子どもって育てるものなの?書評「「育てない」から上手くいく」(桜井章一)

education-sakurai

一風変わった子育てに関する本を紹介したいと思います。本書「「育てない」から上手くいく」は、”雀鬼”と呼ばれた桜井章一さんが、自身が主宰する”雀鬼会”で弟子と接した経験や、自身の子育ての経験を元に、子供の教育に関する考えをまとめた1冊です。

麻雀と子育て。一見なんの関係もないように思えますが、この本にはありきたりな子育ての本にはない、子育てのヒントがたくさんつまっています。

早期教育は子どもをブロイラー化する

本書で印象に残ったのは、「早期教育」に対する著者の考えです。何でも早い時期から教え、体験させる教育を、著者は「ブロイラーを肥育するような感覚がある」と評しています。短期間で餌を与え、運動をさせずに成長させたブロイラーの鶏は、健康にも害があるのではないかといわれています。一方、放し飼いでいい餌を与えてじっくりと育てた鶏は、手間も時間もかかりますが、鶏本来のおいしい味がします。

親は子育てにまつわるいろいろな知識や情報を、子供に投入しようとしがちです。しかし、子供にとって自分の五感を通じて得られた情報の方が、与えられた情報より強く印象に残るはずですし、本来子育てでスべきなのは、通信教育の資料を子供にやらせたり、何かの教室に入れたりするのではなく、子供と接する時間を増やして、子供が何を感じているのかを理解することが必要なのです。

親は子どもに支えられている

著者は、親が口にする「はやく自立しなさい」という言葉がもたらす影響に、疑問を投げかけています。「自立」という言葉が強調され過ぎて、「ひとりでがんばらなければならない」という思いになり、そこから「誰にも頼ってはいけない」という閉じた考えに陥らせてはいないか、というのです。

人は、ひとりでは生きていけません。支えあう仲間が必要です。他人との関係で生きていくからこそ、「自立」しているといえるのです。それは、親と子の関係でも同じです。親は子どもを支えているかもしれませんが、子どもの存在が親の支えでもあるのです。

教育は「オーダーメイド」

著者は、教育は「オーダーメイド」であるべきだと語っています。当人の性格や特質に合わせ、その都度応対していくべきにもかかわらず、世間の言う教育は既製服の教育で、きつい服や大きすぎる服や着たくもない服を無理やり着せているのではないかというのです。

そう考えれば、親や教師が子供たちを教育指導できると考えることは、無理があるのだとわかります。だから、「育てない」ことが上手くいく子育ての秘訣だというわけです。

「育てない子育て」とはどういう考え方なのか。詳しく知りたい方は、一度読んでみることをオススメします。

関連記事

目からウロコが落ちる、体の使い方。書評「体を整える ツキを呼ぶカラダづかい」
勝ち続けるには理由がある。書評「勝ち続ける意志力 」(梅原大吾)
天才の育て方-育て方にはルールがある-

関連商品