バスケットボールとサッカーの日本代表に共通する問題「どうやって得点を奪うのか」

2016年にBリーグが開幕してから、バスケットボールを観る機会が増えました。最近は、幸運にもバスケットボールに精通する方からもお話を伺う機会も増え、バスケットボールに関する知識が少しずつ増えていくなか、大好きで長年観続けてきたサッカーと照らし合わせて観ていると、バスケットボールとサッカーの日本人プレーヤー、そして日本代表に共通する課題が浮かび上がってきました。

バスケットボールとサッカーの日本人プレーヤー、そして日本代表に共通する課題。それは、「どうやって得点を奪うのか」そして「誰に得点を取らせるのか」明確になっていないということです。前回は「クラッチタイムで誰が得点を取るのか」という点について書きましたが、今回は「どうやって得点を奪うのか」です。

バスケットボールの攻撃は緻密な決まり事の連続

バスケットボールの攻撃は、一見すると、選手が本能にしたがって自由奔放にプレーしているだけのように見えます。しかし、よくよく目を凝らしてボールを持っていない選手を観察すると、コートの横幅をいっぱいにつかって動いたり、上下左右に動いてマークを外したりといった、個人個人のマークを外す動きだけでなく、味方をフリーにするために相手が動く方向に立って壁になる動き(スクリーン)をボールを持っている人、持っていない人も駆使したりと、チームとして、誰が、どのように動いて、シュートチャンスを作り出すのか、とても緻密に計算してプレーしている事が分かってきました。

特に、ポイントガードの選手が、ドリブルしながら手を上げて指で番号を示す時は、「ナンバープレー」といって、チームの決まりごとに従って選手が動き、シュートチャンスを作り出します。そして、ナンバープレーの場合、上手くいかなかったらこのプレーを選択するということまで決めているチームもあるそうです。

こうした緻密な攻撃を成立させる核となるのが、前回の記事で取り上げた「クラッチタイムで得点をとる選手」です。チームのエースと呼ばれる選手にいかに得点を取らせるのか。そのためにどのチームも試行錯誤しています。エースに得点を取らせるための方法を考えるのは、個人の力にすべてを委ね、依存することと同じではありません。チームが勝利するために最善の方法を考えた結果、チームのエースに得点を取らせるための方法を考えた結果です。

バスケットボールの日本代表はチームを作り始めたばかりなので仕方がないのですが、先日行われたイラン代表との試合では「誰に得点を取らせるのか」が明確になっていませんでした。第2戦の4Q終盤で、誰に得点を取らせるのか。富樫なのか、比江島なのか、田中なのか、馬場なのか。チームとして認識を共有した上で、コート上の選手が動けたようには見えませんでした。勝負所で富樫が2回ターンオーバーしたのは、富樫個人のミスだけでなく、チームとして「誰に得点を取らせるのか」が明確になっていなかったからだと思います。

サッカーの攻撃も緻密な決まり事が必要

サッカー日本代表も、「誰に得点を取らせるのか」が決まっていません。大迫なのか、清武なのか、本田なのか、香川なのか、岡崎なのか。もしくは、チームとして得点を取る最善の方法を踏まえると、誰に得点を取らせたいのか、どう得点を取りたいのか、明確に出来ていません。そして、前回の記事で取り上げた「クラッチタイムで得点をとる選手」について、チームで役割を担っている選手を代表に選んでいないという問題もあります。

名古屋グランパスの風間監督は、「ゴール前ほど緻密にプレーするべきだ」と語っていましたが、バスケットボールを観ていると風間監督が言っている事がよくわかります。得点を奪うために、いかに相手の守備を外し、ボールを受けて、シュートチャンスを作り出すか。シュートを決めるのは個人の技量に依存しますが、シュートチャンスを作り出すのは、チームで出来る事です。よくサッカーが好きな人は、DFラインのパス交換やフィールド中央のパス交換を緻密に分析しがちですが、本当に緻密に考えなければいけないエリアは、相手が守っている人数が多いゴール前ではないかと思うのです。

シュートチャンスを作り出すために、シュートを決められる選手にいかにチャンスを与えるためにプレーするかは、緻密で、正確に、決められた事を実行して、初めて実現出来るのではないか。そして、足で扱うサッカーであっても、難易度は高まるものの、基本的な考えは変わらないのではないかと思うのです。

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