BBCが紹介する「世界を変えたあなたの20曲」に「上を向いて歩こう」が選ばれる

2013/12/06

上を向いて歩こう

2013年1月31日、イギリスBBCのWebサイトに「20 of your songs that changed the world(世界を変えたあなたの20曲)」という記事が掲載されました。この記事は、「Did this song change the world?(本当に歌が世界を変えることがあるのか?)」という疑問を書いた記事をBBCのWebサイトに掲載したところ、沢山の反響があったそうです。そこで、その反応をまとめたのが「世界を変えたあなたの20曲」という記事です。

「Imagine」と同じ位置づけにある「上を向いて歩こう」

悪名高いアパルトヘイト政策で有名だった南アフリカ共和国で黒人解放運動を指揮し、体勢によって投獄されたネルソン・マンデラについて歌ったThe Specialsの「Free Nelson Mandela」、カーティス・メイフィールドの「People Get Ready」(ロッド・スチュワートもカバーしました)、ジョン・レノンの「Imagine」、ボブ・ディランの「Blowin In The Wind」、U2の「Sunday Bloody Sunday」など、社会性を持っている歴史的な名曲が数多く紹介されているその記事の中で、「上を向いて歩こう」が紹介されていたのです。

「SUKIYAKI」ではなく「I will walk looking up」

この記事の中では、嬉しかった事があります。それは、曲名が「SUKIYAKI」ではなく「Ue O Muite Aruko(I will walk looking up)」と紹介されていたことです。(僕は「I will walk looking up」という英語の曲名は好きです)そして、「SUKIYAKI」という曲名について「but inexplicably known in the US and UK as SUKIYAKI(不可解なことにアメリカとイギリスでは”SUKIYAKI”として知られている」と注釈がついているのです。この注釈は、「上を向いて歩こう」という曲へのBBCのリスペクトが感じられます。

アメリカ人の日本観を変えた「上を向いて歩こう」

また、「上を向いて歩こう」についてアメリカ人の読者から寄せられた文章を読むと、「上を向いて歩こう」という曲が海を越えてどのような感動を与えたのかが分かります。この文章を読むと、僕自身「上を向いて歩こう」という曲の凄さを正しく理解していないんじゃないか、と改めて感じました。本当にステキな文章なので、翻訳とあわせて紹介します。

did as much or more to change the attitudes of Americans toward their former enemies as any policy or speech. I am not old enough to remember the song coming out in 1963, but many older Americans have said this song marked the first instance where they began to see Japanese people not just as a former enemy or some mysterious, exotic race, but as people with feelings no different from their own, and capable of expressing beautiful, tender emotions. The effect went both ways. I lived in Japan for about five years, and many older Japanese shared with me how moved they were at the reception this song received in America, and this made them feel more positive toward their former foes. It is still to this date the only Japanese song to ever top the American charts. I do think it helped accelerate the alliance between Japan and the US that has maintained peace in the Pacific for over 50 years.”
(翻訳)
日本の「上を向いて歩こう」はどんな政策やスピーチよりも、かつての敵国に対するアメリカ人の態度を変えさせました。私よりも年長のアメリカ人の多くが、”この曲によって初めて、日本人が単にかつての敵やミステリアスな異民族などではなく、自分たちと何ら変わらない感情を持った人たちで、美しく繊細な感情を表現できるのだと気づいた”と語っているのです。

私は日本に五年ほど住んだことがありますが、この曲がアメリカで受け入れられたことにどれだけ感動したかを、年長の日本人の多くが話してくれました。この歌の影響は双方に出ていて、アメリカに対する日本人の感情も好転させ、五十年以上にわたる太平洋の平和を支えた日米の同盟関係を促進したと思います。

なお、この記事はスタジオジブリが発行する雑誌「熱風」の連載「続・上を向いて歩こう 〜蘇生と復活の軌跡〜(佐藤剛)」に書かれた内容を元に書いています。この連載や書籍「上を向いて歩こう」を読むと、世界中で愛される「上を向いて歩こう」というスタンダード・ナンバーがいかにして生まれたのかが分かります。「上を向いて歩こう」の秘密が知りたい方や、音楽が好きな人は、ぜひ読んでみてください。

繰り返しますが、「上を向いて歩こう」というスタンダード・ナンバーの価値をわかっていないのは、僕も含めた日本人なのかもしれません。

上を向いて歩こう(坂本九)

上を向いて歩こう(忌野清志郎)

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