問われる一人一人の戦闘力。2014年J1第32節 川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ レビュー

2014年第32節、鹿島アントラーズ対川崎フロンターレは1-2で鹿島アントラーズが勝ちました。10月以降のリーグ戦の成績は1勝6敗。リーグ戦の順位も6位となり、気がつけば柏レイソルに抜かれてしまいました。

連携不足の右サイド

この試合は、レナトと武岡の右サイドをポイントに挙げていました。

武岡のプレーは、良かったと思います。他のプレーヤーにない、力強いドリブルで攻撃のアクセントになるだけでなく、守備でもファウルなしで何度もボールを奪っていました。ただ、レナトと組んだ右サイドは、上手く連携してプレー出来ていたとは、言いがたかったと思います。正直、レナトは左サイドの方が、よいプレーをしていたと思います。

レナトを右サイドでプレーさせたのは、左サイドに偏っていた攻撃のバランスを改めることでした。レナトの左サイドは、川崎フロンターレのストロングポイントなのですが、そのストロングポイントを捨ててまで、左右のバランスを整えにいったものの、逆に攻め手を失ってしまいました。後半からレナトを左サイドに戻したものの、攻め手がなくなり、失った流れは、元には戻りませんでした。

失われた自信

この試合で気になったのは、チームが自信を失っているように見えたことです。

鹿島アントラーズは、前半からボールを奪うポイントをかなり前にして、特にDFがボールを持ったら、厳しくプレッシャーをかけてきました。好調な頃の川崎フロンターレなら、相手がプレッシャーをかけてきても、素早くボールを動かし、相手と相手の間にパスを通すことが出来ていました。

しかし、この試合では、「止める」「外す」「受ける」動きがきちんと出来ていないため、ボールを「運ぶ」ことが出来ませんでした。ボールが止まらない、相手をはずさない、受けにいかない。これでは、サッカーになりません。川崎フロンターレが目指しているサッカーは、こんなサッカーではありません。

相手を見てプレー出来ているか

もちろん、相手チームも川崎フロンターレのサッカーを研究してきているから上手くいっていないのもあるのですが、相手が研究してきても、相手の出方を見て、個人個人がその場で対応出来る力、すなわち戦闘力を、風間監督就任後の3年間で磨いてきたはずです。

ACLとワールドカップの影響で、コンディションは凄くきついと思います。正直、コンディションがきついからこそ、普段出来ていたことが出来ないということは、あると思います。しかし、コンディションがきつい今だからこそ、一人一人が個人戦術でどこまで問題を解決出来るか、試されているのです。

相手の動きがよいなら、逆に相手の力を利用するのもありです。鹿島アントラーズ戦の場合、相手FWがプレッシャーをかけてきたので、相手DFラインの背後にボールを蹴って、サイドの登里やレナトを走らせて、相手のDFラインを下げさせるような試みがあっても良かったと思います。また、アンカーの山本や大島のポジションを一旦下げて、じっくりDFラインでボールを回して、相手が疲れてきてから、中央を攻める方法もあったと思います。

相手をみて、上手くいくための方法を考えて、トライする。その成功の積み重ねで、試合に勝つのが、3年間かけて磨いてきた川崎フロンターレのサッカーです。残り2試合、コンディションはきついと思いますが、こんな時だからこそ、選手一人一人が問題を解決するために、何が出来るのか。何をしようとしているのか。その点を見逃さないで追いかけたいと思います。

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