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書評「スプリント力を上げる!つま先力トレーニング」(秋本 真吾)-サッカー選手は走り方を知らない-

   

本書「スプリント力を上げる!つま先力トレーニング」は、宇賀神友弥、梅崎司、加賀健一、関根貴大、槙野智章、森脇良太、李忠成をはじめ、大久保嘉人、大島僚太、谷口彰悟といったサッカー選手たちの「走り方」を教えるコーチが、速く走るためのコツと、トレーニング方法をまとめた本です。

ギャレス・ベイルと槙野智章の比較

著者がサッカー選手に対して、速く走るために教えたポイントは、以下の3点です。

  1. まっすぐな姿勢を保つこと
  2. 身体の中心近くに足を着くこと
  3. つま先から接地すること

どういう事かというと、写真を観てもらうのが分かりやすいので、2枚の写真を紹介します。

1枚目は100mを10秒台で走るとも言われている、レアル・マドリーに所属する、ウエールズ代表のギャレス・ベイルの写真です。

相手DFと競り合いながらも、真っ直ぐな姿勢を保ち、振り上がった足が身体の近くに着地しようとしています。また、後ろ足が真っ直ぐ伸びていて、つま先を上手く使って、地面に力を伝えているのが、わかります。

一方、著者に走り方を指導されている、槙野智章の写真です。

姿勢は真っ直ぐ保たれ、振り上がった足は、身体の近くに着地するように見えますが、着地する足は、おそらくかかとで着地すると思われます。また、後ろ足も十分に伸びているとは、いえません。

ギャレス・ベイルだって、上手く走れていない時はあります。もちろん、槙野だって上手く走れている時もあります。しかし、ベイルか上手く走れていない回数と、槙野が上手く走れている回数は、同じくらいではないかと思います。

つまり、走り方含めた身体の使い方の差が、世界のトップレベルとの差になっているのではないのでしょうか。

身体を上手く使えない選手が増えている

岡崎慎司は、陸上のコーチを務める杉本龍勇さんに長年走り方を指導してもらった結果、身体の大きい選手と競り負けず、試合中走り続ける事が出来るようになり、ブンデスリーガ2年連続10得点以上という結果を残し、2015-16年シーズンのレスターの優勝に大きく貢献しました。

僕は身体の使い方、走り方を改善出来れば、日本人選手のパフォーマンスはもっと上がると思います。最近、映像でユース世代の試合を観て、驚きました。選手の手足の動きがバラバラで、身体を上手く使えていない選手ばかりだったからです。

一見、皆ボールを扱うのは上手いので、止まっている状態では、良いプレーが出来ます。しかし、動きながらプレーすると、身体が上手く使えていないので、プレーの精度が著しく落ちます。

この時、僕はユース世代の指導者は大変だなぁと思いました。教えたい事があっても、身体を上手く扱えない選手に教えるのは、簡単ではありません。そして、身体を上手く扱えない選手ほど、身体を扱うトレーニングは嫌いだったりします。ここに、日本サッカーが成長しきれない理由が、ある気がしています。

つま先走りを推奨している本ではない

本書をこれから読む方に注意点としてお伝えしたい事があります。それは、つま先を使う事が最も重要なわけではない、という事です。

真っ直ぐな姿勢を保ち、足を身体の近くに着地させる。まず、これが出来てなければなりません。その上で、つま先を上手く使って、推進力を上げる事が大切なのだと理解しました。つま先で着地することばかり重きをおいて、ふくらはぎを使って走るような走り方の人が増えてほしくないなぁと、僕は思います。

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