経済を学ぶことは、社会について学ぶことだ。書評「経済ってそういうことだったのか会議 」(佐藤 雅彦、 竹中 平蔵)

結婚して、子供が産まれ、30歳を過ぎて、ようやく僕はお金について考えるようになりました。

村上龍さんの著書に「だまされないために、わたしは経済を学んだ」という本があります。村上龍さんが、JMM(Japan Mail Media)というメールマガジンを始めたきっかけについて書いたエッセイのタイトルが、そのまま著者のタイトルになっているのですが、お金について考える時、僕はいつもこのタイトルを思い出します。別に「だまされないため」だけに、お金について考えているわけではないのですが、「働けど、働けど、我が暮らし楽にならず」の理由が知りたかったのです。

お金に関する書籍は、今までも継続して読んでいたのですが、本書を読み終えた後、「まずこの本から読み始めればよかった」と思いました。僕のように、経済について、お金について、株について、投資について、何も知らない人は、まず本書を読んでみることをおすすめします。

本書「経済ってそういうことだったのか会議 」は、小泉政権時代に経済政策担当大臣を務めた竹中平蔵さんと、「バザールでござーる」「ピタゴラスイッチ」「だんご3兄弟」といった時代を超えたヒット作を作り出す広告クリエイターが、「経済とはナンだ?」というテーマについての対談集です。

経済学とは「共同体のあり方」を考える学問

本書は、竹中平蔵さんのこんな言葉で始まります。

「佐藤さん、エコノミクス(経済学)って、もともとはどういう意味かわかりますか」

佐藤さんは、竹中さんに会うまで、経済学に対してあまりいい印象を持っていなかったといいます。安易なお金儲けをよしとする傾向を作り出すことに、経済学が加担しているように思っていたからだそうです。しかし、そんな佐藤さんの考えは、竹中さんのこの言葉で、覆されます。

「佐藤さん、エコノミクスって、ギリシャ語の”オイコノミコス”[oikonomikos]から来ているんです。オイコノミコスとはどういう意味かといいますと、共同体のあり方、という意味なんです。」

共同体のあり方。現代社会において、様々な問題が取り上げられているが、大雑把にいうと、全ての問題は、共同体のあり方について議論しているといっても良いと思います。一見全く関係ないと思われる経済学の語源が、実は共同体のあり方について考えるための学問であったということを、僕は知りませんでした。

全ての問題は経済に通ず

経済学が共同体のあり方について考える学問であるとするならば、経済について学ぶことは、社会を知り、歴史を知り、ひいては自分自身の問題や将来について知ることにつながるのだ。僕は、本書を読んで強く感じました。

本書は、10年以上前に発売された書籍ですが、決して古くさい作品ではありません。お金について、経済について、株について、仕事について、社会について、どうなっているのかを考え始めるには、最適な1冊です。僕のように、お金について全く知識のない人間にとっては、とてもためになりました。

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