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広告で「広く」「告知する」ために必要なこと。書評「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。」(本田 哲也,田端 信太郎)

   

「広告」という言葉は、「広く」「告知する」と書きます。自分が伝えたいメッセージを、広く、人々に伝える。そのための手段として有効だったのが、新聞、テレビ、チラシといったメディアでした。とにかく、広く告知すれば、自分が届けたい情報を、人に届ける事が出来るはずだ。そう考えられていました。

ところが、新聞、テレビ、チラシといったメディアを使って告知した広告が、以前より効果がなくなったと言われています。テレビ、新聞といったメディアは人々に目に触れる機会が減り、代わりにスマホ経由でネットにアクセスし、ネット経由で情報を取得する人々が増えていますし、ネット広告に力を入れる企業も増えています。しかし、本当にネット広告に力をいれれば、以前同様の効果が得られるのか。そんな単純なことではないと思います。では、どうすればよいのか。

本書「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。」は、現在企業が抱えている「広告は効果がなくなったのか」という疑問に対して、「Livedoor News」「R25」といったメディアを立ち上げ、現在はLINEの広告事業部門を統括する田端信太郎さんと、企業の戦略的なPRで多数の実績がある本田哲也さんが、第一線で活躍する人の視点として、正面から答えた1冊です。

1,000人に伝えるのと10億人に伝えるのは、やることが違う

本書で良いと思ったのは、1,000人から10億人というスケール単位で、人がどう動くのかということを、「LINE」「ことりっぷ」「マラソンブーム」といった事例を通して説明していることです。「人を動かす」には、スケールによって、全くやることが違う。これは当たり前の事なのですが、そんな当たり前の事をきちんと説明している本を、僕は読んだことがありませんでしたので、新鮮でした。

「誰にでも響く」広告の必殺技は存在しない

本書が伝えているのは、「誰にでも響く」広告の必殺技は存在しない、という当たり前のことです。これは、著者2人が日々の仕事で企業と接していて、肌で感じている事なのだと思います。なぜ、「広告の必殺技」がないということを本書で伝えていたのかというと、たぶん企業側の担当者はまだ「必殺技がある」、もしくは「量を投下すれば届く」といった神話を信じていることに対する、著者2人からの警鐘なのだと思います。

「必殺技がない」のだからこそ、「人を動かす」には、ターゲットを明確にし、メディアの特性を把握した上で、伝えたいメッセージを伝えることが必要になります。そして、伝えたメッセージを「人に伝えたい」と消費者に感じさせる余地を残しておくことの大切さも、本書は教えてくれます。本書の中でも語られていますが、情報の編集権は広告主から、消費者に移っています。SNSツールの発達で、消費者間での情報の方が、広告より信用性が高くなりました。広告主は、全てを自分たちがコントロール出来ないことを認識する必要があります。

「自分の隣にいる人」を動かせ

そして、僕は本書を読んで、「人を動かす」ために大切なことは、「自分の隣にいる人」が動くかどうか、だと思いました。1,000人だろうが、10億人だろうが、身近な人、すなわち「自分の隣にいる人」を動かすことが出来ないサービスや商品は、その時点でどんな広告を打っても、上手くいきません。売れる商品を売るために、自分の隣にいる人の心を動かすことが出来るか。これが、僕は「広く告知する」広告の第一歩なのだと思います。

本書は、広告、マーケティングに関わる人々だけでなく、メーカーや店舗で商品開発をしている人にも、おすすめの1冊です。本書を読めば、広告やメディアの現状だけでなく、市場(マーケット)のこともよく理解できると思います。

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