アスリートだって心は折れる

昨日、このプレスリリースを読んで、驚きました。

川崎選手が退団した理由は、怪我だけではなく、自律神経の病気。「身体を動かすのを拒絶するようになった」と書いてあるほどなので、症状はとても重いのだと思われます。川崎選手といえば、明るく、前向きに、困難に立ち向かう姿が印象に残っています。僕自身、2015年の夏と、2017年の夏に、自律神経の病気にかかったことあり、その時、川崎選手がアメリカで頑張る姿を動画で見て、励みにしていました。それゆえに、プレスリリースで発表された内容に驚かされました。

僕自身の経験

僕の場合は、仕事と家庭の問題が解決せずに山積みになり、加えて、日本スポーツアナリスト協会の活動や、試合の分析を空いた時間で取り組んでいたことによって、頭が休まることなく、だんだんと眠れなくなっていった時に、症状が出てしまうことがありました。

川崎フロンターレがもっと楽に勝ってくれるチームだったら、自律神経の病気に苦しむことはなかったかもしれませんが、当時は「勝ってもらいたい」という想いも強く、試合の勝敗がそのまま心のダメージになって跳ね返ってくることがありました。さらに、僕は、勝った試合も、負けた試合も2回観てから書くというルールを自分に課していたので、負けた時は、2倍苦しみを味わっていたわけです。

当然、その間は仕事をしていましたし、家庭もありました。日本スポーツアナリスト協会の活動のサポートも続けていました。結果的に、2015年と2017年の夏は、身体と心が悲鳴を上げ、仕事をするのが難しい状態に追い込まれ、セーブせざるを得なくなってしまい、ブログも極端に更新頻度が減ってしまいました。

川崎選手のニュースを聞いた時、もしかしたら、明るく振る舞っているように見えて、実は、人一倍苦しかったのではないかとも感じました。

そして、苦しいからこそ、明るく、前向きな姿を披露することで、自分を鼓舞していたのではないかもしれません。

僕が、川崎選手の動画に勇気づけられたのは、もしかしたら、川崎選手も同じような悩みをかかえながら、必死で前を向こうとしていたからかもしれません。

NBAのオールスター選手が告白した心の病

アスリートという仕事は、身体だけでなく、心も傷つけられる仕事です。心の問題を告白したアスリートは、川崎選手だけではありません。

NBAでは、トロント・ラプターズのスター選手、デマー・デローザンが自身が抱えるうつ病について告白し、大きな話題を呼びました。

その後、オールスターにも出場したことがある、クリーブランド・キャバリアーズのケヴィン・ラブが、試合中にパニック障害に襲われたことを告白。屈強で、鉄の意志を持ち、僕のような普通の人間とは違うと思われていたアスリートが、いかにストレスをかかえながらプレーしているのか、そして、アスリートといえども、1人の人間なのだということを、多くの人々が知ることになりました。

道なき道を進んでいるのだから、「心が折れる瞬間」があるのは当たりまえ。

最近、面白いと思った記事に、こんな記事があります。

この記事には、外から見ると上手くいっている会社や人でも、実際は、世の中の不条理に真剣に向き合い、道なき道を進んでいたら、心が折れる瞬間はある。といったような事が書かれています。

僕は、「心が折れる」とはどういうことか、2015年と、2017年に経験しました。心が折れると、本当になにも出来ません。日常生活すら、ままならなくなります。

今振り返ると、そんな状況でも書き続けていた、試合のプレビューとレビューって何なのだろうと、自分自身不思議に思うことがあります。

先日、スポーツに関して「興味がある」と言われて打ち合わせをしたある方に対して、「僕の試合のプレビューとレビューは読みましたか?」と聞いたら、「読んでない」「感想はいうほどでもない」という回答され、「それなら一緒に出来ないな」と感じたことがあります。最低限、僕に会うなら、ブログは読んでおいてくれよと。どんな想いで書いているか、分かるし、僕がいくら言葉にするより、多くの事が書いてあるから、と。

僕は、周囲や会社の理解もあり、仕事をセーブし、無理に取組を止めることなく継続し、トレーニングで体力を回復させた結果、少しずつ心も回復し、病院に通わなくてもよくなりました。それでも、たまに、症状が出ることがあります。

回復途上では、多くの方からアドバイスを頂きました。そして、困難に立ち向かおうとするアスリートやスポーツ関係者の姿から刺激を受けた事も、立ち直るきっかけになりました。

新日本プロレスの棚橋弘至選手が怪我から復活しようと必死に取り組む姿は、自分と重ね合わせながら見ていて、勇気づけられました。

WWEで活躍する中邑真輔選手は同じ歳ということもあり、活躍を目にする度に、「負けたくない」という想いを抱くようになりました。

2017年最も食事に行った一人でもあるフットサル日本代表の星翔太選手の考え方、行動は、普段接している人とはまるで違うので、お会いするたびに刺激をもらっています。

その他にも、昨年の夏に食事をしたときにアドバイスをくださった、アヤックス・オランダ代表のアナリストでもある白井裕之さんなど、多くのアスリートやスポーツ関係者の活躍が励みになりました。川崎選手もそんな1人です。

僕が自律神経の病気で苦しんでいる頃、他にも同じような症状で苦しんでいる人がいることも知りました。
心の病に関する話は、他人事ではありません。

僕から川崎選手に対して、何か言うことはありません。言えるはずもありません。

僕から言えることがあるとすれば、アスリートも人間です。
人間がやるから、スポーツは面白いのだと思います。

試合を観ていると、不満はつのるし、思わず声を荒げたくもなりますが、
困難にチャレンジする人へのリスペクトを忘れることはあってはいけない。
改めて、そんな事を考えさせられました。

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photo by Keith Allison