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ジブリプロデューサー見習いの卒論。書評「コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと」(川上量生)

   

面白いコンテンツとは何か。どうやったら、面白いコンテンツは作れるのか。

そもそもコンテンツとは、「情報の中身」や「情報の内容」という意味で使われる言葉です。僕が日々ブログを書くこともコンテンツを作ることですが、どんなコンテンツが面白いのか、どんなコンテンツが人々に支持されるのか、あるいはどんなコンテンツが儲かるのか、定義が明確に分かっている人はいるのでしょうか。じゃあ、そもそも面白いコンテンツ、人々に支持されるコンテンツ、儲かるコンテンツはどうやって作られるのでしょうか。

そんなコンテンツにまつわる秘密を解き明かそうとした人がいます。それが、ドワンゴ会長の川上量生さんです。川上さんは、コンテンツの秘密を解き明かすために、スタジオジブリのプロデューサー見習いとして、2年間スタジオジブリに通い続けます。スタジオジブリは、面白くて、人々に支持されて、儲かるコンテンツを長年作り続けてきた会社です。そして、スタジオジブリは他の会社がやらない事をやり続け、それを実現させてきた会社でもあります。

クリエイターとはどんな人なのか。コンテンツとは何か。天才クリエイターと普通のクリエイターとの差は何か。スタジオジブリに通うようになってから、毎日のように考え続けたというテーマについて、川上さんの考えをまとめたのが、本書「コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと」です。

クリエイターやコンテンツの定義

本書には、「クリエイターとはどんな人なのか」「コンテンツとは何か」「天才クリエイターと普通のクリエイターとの差は何か」について、これでもかというほど、深く、細かく考えられた考察が収められています。本書に書かれているのは、クリエイターにどうやったらなれるのか、面白いコンテンツがどうやったら作れるのか、について書かれているわけではありません。あくまで本書に書かれているのは、「定義」です。川上さんは、一般的に曖昧になっていた、クリエイターやコンテンツといった言葉について、本書で明確に定義しています。それが、本書の面白さだと、僕は思います。こんな本、読んだことありません。

なぜこんなことを考えたのか

細かい定義については、本書を読んでいただくとして、僕は読み終えて、1つの疑問が浮かびました。それは、「なぜ、川上さんはこんな事を考えたのだろう」ということです。「クリエイターとはどんな人なのか」「コンテンツとは何か」「天才クリエイターと普通のクリエイターとの差は何か」といった事について、疑問に思う人はいても、真正面から謎を解き明かし、自分なりに定義しようという人はいないと思います。

僕は、川上さんが、「将来的には人間はコンピュータには勝てなくなる」と発言している記事を読んだことがあります。ドワンゴが主催している、コンピュータと棋士の対決「将棋電王戦」も、そんな川上さん自身の仮説から生まれたコンテンツだと、僕は捉えています。

たぶん、川上さんは、人間には何が出来るのか、人間の可能性はどういうところにあるのか、深く深く考えていくうちに、人の頭の中で作られている、コンテンツや、コンテンツを生み出すための発想・クリエイティブの秘密について、疑問を抱いたではないのでしょうか。そして、コンテンツを生み出す秘密やクリエイティブの秘密に、人間が出来る事や可能性が潜んでいるんじゃないか。そんな事を考えたのではないかと、思いました。

川上さんは、本書の事を「ジブリプロデューサー見習いの卒論」だと書いています。「クリエイターとはどんな人なのか」「コンテンツとは何か」「天才クリエイターと普通のクリエイターとの差は何か」について、ここまで詳しく、深く、細かく考察がまとめられた書籍を読んだのは、僕は初めてです。1回読んだだけだとよく分からなかったので、僕は2回読みました。

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