2017年J2第40節 ファジアーノ岡山対名古屋グランパス プレビュー「押谷の起用は風間監督が考えたファジアーノ岡山対策」

2017年J2第40節、名古屋グランパスの対戦相手はファジアーノ岡山です。

オフサイドを獲る守備が上手いファジアーノ岡山

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は9.6%でリーグ14位。攻撃回数は127.9回とリーグ14位。1試合平均のシュート数は12.2回でリーグ13位。攻撃回数も、シュート数もそれほど多いチームではありません。気になるのは、30mライン侵入回数が1試合平均で29.8回でリーグ21位と、ボールを相手陣内に運ぶ時にミスが多いチームということです。1試合平均のドリブルの回数が、7.8回でリーグ22位というデータからも、ボールを相手陣内に運ぶプレーに問題を抱えているということが読み取れます。

得点数をシュート数で割った「シュート成功率」は、8.4%でリーグ18位。ボールを相手陣内に運ぶ回数が少なくても、シュート成功率が高ければ、あまり問題はないと思いますが、シュート成功率も高くないという事を考えると、シュートチャンスを作り出すプレーも苦労しているのだと思います。

守備のデータを分析すると、シュートを打たれた数を攻撃を受けた数で割った「被チャンス構築率」は10.2%でリーグ9位。攻撃を受ける回数は131.3回でリーグ14位と多いのですが、被シュート数が13.3回でリーグ13位と、攻撃回数の割には、シュートを打たれないチームです。相手にシュートを決められる確率である「被シュート成功率」も、8.8%でリーグ10位と、高くありません。

守備のデータで気になったのは、間接フリーキックの数が1試合平均2.8回でリーグ3位と高かったことです。間接フリーキックの数は、イコール「オフサイドを奪った数」を指します。間接フリーキックは、オフサイドを奪った後に行われるプレーだからです。(ちなみにリーグ1位はジェフユナイテッド千葉の4.9回。ジェフユナイテッド千葉はオフサイドを積極的に奪いにくるチームです)

名古屋グランパスは、ファジアーノ岡山、次節のジェフユナイテッド千葉と、FWとDFの距離を短くして、相手からオフサイドを奪いにくるようなチームとの対戦が続くということが、データからも読み取れます。

押谷を起用すると思われる理由

名古屋グランパスはファジアーノ岡山への対策として、押谷をFWで起用する予定です。押谷の良さは、相手DFの背後でボールを受けるプレーです。また、守備時のアクションが多く、相手DFが前方になかなかボールを運べないような守備をしてくれる選手です。

名古屋グランパスには、17得点を奪っているシモビッチという選手がいます。ところがシモビッチは、ボールを受けるアクションが少なく、DFの背後でボールを受けるのは得意ではありません。また、守備時のアクションの頻度が多い選手でもありません。

押谷を起用するのは、元々ファジアーノ岡山に在籍していた選手だからというわけではなく、押谷のプレーの特徴が、ファジアーノ岡山の守備の特徴を考えたとき、効果的だと考えているからだと思います。最近の押谷は、課題としている「守備者の間でボールを受ける」プレーを改善するために、中央のMFでプレーしていたと聞いています。DFの背後だけでなく、中央でいかにボールを受けられるか。押谷のプレーが楽しみです。

また、押谷を起用して上手くいかなければ、左サイドのMFにいる佐藤をFWにして、背後を狙わせるという方法もあります。当然、佐藤はMFの位置でも相手の背後を狙う動きをしてくれると思います。佐藤と押谷に背後を狙わせ、相手のDFが下がってくれたら、玉田や青木がボールを受けて、相手陣内に運んで崩す。FWやMFがボールを受けられなければ、J2では規格外の宮原と和泉のサイドバックがドリブルでボールを運んでくると思います。どのプレーで相手を押し込むか、いつ、どの時間帯から押し込めるかが、この試合の勝敗を左右すると思います。

風間監督は、起用の理由について多くを語りませんので、なぜ選手を入れ替えるのか、分からない事があります。ただ理由を様々な切り口で考えると、風間監督は相手の特徴をきちんと分析した上で、対策を施しているという事がわかります。「いかに攻撃するか」を考えることは、「常に同じ事を実行する」事ではありません。相手の特徴を踏まえ、自分たちの強みが最大限活かせる方法を考え、選手やフォーメーションを変えて、試合に臨む。相手を意識しないように常にコメントしている風間監督ですが、相手の事をリスペクトし、きちんと対策する監督なのです。

風間監督がきちんと対策した事に対して、選手たちが応えられるか。楽しみです。