2016年J1セカンドステージ第16節 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ プレビュー「解決しつつある問題とまだまだ解決しない問題」

2016年Jリーグセカンドステージ第16節、川崎フロンターレの対戦相手は鹿島アントラーズです。2016年シーズンを通じて、このブログは2人の選手の事をずっと書き続けてきました。

谷口はサンフレッチェ広島戦のパフォーマンスを披露できるか

1人は谷口彰悟です。谷口の事を書くことで浮き彫りにしたかったのは、「中村と大久保のチームからの脱却」です。中村憲剛と大久保嘉人は、Jリーグでも素晴らしい成績を残し、日本代表にも選ばれ、ワールドカップにも出場しています。素晴らしい実力をもつ選手ですが、2016年に中村憲剛は36歳、大久保嘉人は34歳になります。いつまでも、2人がフル稼働しないと勝てないチームでは、タイトル獲得は望めません。この2人に続く選手の台頭と、守備の選手でリーダーシップがとれる選手の存在がタイトル獲得には不可欠ではないか。そう考えていました。

僕が考えたキーマンは、小林、大島、そして谷口でした。小林は怪我なく1シーズン稼働すること、大島は背番号10を与えられ、中心選手として自覚をもってプレーすることが、ファンからも、チームからも求められました。2人は期待に応え、日本代表にも選ばれる選手に成長しました。この2人のプレーからは、自分がチームの勝敗を背負う覚悟がシーズン開幕当初から感じられました。

僕の目には、谷口は少し2人とは違っていたように感じました。もちろん、2人のように、中心選手として自覚をもってプレーしたいという意気込みは伝わってきました。ただ、その意気込みが空回りしていました。意気込みが空回りしているなと感じたのは、開幕戦の髪型です。鮮やかに染められた髪型を見た時、僕は谷口が空回りしているのだと感じました。髪型を変える時は、自分の気分や何かを変えたい時に行う行動なのは、サッカー選手であっても、女性であっても、同じです。

身体を大きくしてシーズン開幕を迎えたことも、谷口のプレーが空回りした要因だと思います。谷口の強みは、身体を自在に動かせる事なのですが、身体を大きくしたことで、最大の強みが失われているような気がしました。パフォーマンスが上がらず、スタメンを外れた事も、途中交代させられた事もありました。

しかし、風間監督は谷口を外すことはしませんでした。我慢して起用し続け、復調を待ちました。我慢して起用し続けた結果、少しずつパフォーマンスがよくなっていき、前節のサンフレッチェ広島戦では、今シーズン最もよいプレーを披露したと思います。3バックの中央という、守備の中心を務めるポジションに収まったことで、自分のやるべき事がはっきりしたのも、よい影響を与えたと思います。

谷口は、今後前節のサンフレッチェ広島戦のパフォーマンスを継続して披露できるかどうか、求められます。サンフレッチェ広島戦のパフォーマンスがコンスタントに発揮できれば、おのずと日本代表に選ばれるようになるはずです。時間はかかりましたが、谷口の好パフォーマンスは明るい材料です。この試合も引き続き注目したいと思います。

まだまだ解決しない「攻撃のクオリティ」問題

もう1人は、大久保嘉人です。大久保の事を注目するようになった理由は、大久保が「今シーズンの川崎フロンターレの攻撃は、クオリティが低い」と発言したからです。僕自身、開幕してからしばらく川崎フロンターレの攻撃に対して、違和感を感じてはいたのですが、大久保の発言を聞くまで、攻撃に問題があるとは感じていませんでした。しかし、大久保の発言を聞いてから、僕は川崎フロンターレの攻撃が、2015年シーズンまでとは少し違っていることに気がつきました。

大久保が得点をとる時、一度ゴールから遠い位置でボールを受け、相手を引きつけパスを出し、自分はゴール前に走り込み、ゴールを決める。大まかに言うと、このパターンでゴールを決めてきました。攻撃を開始する時、チームメイトは、まずはゴールに最も近い位置で、最もボールを奪われない大久保がどこにいるか見る。大久保もチームメイトに、ボールを持ったら自分を見るように促し続けてきました。時に激しく要求したこともあると思いますが、大久保は結果で黙らせてきました。

しかし、2016年シーズンは少し違っています。攻撃を開始する時に最優先するのが、大久保ではなくなった気がします。ボールを奪ったら、素早く縦方向にパスを出していたチームは、ボールを保持できるようになったことで、まずはボールを保持することを優先するようになってしまい、横方向へのパスが増えました。特に、DFとボランチの間でボールを回す時間が増え、相手を押しこんでプレーする時間が、シーズンが進むにつれて、減ってきました。横方向にボールを動かし、相手を動かし、相手の足が止まった後半に仕留めるというパターンで勝利を重ねたことは良いことでしたが、自分が欲しいタイミングでボールがもらえなくなったことで、大久保はリズムが掴めず、次第に得点数が減っていきました。

風間監督も改善するために、様々な対策を行っていると思います。元々「横パスは1本もいらない」と語っている監督です。中村も「縦パス1本で1点奪えるのが一番よい」と考えている選手です。中断期間中に行われた湘南ベルマーレ戦では、ボールを早く縦に運ぼうという意識は感じられました。ただ、なかなか相手の守備を外せず、結局横方向にしかボールが動かず、サイドからしか相手の守備を崩せませんでした。サイドを経由してボールが運ばれると、大久保がボールに触る回数は減ってしまいます。ちなみに田坂をDFで起用しているのは、なるべく手数をかけずに、前方にボールを運びたいからなのですが、なかなか上手くいきません。

この問題は、川崎フロンターレのチーム力が上がったからこそ、直面している問題だと思いますし、川崎フロンターレが風間監督就任後、ずっと向き合い続けた問題でもあります。年々解決するための難易度は高まっています。試行錯誤はまだまだ続いています。人を変えたり、フォーメーションを変えたり、様々な対策を実施していますが、まだ解決していません。この問題をチームとしていかにクリアしようとしているのか。僕はそこに注目しています。皆様も注目してみてください。

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