nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

“評価”>“お金”の時代。書評「評価経済社会」(岡田斗司夫)

   

Twitterのフォロワーが100万人いるひとなら1億円を稼ぐのは難しくない。逆に、1億円を持っていてもtwitterのフォロワーを100万人にするのは難しい。“評価”>“お金”時代をやさしく強く生き抜くためにはどうしたらいいのか。本書はそんな社会を「評価経済社会」と評し、そんな時代をどう生きていくべきまとめた1冊です。

評価がお金に変わる

本書のタイトルにもなっている「評価経済社会」とは、「評価」を仲介として、モノ、サービス、お金、が交換される社会の事を指します。20世紀は「貨幣経済社会」といって、お金を仲介として、モノ、サービス、お金、が交換される社会でした。それは基本的には今も変わらないと思います。

しかし、現在FacebookやTwitterといった個人個人が情報を発信できるツールが発達し、個人のバックグラウンドに拘わらず、発信した情報の質だけが純粋に判断されるようになりました。Twitterでフォローされたり、リツイートされたり、Facebookで「いいね!」ボタンをおされることというのは、知らず知らずのうちに、他人に自分が発信した情報を評価されているというわけです。

誰もが賞賛されるが、誰もが大きな批判を受ける

実際、他人からの評価を貨幣やサービスに交換する機会が増えてきていると感じます。アメリカン航空は、ソーシャルメディアのスコアをはかる「klout」のスコアが55以上の人は、空港ラウンジを無料で使えるプログラムを導入しました。このプログラムは、評価を貨幣やサービスに交換する経済社会が、少しづつ身近になってきていることを、意味するよい例だと思います。

人からの「評価」が仲介となる社会は、誰もが影響を与えあう社会であるとともに、誰もが人からの評価される社会であるということを意味します。言い換えると、誰もが賞賛される社会でもあるが、誰もが大きな批判を浴びる社会でもあるというわけです。人の評価は移ろいやすく、人は人に流されやすい。昨日まで賞賛されていた人が、明日には大きな批判を浴びる。そんな社会なのだと、僕は本書を読んでいて感じました。

評価経済社会の先端を走るアスリート

本書を読んでいて1つ思い当たったのは、アスリートの事でした。アスリートは、自身のパフォーマンスを評価してもらい、それをお金に変えています。マスコミからの評価、チームからの評価、対戦相手からの評価、ファン・サポーターからの評価。様々な評価の中には、賞賛も批判もあります。

アスリートは結果を出さなければ、簡単に批判されます。ある意味、現代におけるアスリートとは、評価経済社会の最先端にいるのだと言えます。最近、アスリートのドキュメントや、アスリートの言葉や考え方を特集した書籍の人気が高いのは、「評価経済社会の最先端にいる彼らから、どう生きるべきか見習いたい」という思いを、心の底に抱いているからなのかもしれません。

「評価経済社会」という書籍は、現代がどういう社会なのか、わかりやすく説明している1冊です。
現代社会を論じてる書籍は数多く存在しますが、読んでおいて損はないと思います。

関連記事

情報産業の未来はこの本にすべて書かれている。書評:情報の文明学(梅棹 忠夫)
これからの社会と生き方について。書評「中身化する社会」(菅付雅信)
「みんな」ではなく「当事者」の時代。書評「当事者の時代」(佐々木俊尚)

関連商品

 -