アスリートに求められる「お客様を集める力」

先日「プロレスラー クリス・ジェリコが教えてくれた、WWE仕込みの「ファンの注目を集めるためのプロモーション」」という記事を書きました。WWEという世界最大のプロレス団体で活躍していたクリス・ジェリコは、本日2018年1月4日に行われる「WRESTLE KINGDOM 12 in TOKYO DOME」で戦うケニー・オメガ戦に向けて、様々な伏線を張り、自分の試合に注目を集めるために、自ら率先してプロモーションを仕掛けている事を紹介しました。

クリス・ジェリコが凄いのは、「選手自らがバズを仕掛けている」事です。クリス・ジェリコは、Sportivaのインタビューでこのように語っています。

最初の一歩は人々の期待値を上げること。ネタを投下してバズらせて、憶測を飛び交わせる。アルファVSオメガはここ10年でも稀に見るビッグマッチだ。世界中を見渡してもこんなケタ外れな試合は存在しなかったはず。世界中が新日本プロレスワールド(新日本の試合が見られる動画配信サイト)を見たがるだろうね。

物事には順序ってものがあって、僕にとって今いちばん重要なのはこの試合への興味を掻き立てること。チケットをガンガン売って、東京ドームを満員の観客で埋め尽くすこと。史上最多動員数も記録したいし、実際そんなペースでチケットが売れていると聞いてるよ。

ただ、既に素晴らしいペースで売れているチケットですが、クリス・ジェリコが抱えているファンは、日本より海外にいます。海外のファンは、日本の試合を会場で観ることは出来ませんが、新日本プロレスは「新日本プロレスワールド」という有料動画サイトを運営しています。月額999円、海外の人は9.99ドルで、全ての試合が見放題のサービスに対して、近年海外の登録者も増えていると聞きます。

「Players Tribune」にインタビューが掲載される意味

クリス・ジェリコはその事を知っているのでしょう。昨日、「Players Tribune」というメディアにこんな記事を掲載していました。

この記事は、クリス・ジェリコのプロレス人生に影響を与えた、5人のレスラーが紹介されています。ウルティモ・ドラゴン、ショーン・マイケルズなど、日本でも人気が高かったレスラーに対するコメントが掲載されているだけでも、プロレスファンにとっては嬉しいのですが、6人目のレスラーとして、ケニー・オメガが紹介されているのです。歴代の勇士と一緒にケニー・オメガが紹介されていることからも、クリス・ジェリコがこの試合に並々ならぬ気持ちで臨んでいることが伝わってきます。

「Players Tribune」は、元ヤンキースの名選手、デレク・ジーターが始めたWebメディアです。選手、監督、スタッフといったスポーツ関係者のコメントが、既存メディアではきちんと伝わらないので、選手、監督、スタッフといったスポーツ関係者が考えている事がきちんと伝わるメディアを作りたいという想いから立ち上げられたメディアで、世界中のスポーツファンから高い評価を得ています。このメディアにクリス・ジェリコの記事が掲載されるということは、世界中のスポーツファンに、新日本プロレスのプロモーションがされるということでもあります。

「スペシャルゲスト」でも試合をするからには注目を集めたい

クリス・ジェリコは、新日本プロレスの選手ではありませんので、扱いとしては「スペシャルゲスト」です。ギャラをもらって、与えられた場所で試合をするというだけやっても、何も文句は言われません。しかし、クリス・ジェリコは、自分が試合に出るのであれば、きちんとプロモーションをして、世界中の注目を集めたい。そう考えているのだと思います。

今のアスリートは、ただ試合をして、よいプレーをするだけでは、高い給料をもらう事は出来ません。よいプレーをするために練習するのは当然で、プラスして「いかにお客様を呼べるか」というところが、選手の価値なのだと思います。昔はよいプレーだけをすれば、自ずとプレー目当てにお客様が集まってきました。しかし、現在はプレーだけでなく、自ら情報を発信して、お客様やスポンサーを獲得出来る選手でなければ、価値があるとは言えません。お客様を呼べること、それがアスリートの価値であり、お客様を呼ぶためには、自らバズを仕掛けることも必要なのが、今のアスリートに求められているのです。クリス・ジェリコは、その事がよく分かっています。

いかに自分の力でお客様を呼べるか。それは、アスリートだけでなく、サラリーマンにも求められている能力だと思います。僕自身も何が出来るのか考えてみたいと思います。

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