ビッグゲームにふさわしい緊迫した好ゲーム。「バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・ドルトムント」

毎月第一週の日曜日は、CS放送の一部コンテンツが無料になるので、フジテレビNEXTで放送されていた「バイエルン・ミュンヘン対ドルトムント」を観ました。今シーズンはプレミアリーグを中心に何試合も海外サッカーを観てきましたが、今のところ、個人的には2012/13年シーズンのベストゲームといえるくらい、緊迫した攻防が90分間絶えず繰り広げられる、好ゲームでした。

なお、このゲームの解説は田中誠さんだったのですが、現役時代の寡黙な印象があったので、解説者としてきちんとしゃべれるのか?などと思っていたのですが、DFの視点から見た選手の狙いや、プレーの分析を端的に話していて、非常に聴きやすい解説でした。

ジュビロの黄金期を支えたプレーヤーが近年軒並み解説者に転進していますが、福西さん、藤田さん、名波さん、田中さんは、それぞれ独自の視点を基にした解説をされています。ジュビロの華麗なパスワークに支えられた黄金期は、解説者の語る内容からも、決して偶然成り立っているわけではないのだな、と思う次第です。

クロップが仕掛けたフォーメーション変更とバイエルンの対応

この試合、試合開始時にフォーメーションを見た時に「おやっ?」と思った点がありました。ドルトムントのフォーメーションが普段の4-5-1ではなく、4-1-2-3になっていて、ブワシュチコフスキが普段の右サイドではなく、4-1-2-3の「2」の右サイドに。ゲッツェが「3」の右サイドに位置していました。

クロップの狙いとしては、バイエルンのフォーメーションが4-2-3-1だったので、中盤のマークをはっきりさせるために、普段とフォーメーションを変えたのだと思います。これにより、ブワシュチコフスキがシュバインシュタイガーを、ギュンドアンがハビ・マルティネスを、ベンダーがクロースをマンツーマンでマークしていました。

しかし、この変更はあまり効果があったとは、思えませんでした。バイエルンのクロースやミュラーがポジションチェンジを頻繁に行ったり、DFラインからのボールを直接1トップのマンジュキッチ(マリオ・ゴメス)にあてたり、ドルトムントのプレスを回避しようと、様々な工夫を仕掛け、決定機をいくつか作っていたためです。こうした相手の奇策に対しても、適切な対応ができるところに、バイエルンの強さを感じました。

ハビ・マルティネスがもたらす落ち着き

個人的に印象に残ったのは、バイエルンに今年から加入したハビ・マルティネスのプレーです。何が印象に残ったかというと、とにかく落ち着いている。そしてミスが少ない。また、中盤で確実にこぼれ球をひろって、味方の選手につないでくれるので、チームがハビ・マルティネスのところで一旦落ち着いて、プレーできているという印象をうけました。

加入時には約39億円という高額な移籍金で加入したため、「本当にその価値があるのか?」と疑われている部分もあったと思いますが、ドルトムント戦を観る限り、ハビ・マルティネスの加入により、リベリーやクロースなどの攻撃陣が、安心してプレーできているという印象をうけました。これからもっとプラスの効果は出てくると思いますので、今後の活躍に注目していきたいです。

ゲッツェやロイスが埋められていない香川真司の影響

一方、ドルトムントの攻撃陣は、バイエルンの出来がよかったことやアウェーだったこともあり、なかなかよい形を作れませんでした。香川真司が抜けた後、ゲッツェやロイスといったプレーヤーがどのようにプレーするのか注目していたのですが、彼らは香川のようにボールを受ける動きがうまくないので、なかなかバイエルンのマークを外せず、ボールをもらっても受ける位置が悪いため、ボールを失う機会が目立ちました。

ドルトムントにとっての香川というのは、攻撃の組み立ての時に、ボールを受ける基点としての役割も果たしていました。数字に残らない香川の抜けた穴を、まだ新しいメンバーで構成される攻撃陣は、埋め切れていないという印象がありました。

ただし、クロップは昨年シャヒンが抜けた穴を見事にチーム戦術で埋めてみせました。今シーズンもどのような方法で立て直してくるのか注目です。

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