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楽しんで仕事している人は応援したくなります。書評「みんなの家」(光嶋裕介)

      2013/06/02

みんなの家。建築家一年生の初仕事

本書「みんなの家」は内田樹さんの新居を、独立したばかりの青年建築家が無事に建てるまでの工程をまとめた1冊です。

「みんなの家」を読み終わった時思い出したのは、自分の初仕事についてでした。僕にとっての初仕事は、入社当時運営していたBtoBのWebサイトの運用を担当することでした。受発注管理、サポート、新規顧客・仕入れ先開拓まで全て自分でこなしました。初めての仕事だから、右も左も分からない。でも、ナメられたくない。だから、わからないなりに全力でこなしていたのを、今でも思い出します。

楽しんで仕事をする

独立して最初の仕事であれば、あんなことこんなことに苦労したという話が書かれていて当然で、むしろ苦労話をウリにしている本がほとんどだと思います。

ところが、本書には初めての仕事にありがちな苦労話が書かれていません。もちろん苦労したことや辛かったこともあると思うのですが、それを上回る仕事の楽しさのことばかり本書には書かれています。それは、著者が心から楽しく、家を建てるという仕事が出来たからだと思います。

信頼できる人と仕事をする

では、著者はなぜ独立して初めての仕事を楽しく出来たのでしょうか。一番の理由は「自分が信用できる人」と仕事をしたからではないかと思いました。著者は、仕事を引き受ける前から内田樹さんの著書のファンでした。ファンだったから、中途半端な仕事は出来ないという思いが、著者にはあったはずです。

また、本書には素敵な仕事をされている職人が数多く登場します。京都の美山町で天然スギの木材を管理されている方、岐阜を中心に全国的に活躍している木造建築専門の工務店、木材が育った林の土を使って壁を塗る左官職人、淡路島でここでしか出来ない瓦を作る瓦職人、1枚の布で空間を彩るテキスタイルデザイナー、1階の道場に飾る絵を描く日本画家、などなど。こうした素晴らしい仕事をする人々の力を合わせるのは、建築家の仕事です。

良い仕事をする職人との仕事は気苦労もあると思いますが、著者はそんな建築家の仕事を辛いと思わず、心から楽しく仕事をしていたのだと思います。読み終えて「こういう人に家を建ててもらいたいなぁ」なんて考えたりしました。

でも、建築家が職人さんを100%信頼して仕事を進めることができたのは、施主である内田樹さんも建築家を100%信頼していたからではないのでしょうか。初めて仕事をする人に、仕事を任せることは簡単に出来る事ではありません。なぜ、内田樹さんは信頼して仕事を任せることができたのでしょうか。内田樹さんも、ご自身の本で自宅が出来上がるまでの考えをまとめていますので、ご紹介したいと思います。

最後に、本書は建築に興味がある人だけでなく、家を買いたい人、どんな家に住みたいか迷っている人、あるいは仕事の壁にぶつかっている人にぜひ読んでもらいたい1冊です。

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