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ボランチの関係と選手交代。2015年J1第17節 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ レビュー

   

2015年Jリーグ第17節、鹿島アントラーズ対川崎フロンターレは、3-2で川崎フロンターレが勝ちました。

ファーストステージは、最後3連勝で終えることが出来ました。最後は攻められましたが、しっかりと守り切ることが出来ました。GKの新井、DFの井川、武岡、車屋の3人は、最後まで集中を切らさず、大きなミスなくプレーしてくれました。雨が降って、グラウンドが滑りやすいコンディションの中、上手く守り切ってくれたと思います。

DF3人と谷口のパス回し

この試合の前半は、川崎フロンターレのペースでゲームをすすめる事が出来ました。要因は、DF3人と谷口の4人のパス回しです。

鹿島アントラーズは、守備の時は4-4-2のフォーメーションで守ります。鹿島アントラーズも相手ゴールに近い位置からボールを奪おうとしていたのですが、DF3人に対して、FW2人しかいないので、数的優位を作ることが出来ていました。数的優位を活かしてパスを回しつつ、タイミングよくボールを受けに来る谷口にパスをつなぐことで、相手の守備をかいくぐって、相手ゴール前にボールを運ぶことが出来ていました。

谷口のポジションが低いので、相手のボランチがマークにつくのはリスクが伴います。前半途中から土居がマークにつくようになりましたが、土居がマークについたら武岡か車屋がボールを運び、ボランチがマークしたら、森谷や船山や大久保がボールを受ける。相手に対して、常に先手先手をとって、攻撃することが出来ていました。

時間とともにボランチのポジションが崩れる

しかし、時間が経つにつれて、森谷が前、谷口が後という関係が、2点目を奪った後から、維持出来ずに、森谷と谷口が横に並ぶようになってしまいます。森谷が前に出ないため、鹿島アントラーズのボランチがフリーでボールを受けられるようになっていきます。そして、ボランチの小笠原が気になり始めた谷口が、前に引き出されるようになってしまいます。こうして、前後の関係が崩されてしまったことで、次第に鹿島アントラーズペースになっていきます。

そして、鹿島アントラーズペースに拍車をかけてしまったのが、森谷と大島の交代です。攻撃の時に大島が下がってボールを受けにきてしまうため、谷口とポジションが重なってしまい、前半出来ていたDF3人と谷口によるスムーズなパス回しもなくなってしまいました。

大島が下がったのは、中村とボランチをやっていたときと、同じ動きをしてしまったからです。中村と大島がボランチを組んでいた時は、2人が横に並んで、低い位置からでもパスを交換し続けながら、少しづつ相手ゴール前に向ってボールを運んでいました。

ところが、谷口は中村と同じことが出来る選手ではありません。2人の役割が重なってしまい、前に出る選手がいなくなったため、FWとの距離も遠くなり、パスがつながらなくなってしまいました。個人的には、中村が森谷に代わって入っていれば、前後の関係は維持できたと思います。ただ、これはやってみなければ分からなかったことだと思います。

中村のキャリアと技術を尊重した起用を

この試合は、風間監督にしては珍しく3人選手を交代しましたが、どれも上手くいきませんでした。大島と小林は、試合から遠ざかっていたので仕方がないと思うのですが、気になったのは中村のポジションです。船山の負傷交代にともなって入った中村のポジションは、3トップの右。中央でボールを受けるのが上手い中村のよさが活かせないポジションです。そして、レナトと小林の交代に伴い、左サイドハーフにポジションを移しますが、ボールにあまり触れず、試合の流れを変えることが出来ません。結局、交代で入った中村を活かすことが出来ませんでした。

中央でよいプレーをする選手をサイドで起用すると、ボールを上手く受けることが出来ないことがあります。その理由は、ボールを受ける時の動き方の違いです。中央でボールを受ける動きは横の動きが主ですが、サイドでボールを受ける時の動きは、縦の動きが主になります。中央でプレーするのが得意な選手は、実はこの縦の動きが苦手です。(森谷は例外です)したがって、中央で上手い選手をサイドで起用したからといって、よい効果が期待できるわけではないのです。

もう1つ気になったのは、中村が便利屋のように起用されている気がしたことです。チームのキャプテンで絶対的な選手、アシスト数もJリーグでトップだった選手が、コンディションの悪化が理由とはいえ、ベンチスタートになるのは、本人にとっても気分がいいものではないと思います。

第15節の湘南ベルマーレ戦や、第16節の松本山雅FC戦のように、自分が得意とするポジションで起用されれば、もちろんよいプレーが出来ると思います。しかし、この試合のように、サイドの選手がいないからといって、サイドで起用されるという起用をされるのは、本人にとって気分がいいものではないと思いますし、中村という選手のキャリアや技術を尊重した起用とはいえないと僕は思うのです。そして、中村がこんな便利屋のような起用をされるのは、同世代としては非常に寂しい思いがします。たしかに運動量は少なくなりました。ただ、相変わらず相手の守備を崩すパスやアイディアは、一級品です。

中村だけでなく、この試合は、西部、杉本、山本、大島、小林といった選手がベンチスタートでした。負傷していた選手が戻ってきて、ベンチに入る選手のレベルが上がっています。選手感の競争も激しくなります。だからこそ、いかにチームをマネジメントしていくのか、選手交代をどういう考えのもとに行うのか。監督の力が問われる場面が増えてくると思います。

来月開幕するセカンドステージは、いきなりFC東京との多摩川クラシコからスタートです。セカンドステージに向けて、どんなチーム作りをするのか。引き続き注目したいと思います。

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