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ボルシア・ドルトムントのトゥヘル監督と川崎フロンターレの風間監督が教えてくれる「選択と集中」の大切さ

   

昨日Number Webで公開された「香川真司も驚く「トゥヘル革命」。ELポルト戦完勝で見せた2つの奇策。」という記事に、こんな文章が掲載されていました。

シーズンの前半戦にトゥヘルが手がけたのは、ポゼッションを大切にし、相手の守備を崩すための策を選手たちに植え付けることだった。フォーメーションが、4-3-3でほぼ固定されていたのもそのためだ。

 だが今年に入ってからは、相手の特徴を分析し、長所を消し、短所を突くというリアクション型ともいえるサッカーに力を注いでいる。例えば、あのバイエルンがリーグ戦で黒星を喫したボルシアMGとのアウェーゲームでは、サイドバックで起用してきたドゥルムをサイドのMFに置いて、カウンターからの追加点で勝利を確実なものにした。あるいは、今年に入ってからブンデスリーガで最も多くの勝ち点を稼いでいるシュツットガルトとドイツ杯で対戦した際には、相手の鋭いカウンターを防ぐための選手起用と戦い方に徹して、勝ち上がりを決めた。

この文章を読んで思い出したのが、風間監督が就任してからの川崎フロンターレの戦い方です。

孤立するくらい極端な事を言わないと、物事は変わらない

風間監督は、就任当初「相手は関係ない。」「ミーティングはしない」と、繰り返し語っていました。この言葉だけ受け取ると、相手の事は全く考えず、相手チームに対する対策もしない、自分たちが出来ることだけを考えて、チーム作りをしているように感じた人もいます。この言葉だけ受け取る人は、「傲慢だ」とか「そんなやり方で勝てるわけがない」と感じていたと思います。

実際、風間監督は就任して半年間は、相手に対する対策も、ミーティングも全くやらなかったそうです。なぜそうしたのか。それは、トゥヘルがドルトムントで実践したように、まずは攻撃し続けるサッカーを崩すために、相手の守備を崩すための策を選手に植え付けたかったからなのです。

以前、風間監督のセミナーを聞きに行った時、印象に残ったのが、「孤立するくらい極端な事を言わないと、物事は変わらない」という言葉です。課題がないチームはありません。サッカーのチームなら、攻撃にも、守備にも、課題をかかえながらシーズンを戦っています。課題を解決するために、攻撃の練習もしよう、守備の練習もしよう、といった具合に練習していたら、結果的にどの課題も解決しなかった。そんなことになる気がします。

風間監督は相手のチームの対策をたてるのが、非常に上手い監督

僕は、風間監督は相手のチームの対策をたてるのが、非常に上手い監督だと思っています。特に、「この試合で負けたら解任もありうる」という試合で、相手の力を発揮させず、自分たちの強みが発揮できるようにチームを仕上げる力は、つくづく感心します。

攻撃の練習をして、自分たちの課題を解決することがそのまま相手チーム対策につながるように結びつけるのは簡単ではありませんが、風間監督はその難しいチームマネジメントを的確にこなしてきた監督だと思います。風間監督が就任してから、川崎フロンターレは3連敗までしか連敗がありません。ギリギリのところで傷口を止めてきたのが、数字にも現れています。

「よいアイディアで複数の問題を解決する」のがよい監督

「よいアイディアは複数の問題を解決する」と語っていたのは、スーパーマリオの生みの親である、任天堂の宮本茂さんです。風間監督が就任当初から攻撃の練習しかしなかったのは、攻撃の質を高め、攻撃する時間を長くすることで守備の時間を減らせば、結果的に失点も減る。そんな事を考えたからです。トゥヘルも元々ドルトムントは「奪ってから速く攻める」攻撃が出来ていたので、相手の守備を崩すための策を伝えれば、守備の時間やカウンターを受ける時間を減らせるので、より強いチームになるのではないかと考えたのではないのでしょうか。

なお、イチローはバッティングにたとえて「意識しなくても出来ると思って、別のことを意識して取り組んでいると、今度は意識しなくても出来たことが、次第に出来なくなってくる。だからバッティングは難しい。」と語っていたことがあります。風間監督は、攻撃は「意識しなくても出来る」と考え、守備を練習する時間を増やしています。トゥヘルは記事にも書かれているように、相手の良さを消すための戦い方も取り入れています。両者とも意識して出来るようになったから、次の段階に進める。そう考えたのではないのでしょうか。

風間監督とトゥヘルのチームマネジメントからは、いかに「選択と集中」の大切か教えてくれます。2つ問題があったら、2つとも解決しようと試みるのではなく、どちらかに集中して取り組むことで、結果的に両方の問題を解決する。いかに根本的な問題点を見つけだし、解決するために集中して、チームの力を集中させることが出来るか。それが出来ることが、サッカーチームの監督として成功する人の条件なのかもしれません。

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