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音楽とCMの関係を考える。

   

みんなCM音楽を歌っていた―大森昭男ともうひとつのJ‐POP

「みんなCM音楽を歌っていた」という書籍があります。資生堂の「サクセス、サクセス、」宇崎竜童「時間よ止まれ」矢沢永吉「君のひとみは10000ボルト」堀内孝雄「夢一夜」南こうせつなどのヒット曲を生み出したCM音楽ディレクター大森昭男さんの軌跡をたどりながら、CMと音楽の関係性について書かれている書籍です。

この本を読んでいると驚くのは、現在大御所となっているミュージシャンの多くがCM音楽を手がけていること、そして商品名や商品に関するイメージを盛り込んだCM音楽を作っていることです。山下達郎さんが三ツ矢サイダーのCMで「サイダ〜、サイダ〜」と歌っていたこともあります。

歌で商品のメッセージを強烈に伝えたFROM A「かーきん音頭」

僕の中でCMと音楽の関係で強く印象に残っているのが、FROM AのCMで使われた「かーきん音頭」という歌です。「かーかきんきん、かーかきんきん」というメロディにあわせて、黄色いタコのような火星人と緑色のイカのような金星人が登場し、縦横無尽に動きまわる姿が放送され、関東圏限定のCMにもかかわらず、大流行となりました。

「かーきん音頭」は「バイト探しは、しゅ、しゅーしゅー、にーかい~」と「かーかきんきん、かーきんきん」という言葉で、FROM Aが火曜日と金曜日の週2回発行される雑誌であること、バイト探しの情報誌であることを伝えています。コミカルな歌ばかりに気を取られがちですが、伝えたい情報をきちんと認知してもらうこと。これがプロモーションでは重要であり、伝えたい情報をきちんと伝えるための手段が”音楽”なのです。

「CMのための音楽」を聴かなくなった

しかし、こうした「CMのための音楽」というのは、近年めっきり聴かなくなりました。思い出せたのは、矢野顕子さんが作った日清製粉グループのCMソング「コニャラの歌」と、斉藤和義さんが作った東京メトロのCMソング「メトロに乗って」くらいです。

「CMのための音楽」と聞くと、商業主義にひれ伏したように聞こえてしまいますが、果たしてそうでしょうか。よく考えてみると音楽の1つの効用として、「メロディに言葉を載せることで、より多くの人に言葉を届けることが出来る」というものがあります。「い〜しや〜き〜いも〜」とか「た〜けや〜さおだけ〜」がよい例です。

「CMのための音楽」はミュージシャンが生き残る手段のひとつ

「こんな商品があるよ」「安いよ」といったメッセージを、音楽で伝えるということは、古くから使われてきた手法であり、情報伝達の手段として音楽のことを考えれば、CM音楽をやるということは、商業主義にひれ伏したとは一概には言えないと思います。

むしろ、「CMのための音楽」が聴かれなくなったことの方が問題だと思います。ミュージシャン側が拒んでいるのか、広告を依頼する側が否定しているのかわかりませんが、情報伝達の手段としての音楽はまだまだ力があると思いますし、音楽が売れない時代にミュージシャンが生き残っていく道は、実はCM音楽にあるんじゃないかとも思うのです。

FROM A「かーかきんきん、かーきんきん」

日清製粉グループCM「コニャラの歌」

東京メトロ「We are the Tokyo navigator」

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