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イタリア代表はなぜ少ないチャンスで得点を挙げられるのか。

   

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早朝に行われた、日本対イタリア戦。前半だけ観た後に後ろ髪をひかれつつ出社し、帰宅後に結果を知りながら後半を観終わった後に湧き上がってきたのは悔しさでした。イタリアに国際大会で勝つ。このチャンスを逃したこと悔しさが湧き上がってきました。本当に悔しかったです。

しかし、時間が経つにつれて、こんな疑問が浮かんできました。この試合、日本代表の方がチャンスを作っていました。しかし、イタリア代表は少ないチャンスを効果的にゴールへと結びつけ、勝利しました。どんなにチャンスを作っても、勝ったのはイタリア代表です。なぜ、イタリア代表は少ないチャンスでゴールを挙げることが出来たのでしょうか。日本代表は決定力不足と言われますが、日本代表とイタリア代表の違いはどこにあるのか。僕なりの考えをまとめてみました。

相手に攻めさせることで、チャンスを作る

イタリアの戦術としては、ゴール前を人数をかけてかためた強固なディフェンス”カテナチオ”(イタリア語で錠前という意味)が有名です。しかし、イタリアの守備戦術は守備面だけでなく、攻撃面でも大きな効果を発揮していることを、ご存知でしょうか。

ゴール前の守備を固めると、相手がゴールを奪うのは簡単ではありません。したがって、取られる確率が高いが、通ればゴールに結びつく確率が高いパスを出したり、人数をかけて攻めたりするなど、リスクを負って攻める必要があります。

しかし、相手がリスクを負って攻めてくるこそ、イタリア代表の狙いなのです。イタリア代表は、相手が人数をかけて攻めてきた時に相手のパスをカットして、一気にカウンターを仕掛けます。相手は人数をかけて攻めてきているので、守備は手薄です。手薄な守備を攻めれば、ゴールを奪う可能性が高い。そういう考えが、イタリアサッカーの戦術の原点となっています。すなわち、手薄な守備を攻めるための”カテナチオ”なのです。

”カテナチオ”を外す鍵を持っている選手たち

”カテナチオ”は手薄な守備を攻めるには有効ですが、0-0や1-1という局面では、攻撃の戦術としては機能しません。0-0や1-1といった均衡を破るために、イタリアサッカーはリスクを最小限に抑えながら、得点を生み出す術を身につけています。

イタリア代表との試合を見ながら思い出したのは、先日国立競技場で行われた日本代表とイタリア代表のOB戦です。OB戦ということで動きにスピードがない分、技術の高さや両チームの戦い方の違いが浮き彫りになった試合だったのですが、印象に残ったのはビエリの動きです。

リーガエスパニューラとセリエAで得点王になった経験を持つストライカーの体は見るからに重そうでしたが、一度下がってからDFの背後をとる動き、下がると見せかけて裏を取ったり、裏を取ると見せかけて下がる、といった相手のマークを外す動きは、絶妙でした。

ビエリがOB戦で見せた得点を取る動きのような”カテナチオを外す技術”はイタリア代表の攻撃陣を担う選手なら、何かしたら持っています。エル・シャーラウィの左45度からのシュート、ピルロやデ・ロッシの正確なロングパス、モントリーヴォのミドルシュート、マルキージオやジャッケリーニの何度も背後を取る動き、ジラルディーノの相手DFを背負ってのターン、絶対に外さないバロテッリのPKも”カテナチオを外す技術”といってよいでしょう。こうした絶対的な武器を駆使して、イタリア代表の選手たちは少ないチャンスをゴールに結びつけていくのです。

相手の”スキ”を見つける目

イタリア代表の試合を観ていて感心したのは、相手のスキを見つける”目”の確かさです。相手の選手をよく観察していて、スキを見つけるのが本当にうまい。

例えば、イタリアの1点目のコーナーキックです。コーナーキックの判定がくだされた直後、日本代表は給水をしたり、ボールとは違う方向を向いていたりする選手が何名かいました。ボールとは違う方向や、自分がマークする相手を見ていないということは、集中力がかけている証拠です。

集中力を欠いていることを察知したデ・ロッシは、マークを外してニアサイドに走ります。そのタイミングにあわせて、ピルロは普段よりすこし早いタイミングでコーナーキックを蹴り、デ・ロッシにピンポイントであわせました。

他には、イタリアの4点目は今野のクリアミスが問題になりましたが、今野のクリアミスをひろったデ・ロッシに対して誰もプレッシャーにいかず足を止めてボールを見てしまった瞬間、マルキージオは猛ダッシュで今野の背後に走り出します。その瞬間に、デ・ロッシから正確な縦パスがわたり、4点目が生まれます。

共に、相手がどんな事を考えているのか、集中力が切れていないか、など観察していなければできないプレーです。敵を観察し、敵を倒すためにどんなプレーをすればよいか判断し、判断に基づいて正確に技術を発揮する。この2得点は、日本代表や試合を観ていた日本人に対して、サッカーの厳しさとあわせて、決定力とはどういうことなのか、を身をもって教えてくれた2得点だと思います。

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