2017年J1第9節 セレッソ大阪対川崎フロンターレ プレビュー「人を活かして、自分も活きる」

2017年Jリーグ第9節、川崎フロンターレの対戦相手はセレッソ大阪です。

前節の清水エスパルス戦は、川崎フロンターレにとって、実は勝敗はどうでもよい試合だったのかもしれません。もちろん勝ちたかったけど、勝敗より大きなものを取り戻す事が出来るか。そのために戦っていた試合だったような気がします。川崎フロンターレにとって勝敗より大切なものとは、理念、プレーモデル、コンセプトといった言葉で表現されるものです。

2017年シーズンの川崎フロンターレは、今まで突き詰めてきた「いかに相手を攻略するか」という点に加えて、「いかに相手からボールを奪うか」を突き詰め、チームを成長させようとしてきました。ところが、「いかに相手からボールを奪うか」という点に注力した結果、川崎フロンターレが大切にしてきた「いかに相手を攻略するか」という点が失われ、相手も攻略できず、ボールも奪えないという状態になってしまいました。

シーズン前からGWまでは苦戦すると予想していた

僕は、2017年シーズンの川崎フロンターレは、GWまでは苦戦するだろうと思っていました。ACLに参加したことによる過密日程と移動。2週間程しかなかったため選手のコンディションがよくないまま開幕を迎えるであろうこと。そして、毎年新たに加入した選手が力を発揮するまで5月くらいまでかかること。こうした要因から、ACLは突破出来てもギリギリ、リーグ戦は5位くらいであれば最高。そんな予想を立てていました。

しかし、予想外だったのは、新加入選手が軒並み怪我をしてしまったこと、そして、自信を持っていたはずの攻撃が上手く機能しなかった事です。2016年シーズンから、川崎フロンターレは中央よりサイドからペナルティエリアに侵入し、得点を奪ってきました。こうした攻撃パターンの変化は、小林のゴール数が増える一方、大久保のゴール数は減り、大久保がストレスを溜め、移籍する要因にもなりました。2017年シーズンは、小林がエースになったことで、よりサイドからの攻撃で得点を奪うのではないか。そんな予想を立てていました。

小林も、他の選手も得点出来ない

ところが、そうは上手くはいきません。小林は開幕から2試合連続ゴールを決めましたが、その後はPKによるゴールのみ。そして何より深刻だったのは、小林以外の選手がゴールを奪えていないことです。小林は2017年シーズンになって、エースストライカーとキャプテンという責任を背負っています。「自分が決める」という気持ちが、シーズンが進むにつれて、空回りするような場面もみられるようになりました。

必要以上にDFライン近くに位置取り、味方を活かそうというプレーが減ってしまいました。そして、味方の選手もチャンスを活かす事が出来ません。長谷川やハイネルのように、ボールを運ぶプレーが得意な選手が入ったことで、テンポのよいパス交換も披露できず、相手を押し込む事も出来ません。小林で得点も奪えない、他の選手でも奪えない。第8節のコンサドーレ札幌戦が終わった後は、かなりチームとして厳しい状態でした。

人を活かして、自分も活きる

第9節の清水エスパルス戦、ACLを戦った後、少しずつチームは「いかに相手を攻略するか」という点について、再び選手同士の共通認識がすり合わせられてきています。あとは、小林以外の選手がいかに得点を奪うか、です。まずは、小林がいかに他の選手のシュートチャンスを作り出せるかです。今の小林は、自分が決めるという気持ちが強すぎて、一番よい場所に常にいようとしすぎています。ただ、一番よい場所は守備者にとっても守りたい場所だし、他の選手も活用したい場所です。ずっと占領していると、その場所は良い場所ではなくなってしまいます。時には人に譲る事も大切です。

また、他の選手は小林が作り出したチャンスを、上手く活かして欲しいと思います。小林は味方を活かすのが下手な選手ではありません。小林はリーグ戦第8節までに、3得点だけでなく、4つのアシストを記録しています。小林が作り出したチャンスをきちんと決めることが出来れば、今度は小林にもチャンスが巡ってくるはずです。

チームは最悪な状況からは脱しつつありますが、課題が全て解決したわけではありません。まだまだ課題は山積しており、楽な戦いにはならないです。おそらく大島や家長が戻ってくる、5月以降が勝負です。それまでは、耐える戦いが続きます。どうチームが課題を解決し、成長していくのか。楽しみです。

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