バスケットボールとサッカーの日本代表に共通する問題「クラッチタイムで誰が得点を取るのか」

2017/02/22

2016年にBリーグが開幕してから、バスケットボールを観る機会が増えました。最近は、幸運にもバスケットボールに精通する方からもお話を伺う機会も増え、バスケットボールに関する知識が少しずつ増えていくなか、大好きで長年観続けてきたサッカーと照らし合わせて観ていると、バスケットボールとサッカーの日本人プレーヤー、そして日本代表に共通する課題が浮かび上がってきました。

バスケットボールとサッカーの日本人プレーヤー、そして日本代表に共通する課題。それは、「どうやって得点を奪うのか」そして「誰に得点を取らせるのか」明確になっていないということです。

バスケットボールで「どうやって得点を奪うのか」そして「誰に得点を取らせるのか」という点に注目が集まるのは、第4Qの残り時間が少ない中で、点差が拮抗している状況です。バスケットボールには、一本のシュートで勝敗が分かれるような競った場面の事を、「クラッチタイム」と呼ぶそうです。この「クラッチタイム」で、シュートを打つ日本人選手が、Bリーグではほとんどいないことが、試合を観ていて分かりました。

「クラッチタイム」を託される日本人選手は少ない

Bリーグで「クラッチタイム」で、チームの勝敗を託されるのは、外国籍選手(もしくは帰化選手)です。川崎ブレイブサンダースならニック・ファジーカス、栃木ブレックスならライアン・ロシター、シーホース三河なら桜木ジェイアールでしょうし、千葉ジェッツも富樫ではなく、タイラー・ストーンに託すのではないかと思います。Bリーグで「クラッチタイム」でシュートを打つ日本人選手は、横浜ビー・コルセアーズの川村と、京都ハンナリーズの岡田くらいでしょうか。ちなみに、2人ともイラン代表との親善試合には選ばれていません。

この問題は、サッカーでも同じです。Jリーグで「クラッチタイム」でチームの勝敗を託されるのは、2016年シーズンまでだと、川崎フロンターレの大久保(当時)、サガン鳥栖の豊田、鹿島アントラーズの金崎、浦和レッズの興梠くらいでしょうか。ちなみに、この4人も2016年11月に行われたサッカー日本代表の試合には選ばれていません。ヨーロッパでプレーしている選手は、2016-17シーズン現在、誰一人として「クラッチタイム」を託されるような選手はいません。

2015-16シーズンにマインツに所属していた当時の岡崎や、ハノーファーに所属していた時の清武ならクラッチタイムを託されたかもしれませんが、ヨーロッパカップに出場するようなチーム、ましてやチャンピオンズリーグに出場するようなチームで、クラッチタイムを託されるような日本人選手はいません。

バスケットボールとサッカー。似て非なるスポーツですが、「クラッチタイム」で「どうやって得点を奪うのか」。そして、「誰に得点を取らせるのか」という点で、課題を抱えているのは共通しています。そして、「クラッチタイム」が普段のチームで託されている選手が、代表に選ばれていないというのも、共通しています。当然、20代中盤の選手に経験を積ませたいという考えは、バスケットボールとサッカーの日本代表に共通していることなのですが、代表チームより活動時間が長い所属チームで、「クラッチタイム」で勝敗を託されない選手に、勝敗を託さなければならないという現状は無視できないと思います。

「クラッチタイム」で結果を残すために大切なこと

「クラッチタイム」で結果を出すには、どうしたらよいのか。日本人でクラッチタイムを託される数少ない存在である、横浜ビー・コルセアーズの川村は、こんなコメントをしています。

「自分が決めてやるという前向きな気持ちだけを持って取り組んでいます。チームが僕に託してくれたということは、それが入っても入らなくても、チームとしてやるべきことであり、僕が託された仕事の一つです。技術的なことはそのシチュエーションによって変わってきますが、今日みたいに僕がシュートが入らない中でも『決めてやる』という気持ちがあれば入ってくれるもの」

「30分の0でもオレは打ち続けるってマイケル・ジョーダンは言っていました。いくら外れても果敢に攻め続けること、打ち続けることは常に心掛けています。そういう気持ちが、ああいうシュートにつながるのではないかと思います」

[CLOSE UP]川村卓也(横浜ビー・コールセアーズ)劇的な勝利を演出した『千両役者』が横浜で見つけた『充実感』より

僕は、アルバルク東京対京都ハンナリーズとの2連戦の1試合目で、第4Qの終盤で京都ハンナリーズの岡田がマークを外した瞬間にパスが出てこなくて、違う選手がシュートを打った時、岡田が一瞬その選手を睨みつけるような強烈な視線を投げたことが、強烈に印象に残っています。このくらいじゃないと、「クラッチタイム」でシュートは決められないのでしょう。

「どうやって得点を奪うのか」そして「誰に得点を取らせるのか」。この問題については、次回も書きたいと思います。

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