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2015年J1セカンドステージ第12節 アルビレックス新潟対川崎フロンターレ レビュー「勝敗を分けた選手交代」

   

川崎フロンターレ対アルビレックス新潟

2015年Jリーグセカンドステージ第12節、アルビレックス新潟対川崎フロンターレは2-1で川崎フロンターレが勝ちました。逆転勝利による3連勝。大きな3連勝です。 ビッグスワンの芝は長く、川崎フロンターレと対戦する時は水をまいてくれないので、川崎フロンターレにとっては不利なスタジアムです。そんな不利な条件でも勝てたのは、チームにとって大きいと思います。

マンツーマンでマークしてきたアルビレックス新潟の守備

アルビレックス新潟は、予想通り、川崎フロンターレがボールを保持した時、積極的にボールを奪いにきました。川崎フロンターレの3バックをボールを持った時は、2トップの指宿とラファエル・シルバのいずれかが谷口をマークし、パスコースを一方に限定。もう一方には谷口をマークしない選手が立ち、スムーズなパス回しを妨げようとしました。

そして、中村と大島の2人には、ボランチのレオ・シルバと佐藤がどこまでもついてきました。DFラインでボールを持っても、サイドでボールを持っても、追いかけてきました。そして、エウシーニョの中野の2人には、サイドハーフの平松と山本がマークします。時にはアルビレックス新潟のDFラインに6人が並ぶ時間帯があったほどでした。

ボランチの2人が人を優先してマークにつくと、守るべき中央のスペースが空きます。川崎フロンターレは田坂や大久保が空いたスペースでボールを受けようとするのですが、その時はセンターバックの大井か大野、時にはサイドバックの選手が積極的に前に出てスペースを埋めることで対応していました。

アルビレックス新潟の守備は、前半は上手くいっていたと思います。しかし、いくら9月末で気温が下がっているとはいえ、これだけ選手に運動量と集中を求める守備は、長い時間は続きません。川崎フロンターレの選手たちはその事をよく分かっていたと思います。だから、前半から慎重に丁寧にボールを回し続けました。前半からじれずにボールを回しつづけたことが、後半の2得点につながりました。

アルビレックス新潟の守備が後半に機能しなかった理由

後半10分過ぎには、アルビレックス新潟の守備は機能しなくなり始めていました。

その理由は2トップ(特にラファエル・シルバ)が、守備をしなくなったからです。2トップがパスコースを限定してくれないので、中村と大島へのマークが緩み出します。中村と大島に優位な状況でボールが渡ってから、慌ててマークしようとするので、今度は守るべき中央へのスペースのマークが遅れます。中央で田坂と大久保がボールを受ける回数が増えたことで、相手を押し込む時間が長くなっていきました。

そして、前半はきちんと頑張っていたサイドハーフのマークも、後半は緩みだします。特に中央に、サイドにと神出鬼没な動きをするエウシーニョに対して、対面の山本はどこまでマークにつけばよいのか迷っているようでした。サイドバックの前野との連携も上手くいっていなかったので、武岡が攻め上がった時には、チャンスが作れていました。

決勝ゴールとなった2点目はエウシーニョと大島のワンツーで、相手を崩しています。エウシーニョが大島にパスを出した時、マークしていた山本がエウシーニョについていけばよかったのですが、攻守に走り回っていた(走り回されていた)山本は、エウシーニョのマークについていくのが遅れます。慌てて、前野がマークに行きますが、一歩間に合いませんでした。大島の届きそうで届かない場所に出したパスも素晴らしかったです。

想定外だった1人目の選手交代が与えた影響

アルビレックス新潟にとって痛かったのは、1人目の交代策を前半で使わなければならなかったことです。右サイドハーフの平松が、遅延行為で不用意なイエローカードをもらいます。その後、田坂がドリブルで抜けだした後に、身体で止めてしまい、ファウル。その前にも繰り返しのファウルをしていた平松なので、2枚目のイエローカードが出てもおかしくはありませんでした。10人になったら危険だと判断し、平松を川口に交代させたのは悪くなかったと思いますが、前半で1枚目の選手交代を行ったのが、後になって効いてきました。

あと、ラファエル・シルバを後半15分に交代させたのも、川崎フロンターレにとってはラッキーでした。確かにラファエル・シルバは、ボールに触る回数も少なく、後半に入ってからは守備のタスクをサボるようになりました。しかし、攻撃の時には、ラファエル・シルバはアルビレックス新潟の中で最も危険な選手です。交代で入った山崎はよい選手ですが、ラファエル・シルバがいなくなったことで、小宮山や武岡が思い切って攻め上がれるようになったように僕には見えました。

そして、1枚目に不要な選手交代を行っていたため、足が止まっていた佐藤の交代に同じボランチの選手を入れなければなりませんでした。アルビレックス新潟の選手交代が上手くいかなかったことが、この試合の勝敗を分けたと、僕は思います。

一方、川崎フロンターレの交代策は的確でした。同点に追いついた直後に、中野と杉本を交代します。調子が悪かった田坂を交代させるというアイディアもあったと思いますが、風間監督は田坂のポジションをサイドに変更することで対応します。360度から相手に気を配らなければならない中央とは異なり、サイドだと180度だけ気を配ればよいので、相手に対応しやすくなります。

このポジションチェンジによって、田坂のプレーがいつもどおりのクオリティに戻りました。杉本が左サイドにいることで、アルビレックス新潟の舞行龍ジェームズの強さに対抗できるようになりました。舞行龍ジェームズに何回かボールを奪われていたので、杉本がボールを収めてくれることによって、アルビレックス新潟はボールを奪うポジションを1つ失うことになりました。これが意外と効きました。

2得点目はパワープレーに対応するために井川を入れ、パワープレーの際にクロスボールの供給役を担っていた川口のマークに車屋をつけて、試合をクローズさせました。あまり選手交代としない風間監督ですが、今日は的確な采配だったと思います。

GKとDFがボールを繋ぐから得点が奪える

最後にGKの新井、DFの武岡、谷口、小宮山の技術の高さについて触れておきたいと思います。4人に共通しているのは、ボールを奪う時、または相手から厳しくマークされていても、簡単にはボールを蹴りだしたりしないことです。

新井はこの試合もバックパスを味方につなぎ、ロングパスを蹴る時も、きちんと味方に合わせるボールを蹴っていました。武岡は相手が厳しくマークしてきても、慌てずに身体とは違う向きにパスし、何度もパスを受けた味方にフリーでボールを受けさせていました。谷口はヘディングでの競り合いに勝つだけでなく、きちんとフリーの味方にボールを繋いでくれます。こういうところに、谷口の凄さを僕は感じます。そして、小宮山が試合中に何気なくやるクロスボールを胸でトラップし、味方にパスするプレーは、確実にボールをキープ出来るだけでなく、味方に精神的な余裕を与えてくれます。

相手のプレーに対応しながら、こうした丁寧に味方にボールを繋ぐプレーをするのは、簡単なことではありません。技術と体力が伴わなければ、出来ないプレーです。得点がコンスタントに取れているのも、GKとDFがよいプレーが出来ているからです。これからも、こうしたあまり取り上げられない技術について、時間があるときに紹介したいと思います。

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