書評「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」(西野 亮廣)

本書「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」は、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた西野亮廣さんが語る、”現代のお金の作り方と使い方”と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方について書かかれた本です。

本書に書かれているのは、「お金」と「広告」に必要な「信用」をいかに得るかについてです。本書には信用を得るための方法が分かりやすく説明されているのですが、読みながら僕自身がブログを運営しながら「信用」を得るために心がけていた事を思い出しました。自分に対するメモを兼ねて書いておきたいと思います。

売れなくても、読まれなくても、コンテンツを作り続ける

僕が「信用」を得るために心がけていた事が、1つだけあります。

それは、「売れなくても、読まれなくても、コンテンツを作り続ける」事です。ブログを始める時も、何かサービスや商売を始める時も同じだと思いますが、最初は思った通りには売れません。名前がよく知られている人や、よほど人に求められていた商品やサービスなら別ですが、何かを始めるなら、最初から思った通りに売れたり、読まれたりするとは思わずに始めたほうが良いと思います。

なぜ、売れないのか。なぜ、読まれないのか。それは、「あなたが誰だか誰も知らない」からです。インターネットがいくらコンテンツ自体の質で評価されやすい仕組みだとしても、あなたが何者かが分からなければ、人に受け入れてもらえません。受け入れてもらえるまでは、売れないと分かっていても、人に見られないと分かっていても、コンテンツを作り続ける必要があります。サービスを運営している人は、サービスを改善し続ける必要があるし、商品を作っている人は、商品を改善し続ける必要があります。

「売れなくても、読まれなくても、コンテンツを作り続ける」事を自然と行っているのは、芸人やミュージシャンやプロレスラーといった人々です。芸人がデパートの屋上でネタを披露したり、ミュージシャンが人がまばらなライブハウスで演奏したり、プロレスラーが商店街でプロレスしたりするのは、自分たちの事を多くの人々に知ってもらうためです。

当然人に見てもらえないので、落ち込むこともあるでしょう。でも、人に見てもらえないくらいで落ち込むくらいだったら、その道でお金を得ることなんて止めた方が良いと思います。悔しくても、辛くても、少しでも品質を良くするために改善し続ける人にしか、道は開けません。売れない、読まれないといった事象は、「フルイにかけられている」と思うくらいでいいのです。そして、作る事を止めなければ、フルイにかけられる事はありません。しがみついていれば、次第に周りがいなくなります。周りがいなくなるまで、しがみついていればよいのです。

そして、続けるなら「定期的に提供し続ける」事です。僕は川崎フロンターレの試合のレビューとプレビューを書き始めて4年になります。2017年から名古屋グランパスのレビューとプレビューを書いています。この4年間、試合が観れないACLやルヴァンカップといった試合以外は、全ての試合のレビューとプレビューを書いています。もちろん、ライターではないので、会社員としての仕事も続けながら書いています。

1本だけなら、よい記事を書ける人はたくさんいます。Twitterを読んでいても、そう感じます。

ただ、4年間別の仕事を続けながらでも、1回レビューを書くために2回試合を観て、旅行先でも、徹夜明けでも、嫁の実家でも、スマホでも、実家のタブレットでも書き続けてきたからこそ、少なからず人に読んで頂けるコンテンツが書けるようになったのだと思います。僕の書く文章が、視点が特別優れていたり、文章が特別上手かったり、読み応えがあるわけではありません。「取材に行ってないのに適当なことを書いている」という批判を受けたのは、一度や二度じゃありません(僕は絶対にこの批判と批判した人の事は忘れないでしょう。)。そんな批判に落ち込む事はありますが、批判を受けて書くのを止めていたら、それまでです。悔しい気持ちを噛み締めながら、更新したことは一度や二度じゃありません。

とにかく、定期的に提供し続ければ、「毎回試合の後にはnishi19という人が、レビューを更新するので読んでみよう」と思ってもらえるんじゃないか。そう思って、僕は書き続けてきました。面白くなくてもよいから、定期的に更新されたり、商品が届いたり、サービスを受けられる。「定期的に何かをする」事を続けていれば、時間がかかりますが、信用を得ることが出来ます。

人はコンテンツの裏にある「厚み」を見ている

本書にはクラウドファンディングなど、「お金を得る仕組みの活用法」についても書いているのですが、自分が積み重ねてきたことを、お金に換えられる仕組みは出来ましたけど、お金に換えるものを持っていない人が、お金に換える仕組みを活用しても、効果が得られないのは当然です。それは、売れなくても、読まれなくても、続けていることによって生まれる「厚み」がないからです。人は、画面越しに「厚みがあるか」を判断しています。厚みがないコンテンツは、人がクチコミで伝搬しようとしても、伝搬する力に耐えられずに消えてしまいます。クチコミで届けたいなら、届ける力がある物を作らなければなりません。「下積み」について軽視するような意見を目にしますが、僕は「厚み」を作る期間は、どんな人にも必要だと思います。「厚み」が「信用」を生むからです。

本書は「お金」と「信用」について、深く理解するにはおすすめの1冊です。西野さんが実際に様々な取組を実践することで得た事なので、読み手にとっても理解しやすい内容になっています。ぜひ、読んでみてください。

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