは友だち」より

ちなみに僕は、「1000歳まで生きる」と公言してまして。
(中略)
なんか「200年」だと、まだ「時代が似てる」ような気がするんです。
だいたい、今から「1000年前」っていうと『源氏物語』の時代ですから。
(中略)
人の本性のある部分は、『源氏物語』を肯定する側に、あるわけですよ。

そういうものの見方って
「1000年」という時間の射程で考えたら
すうーっと理解できたんです。

ほぼ日刊イトイ新聞「イシューからはじめよ」より

長く生きようとすると、短期間だけメリットが得られても、その後苦労するようなアイディアを重視しなくなるような気がします。なぜなら、短期間だけ得られるメリットのために、長い期間苦しめられるとわかったら、長く生きようとするためには、マイナスになるからです。

本質的なアイディアや仕事は、短い期間では成果は出ませんが、長い期間をかけて、丁寧に続けていれば、少しづつですが成果が出てきますし、長い期間成果による報酬を得ることができると、僕は信じています。

40歳のためのヒント集

最後に、本書に書かれていた「40歳のためのヒント集」を紹介したいと思います。

  1. チャンスは平等に与えられます。チャンスとはラッキーなことばかりではありません。トラブルや失敗は、自分をリセットするチャンスなのです。
  2. 今日の自分は一年生と思いましょう。馴れていることでも、はじめての気持ちを思い出して取り組みましょう。輝きが取り戻せますよ。
  3. 辛いことやきついことから逃げれば逃げるほど、さらに追いかけてくるものです。受け止めましょう。そうすれば答えへの道が見えてきます。
  4. しがみついているものはありませんか。そこから手を離して、自分の足で歩いてみましょう。あなたはもっと先へ歩いていけるのです。
  5. 自分の可能性を自分で決めてはいけません。年齢を重ねても山ほどの可能性を秘めているものです。変わることを恐れてはいけません。
  6. 四十代になった自分に「セカンドバースディ、おめでとう」と声をかけましょう。新しいスタートをきりましょう。
  7. どんなときでも紙とペンを持っていましょう。思いつきや忘れてはいけないものはきちんと書き残しておきます。あとで必ずよかったと思うでしょう。
  8. 心のなかの鍵がかかった引き出しをイメージしてみましょう。そこには、いつ、なにをしまいこんだのでしょうか。
  9. 「ありがとう」と、一〇回声にしてみましょう。さて、誰の顔が思い浮かびましたか。どんなことが思い浮かびましたか。
  10. 昔よかったこと、過去の栄光のように思っているようなこと、そういうことは一切忘れて、なにも持っていない自分にリセットしましょう。
  11. 「いるもの」と「いらないもの」。「できていること」と「できていないこと」。「ありがとう」と「ごめんなさい」。ちょっと書き出してみましょう。
  12. 小さな約束ほど守りましょう。ましてや、遊びの約束を忘れたりしてはいけません。損得に関係のない約束だからこそ守るのです。
  13. 本当に大切なものは目に見えないものです。目に見えないからこそ、いつも考え、思い、忘れないように心がけるのです。
  14. どんなときに、どんなもので、どんなふうに、人が皆、しあわせを感じるかを想像しましょう。仕事や暮らしのヒントはそこにあるのです。
  15. どんなことでも勝ちとか負けとかにこだわるのはやめましょう。人や他と比べないことです。そうすれば、ぱっと世界が広く見えてくるでしょう。
  16. 髪型を気にしている人は、身だしなみを大切にします。着るものを気にする人は、暮らしを大切にします。暮らしを気にする人は、仕事を大切にします。
  17. 第一の仕事は健康管理です。自分なりに毎日元気であるように努める。元気は笑顔を生みます。笑顔で仕事を始めるのです。
  18. 健康できれいな歯は、これからのあなたの宝物になり、お守りになるでしょう。ですから、しっかりと手入れをしましょう。
  19. どんな人にも欠点はあるものです。そんな欠点を責めずに、友だちの一人のように仲良くしましょう。欠点が助けてくれることもあるのです。
  20. 両親をしっかり見つめましょう。自分の未来で、なにが必要で、どうしたらよいか、学ぶべきことはなにか、を教えてくれています。

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