一流ってなんだろう。書評「Brutus 784 -松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」-」

2014/09/02

「一流ってなんだろう。」本書の特集はこんな言葉から始まります。

男にとって大切なものは何か、男にとって一流とは何か、上質とは何か。その事を、「暮しの手帖」編集長の松浦弥太郎さんと考えたのが、今回のBrutusの特集「松浦弥太郎の「男の一流品カタログ」」です。

世の中的な一流に感動出来ない

松浦さんは、ずっと「一流」という言葉に憧れてきたのだそうです。一流品が欲しい、一流な生き方がしたい、一流になりたい。そう思って生きてきたのだそうです。しかし、手を伸ばせば届くように見えるようになった「一流」をよく見てみると、はて、本当に自分がそうなりたいのか、その品が欲しいのか、そういう生き方をしたいのかと、疑問に思ったというのです。

いわゆる世の中的な一流に今の僕は感動が出来なかった。
それなら僕は自分が探して見つけた一流を、新しい一流と改めて、
そのために自分の大切な時間を使い、
自分が持っているお金を使い、これからの自分の生き方を考えたいと思った。
一流とは一体なにか、と考えることは、
肩書や地位、品質や値段のことだけではないと気がついた。

「一流」への最初の一歩は、「やせがまん」

松浦さんは、「一流」への最初の一歩は、「やせがまん」、もしくは「背伸び」だと語ります。松浦さんは、やせがまんとは、自分の身をザクザクと削ることで、リスクを負うことだと語っています。リスクを負うことで、経験という宝物を得る。経験とは、「一流」の種子であり、成功も失敗も含めて、経験豊富であるということが一流の絶対条件だと、松浦さんは語っています。

本書には、松浦さんが選んだ80点の一流品が紹介されています。本書で紹介されている一流品に、最新の商品や、流行りの商品は紹介されていません。どれも時間をかけて丁寧に作られ、派手さはないけれど、静かな美しさを持っている品ばかりです。

「一流」への道に近道はない

どんなジャンルでも「一流」になるには、一万時間が必要だという言葉を聞いたことがあります。どんな人でも、1日は平等に24時間与えられています。24時間という時間をいかに使い、嬉しい事も、苦しいことも経験し、自分の力とすることで、「一流」となっていく。そして、経験して得られたお金をつかって「一流」に触れ、自分を磨く糧とする。

「一流」への道に、ハック(近道)なし。
その事を、肝に銘じておくべきだと、本書を読み終えて改めて感じました。

男の一流品 10箇条

最後に、松浦さんが考える「男の一流品 10箇条」について紹介したいと思います。

  1. 歴史と文化の学びがあるもの
  2. 人の手で作られたもの
  3. そこに人格があるもの
  4. 豊かさとは何かと問うもの
  5. 発明と発見に満ちているもの
  6. 完璧ではないもの
  7. お金だけでは買えないもの
  8. 少年の心が隠れているもの
  9. 色気のあるもの
  10. ひと刷毛の悲しみのあるもの

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