nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

書評「クレイジーケンズ マイ・スタンダード」(横山剣)-好きな事をやりたい人は、クレイジーケンの流儀を学べ-

   

大人のロックンロールを奏でたら、「東洋一のサウンドマシーン」クレイジーケンバンドの右に出るバンドはいません。しかし、クレイジーケンバンドが4枚目のアルバム「グランツーリスモ」をリリースするまで、リーダーの横山剣さんが仕事を続けながら音楽活動を続けていたことは、あまり知られていません。「グランツーリスモ」をリリースしたのは、横山剣さんが42歳のときです。

なぜ、横山剣さんは仕事を続けながら、音楽活動を続けてきたのか。横山剣さんがどんな半生を歩んできたのか。本書「クレイジーケンズ マイ・スタンダード」は、横浜で育った幼少時代からCKB設立まで、独特の文体で書き下ろした、なんと500ページにもわたる超大作です。

昼の仕事をしている時のおれは仮の姿のおれではない。

横山剣さんのロックンロールを絵に描いたような半生、それを独特のトーンで伝えてくれる文章も「イイね!」なのですが、僕が本書で最もぐっと来たのはこの部分です。

昼の仕事と音楽との両立。これって特別なことでもなんでもない。だって人間、飯喰わなきゃ餓死する。働かざるもの、喰うべからず、と言う。当たり前のことだ。
(中略)
おれの場合は飯を喰うためもあるけれど、誰にも邪魔されない侍従な音楽表現を得るために、自分が自分のパトロンになって自分の音楽活動を支援したい、というもうひとつの目的もあったので、なるべく稼ぎのいい仕事をしたかった。
(中略)
音楽の自由は向こうからはやってこない。音楽の自由は自分の力で勝ち取るものだ。
そして、それが本当の自由というものだ。単純なおれは単純にそう思った。
与えられた時間は皆平等で、その時間をどう消費するかも個人の自由。
音楽の自由を得るために音楽意外の仕事をしてカネを稼いで何が悪い?

そして、剣さんはこう断言します。


昼の仕事をしている時のおれは仮の姿のおれではない。

大人のロックンロールはやぶれかぶれではない

これを読んだ時、剣さんにとっての音楽と仕事の関係は、僕にとってサッカーと仕事の関係だと思いました。僕にとって、昼間仕事をしながら、サッカーの事を考える。それは、特別なことではないし、社会人になってから、ずっとそうしてきたので、当たり前の事だと思ってます。

僕はスポーツの仕事で生活している人を、凄く尊敬しています。なぜなら、僕はスポーツの仕事では食べていけないと思ったからです。スポーツの仕事では食べていけないし、いつか仕事の経験がスポーツに役に立つ日がくる。そう思って、仕事を続けてきました。僕も自分が自分のパトロンになって、自分のサッカーやスポーツに関する勉強や活動を支援したい。そして、家族も養っていきたい。そう思って、仕事を続けてきました。

大人のロックンロールは、一か八か、やぶれかぶれで、真っ暗闇の中を進みながら、奏でる音楽じゃない。自分の頭で考え、義務を果たすことで自由を得ながら、一歩一歩前に進みながら奏でる音楽なのだ。大人だから自由がないわけじゃない。大人が果たすべき義務があり、義務を果たすからこそ得られる自由がある。僕は本書を読みながら、改めて実感しました。

剣さんのように、仕事を続けながら、音楽を続けている人、あるいは、仕事を続けながら、自分の好きな事を続けている人はいると思います。そんな人に、本書はぜひ読んでいただきたい1冊です。読み終わったら、不思議と元気が出てきます。

おすすめ

 - , , , ,