トップのプロレスラーは観客をみて戦い方を変えられる

最近、ゆっくりお風呂に浸かりながら、スポーツの動画を観るのが楽しみなのですが、YouTubeを観ていたら面白いシーンがあったので紹介したいと思います。

新日本プロレスがYouTubeに公開していた「12月17日 Road to TOKYO DOME ショートハイライト!」という動画の冒頭で、IWGPヘビー級チャンピオンのオカダ・カズチカと、2018年1月4日に東京ドームで行われるIWGPヘビー級タイトルマッチでオカダ・カズチカに挑戦する内藤哲也との前哨戦を抜粋した動画を観ていた時の事です。

オカダ・カズチカが内藤に対して攻撃を仕掛け、内藤をリング場外に出して、鉄柵に打ち付けるなどの攻撃を仕掛けようとした時のことです。

プロレスでは、大きなタイトルマッチの前に、チャンピオンと挑戦者が何度もぶつかり、タイトルマッチに向けて様々な伏線を貼ることで、タイトルマッチを盛り上げようとします。チャンピオンが敢えて場外戦で戦うのも、タイトルマッチに向けて伏線を張りたいからなのです。オカダが内藤を鉄柵に打ち付けたあと、目の前にある光景が飛び込んできました。

オカダの目に飛び込んできたものとは、小さな子供を抱きかかえてプロレスを観る男性です。小さな子供は2歳くらいだと思います。僕の常識からしたら、場外戦が行われるであろう鉄柵が近い席に、小さな子供を連れてくるなんて、考えられません。新日本プロレスは子供に観てもらえるような工夫をしていますが、さすがに鉄柵の横の席に子供を連れてくることは想定していないと思います。

オカダは男性と子供を見た瞬間、ちょっとだけ困惑したような顔をしました。ここから鉄柵を使いながら、荒々しく攻撃を仕掛けて、観客を盛り上げようとしていたのに、さすがに子供がいる横でそれをやるのはマズイ。そう思ったのだと思います。子供を見つけた直後、オカダは攻撃を止め、内藤をリングに戻しました。

内藤という選手も黙ってはいません。オカダにリングに戻された後、今度は自分でオカダを場外に突き落とし、場外戦を仕掛けます。ただ、内藤も子供がいることには気がついていたのだと思います。場外にオカダを落とした後、子供がいない方にオカダを投げ飛ばし、場外戦を続けたのです。

オカダと内藤の行為から、僕はよいプロレスラーというのは「観客を見ながら試合をしている」のだなということを、改めて感じました。どこにどのような観客がいて、どんな反応をしているのか。観客の反応に応じて戦い方を変え、試合を盛り上げていく。技に破壊力があって、自分の強さを誇示するだけでは、団体を引っ張っていくプロレスラーは務まらないのでしょう。

他のスポーツと照らし合わせて考えると、サッカー、野球などでも、観客を意識してプレーしている選手は、まだまだ少ないと思います。

川崎フロンターレの中村憲剛は、チャンスとの時にコーナーキックを得ると、スタンドに向かて手を振り上げ、スタンドのファンを煽ります。福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩は、ホームランを打った後に「熱男ー!」と叫ぶのが定番です。こうして、ただプレーするだけでなく、ファンを巻き込み、盛り上げ、試合を盛り上げていくことが、選手には求められているのだなと感じました。選手にとっては、プレーの技術も盛り上げるための方法の1つなのかもしれません。