書評「ここが違う、ヨーロッパの交通政策」

2012/11/14

路面電車
近所の図書館で、返却棚にあったこの本が目に止まり、借りて読んでみました。
スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんが、「今、ヨーロッパでは町中で車が走っていない。禁煙の次は禁車だ。その代わり路面電車が猛スピードで走っている」と、ジブリ汗まみれというラジオ番組で語っているのを聴いて、ヨーロッパの交通政策が気になっていたからです。

都市で車を使わない生活を推奨

本書では、近年のヨーロッパの各都市で実施されている、路面電車の復活、駐輪場においてある自転車をレンタルできるシステム、カーシェアリングなど、日本でも導入されつつある、公共交通機関を有効に活用した、新たな交通政策が紹介されています。
この本を読んで感じたのは、都市で生活する人々にとって、大きな負担になっているということです。
本書の冒頭に書かれていますが、ロンドンやストックホルムでは「渋滞税」が導入され、ロンドン市内の規制エリアに自動車で進入するには、1日8ポンドの税金がかかるのだそうです。
また、デンマークで新車を購入する場合、25%の消費税に加えて、180%の登録税が必要です。例えば、200万円の自動車に乗るのに、500万円以上も払わなければならないと書かれています。

そう考えると、人々が車を所持しなくなるのは、自然な流れなのではないでしょうか。このような考え方が、現在のヨーロッパの各都市の交通政策につながっているのだと、本書を読んで理解できました。

20世紀に発展した文明に税金がかかるのが、21世紀?

この本を読んで考えたのは、20世紀から21世紀になったことによる、考え方の変化です。
近年、車が走れば渋滞税がかかり、ハンガリーでは、ポテトチップス、クッキー、炭酸飲料に対して「ポテトチップス税」という税金がかかり、アメリカでは「炭酸税」の導入に、オバマ大統領が積極的だというニュースを耳にします。

車やコカ・コーラなどの炭酸飲料、ファーストフードやスナック菓子は、20世紀を引っ張ってきた消費文化を象徴するものだと思います。そういった20世紀の象徴に対して、21世紀は「税金」という形で規制をかけていくのではないか、本書を読んで、そんなことを考えてしまいました。

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