日本対ブラジルで見せつけられた、ブラジル代表の守備の凄さ。

イラク戦から中3日、10時間以上の移動と時差、気候の違い、アウェーでの戦い、など。ブラジル戦は日本にとって不利な条件の中での戦いでした。しかし、そんな不利な条件がすべて言い訳に聞こえてしまうほどの完敗でした。ブラジルは強かったです。来年のワールドカップにむけて、順調に準備が進んでいるという印象を受けました。

この試合のブラジルの戦い方で印象に残ったのは、攻撃よりも守備です。今回は、僕が印象に残ったブラジルの守備について、書いてみたいと思います。

選択肢を奪うのがうまいブラジルの守備

試合を観ていて、ブラジルの守備は「相手の選択肢を奪う守備」だなぁと強く感じました。どういうことかというと、ブラジルは相手がボールを持っている時、相手の体の向き、目線、ボールの位置などから判断し、相手が次に選択しようとしているプレーを先読みして選択肢を奪うのです。

そして、選択肢を奪われた相手が判断に困ったタイミングや、苦し紛れのプレーを見計らって、ボールを奪っていました。実行するのは簡単ではありません。

ブラジルの選手がこれが出来るのは、子供の頃から様々な環境や人とサッカーをすることで、対戦相手の間合いや特徴を瞬時に過去の経験から判断できるからだと思います。これがブラジル代表クラスになると、全員が同じ狙いをもって実行できるから凄い。

決して組織だってボールを奪いにいっているわけではないのですが、即興で人の動きにあわせられるのが、ブラジル人の凄さです。

ボールを奪うだけでなく、運ぶのもうまいブラジルのDF

ブラジルの4バックは、現在世界最高の4バックだと思います。世界最高の右サイドバックといわれる、ダニエウ・アウベス。世界最高のセンターバックといわれる、チアゴ・シウバ。成長著しい、ダビド・ルイス。レアル・マドリーで大きな成長を遂げた、マルセロ。この4人はボールを奪う技術も凄いですが、それ以上に奪ったボールを敵陣に運ぶ技術が凄かったです。

相手がプレッシャーをかけてきても簡単にボールをさばき、相手がプレッシャーをかけてこないとみるや敵陣までボールを運んでみせたり、ゆっくりボールを回すと思いきや、急に縦に鋭いパスを出して攻撃のスピードを上げたりと、様々な方法を使って攻撃を組み立てていました。

近年、DFには守備だけでなく攻撃を組み立てるセンスと技術が求められていますが、ブラジルの4バックは4人とも攻撃を組み立てるセンスと技術を備えていて、DFがゲームメーカーなんじゃないか、と思ったほどです。

実はカウンター攻撃がうまいブラジル

ブラジルの攻撃というと、華麗なパスとドリブルを駆使した中央突破を思い浮かべる人が多いと思いますが、実はブラジルはカウンターが得意です。

この試合のブラジル代表は、1点とった後は少しづつペースを落としたため、日本も攻撃に転じることが出来ました。しかし、それはブラジルが用意周到に張り巡らせた罠でした。

ブラジルは日本が人数をかけて攻撃してきたところでボールを奪い、カウンターで得点を重ねていこうと考え、わざとペースを落としたのです。香川が「攻撃でリスクをかけられなくなってしまった。勝ちに行くと言っておきながら、その作業ができなかった。」というコメントを試合後に残していましたが、ブラジルが張り巡らせた罠が、日本代表を慎重にさせたのだと思います。実に巧妙です。

しかも、ブラジル代表は監督が特に指示をしなくても、試合展開を見定めて各自が判断して戦い方を変えられます。個人個人の”サッカーという競技”に対する戦術理解度が高いのです。川崎フロンターレの風間監督がよく言っている「個人戦術の高さが、チームの戦術を決める」という言葉の意味を、まざまざと思い知らされたゲームでした。サッカーは奥が深いです。

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