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「キュレーションの時代」を魚屋に例えてみた。書評:「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)

   

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

本書は「当事者の時代」の前に発表された書籍です。
今回の書評では、本書のメッセージを自分なりに噛み砕いて理解したいので、キュレーションの時代がもたらした変化を”魚屋”に例えて書いてみます。

商店街の魚屋のおすすめで魚を買う

昔、お母さんが魚を買おうと思ったら、迷わず近所の魚屋に向かっていました。顔なじみの近所の魚屋の親父は、威勢のよい掛け声やちょっとしたお世辞とともに、新鮮な魚を紹介してくれて、お母さんは迷わず魚屋がすすめてくれた魚を買っていました。

チラシを見て魚を買う

その後、お母さんの家の周りには、肉も野菜も魚も売っているスーパーが出来ました。スーパーは、お母さんの家にチラシを配り、その日おすすめの魚を知らせてくれるようになりました。

お母さんはチラシを読んで、スーパーか魚屋のどちらで魚を買うか、選ぶことが出来るようになりました。次第にお母さんは、肉も野菜もまとめて買えるスーパーで買うほうが便利だと思うようになり、魚屋では魚を買わなくなりました。

インターネットで世界中に商店街の魚屋がある時代に

ある時、お母さんの家にもインターネット回線がしかれ、パソコンでWebサイト(ホームページ)が見れるようになりました。Webサイトで、日本中の美味しい魚を売っているお店を見つけることができるので、お母さんはインターネットでも魚を買うようになりました。

また、友達に勧められてTwitterやFacebookを始めていたお母さんは、TwitterやFacebookで友達や気になった人からおすすめされる情報を見て、自分の知らない魚の情報を知り、買うようになりました。

魚屋はこれからどうするべきか

では、お母さんが魚を買ってくれなくなった魚屋はどうするべきなのでしょうか。このままお母さんがスーパーやインターネットで買うのを、指を加えて見ているべきなのでしょうか。

いえ、違います。魚屋がするべきこと。それは、「自分がどんな魚屋なのか明確に定め、情報を求めている人に伝える」です。価格や量ではスーパーにはかないません。魚屋は自分が得意とする魚は何か、マグロが専門なのか、カニが専門なのか、明確に定め、伝えることが必要です。

キュレーション【curation】とは、「無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。」という意味ですが、今までの魚屋は、何もしなくても買いに来てくれる人がいました。しかし、今は自分から情報の海に飛び込まなくてはなりません。なぜなら、お母さんは無数の魚屋の中から、自分にあった魚屋を選んでいるからです。

でも、そんな魚屋の立場を、私たちは選ぶ立場だといって笑っていられるでしょうか。
いえ、違います。私たちはお母さんでもあり、魚屋でもあるのです。
私たちも膨大な情報の海の中で、選ばれて、意味を与えられ、共有されているのです。
その事を私たちは理解して、これからの時代を歩んで行くべきなのです。2回読んで、そのことがようやく理解出来ました。

2011年に出版された書籍ですが、今改めて読むべき1冊です。

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本書の後、著者が書き上げたのが「当事者の時代」。
本書を読んだ後に読むと、著者の考え方をより深く理解できると思います。

この本のメッセージに似ていると思ったのは、この本です。
ロックバンド「グレイトフル・デッド」は30年以上前から、「キュレーションの時代」を歩んできたバンドと言えるのかもしれません。そんなグレイトフル・デッドという”魚屋”が、どうしてきたのかが、この本に書かれています。

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