つくり出される”一期一会”。書評「コミュニティデザイン」(山崎亮)

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

コミュニティが失われているという話を耳にすることがあります。僕が子供の頃でも、地域のお祭りの手伝いや、地域の廃品回収を手伝ったり、マンションの掃除を住民で行ったりする機会がありました。子供のころは嫌々やっていた行事によって、近所にどんな人が住んでいるのか、どんな家族構成なのか、など様々なことを知ることで交流を深めたり、掃除や祭りを通じて、地域を深く理解しているのだと、大人になった今ようやく実感しています。

本書は、失われつつあるコミュニティを”デザイン”する仕事を手掛ける筆者が、日本全国のコミュニティをどのようにデザインしていったのか、事例に基づいて紹介している1冊です。

コミュニティデザインに正解はない

本書を読むまで、「コミュニティデザイン」という言葉を聞いたことがありませんでした。では、「コミュニティデザイン」とはどのような仕事なのでしょうか。本書を読んでいると、筆者はコミュニティを1から作っていったり、崩壊しそうなコミュニティの再生に取り組んでいます。コミュニティを作るために、筆者はイベントを企画したり、公園の運営方法を企画したり、ありとあらゆることを実践しています。

読み進めれば、読み進めるほど「この人、一体何の仕事をしているんだろう」と思うのですが、筆者の人々の話を聞き、生活に触れ、率先して汗を流す、”デザイン”という言葉のイメージからは程遠い仕事ぶりから分かることは、「人と人をつなぐ」方法に正解はないのだと思わされます。まさに”一期一会”とはこういう仕事のことをいうのだと思います。

Only one is from…

人と人のつながりを大切にし、その土地やその人からしか生まれない物が出来上がる。それを買い求めたり、それを体験しようとする人が集まってくる。誰もが欲しがる商品を売るのではなく、自分が欲しがる商品を売る。こうした考えを持ちたいと思っている人は、一度この本を読んでみてはいかがでしょうか。

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