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FC今治は失敗を経て強くなる

   

FC今治
今年僕が注目していたサッカークラブに、FC今治というチームがあります。まだJリーグにも加盟していない、四国サッカーリーグのチームは、ある人物が突如オーナーになったことで、全国から注目を集めるチームになりました。その人物とは、岡田武史さん。日本代表の監督として、2度のワールドカップの出場を果たし、2010年のワールドカップでは日本代表をベスト16に導いた、多くの日本人に知られる存在です。そんな、岡田さんが、昨年の11月にFC今治の株式の51%を取得し、オーナーに就任しました。

FC今治については、「革命前夜-FC今治が日本サッカーを変えるか-」という記事で、2015年1月に2回に分けて、FC今治が掲げるビジョンと、今後の課題について紹介させて頂きました。(前編はこちら。後編はこちら。)残念ながら、FC今治は全国地域リーグ決勝大会の1次リーグで敗退し、JFLへの昇格は来シーズン以降に持ち越しとなってしまいました。今シーズンでのJFL昇格を目標に掲げていたチームとしては、大きな誤算だったと思います。

時間が足りなかった

地域リーグ決勝大会を長年観戦し、今年はFC今治の戦いに注目していた宇都宮徹壱さんは、以下のようにレポートしています。

和歌山との第2戦では、今治は思い切った策に出る。スタメンを7人入れ替え、システムも4バックから3バックに変更してきたのである。
(中略)
個人的には、2戦目の和歌山戦への臨み方に最大の問題があったと考えている。地域決勝という大会を長年見続けている立場から指摘するなら、初戦で勝ったチームを大幅に替えるというのは禁じ手以外の何ものでもない。その上システムまで変えてしまうというのは、この大会を舐めてかかっているようにさえ感じられてならなかった。

なぜFC今治は昇格の夢を絶たれたのか?地域決勝1次ラウンドでの誤算を検証する」より

また、オーナーの岡田武史さんは、今シーズンを振り返って、こんなエピソードを語っています。

10月4日に四国リーグの優勝を決め、翌日にミーティングを開いた。選手には「JFLに昇格したら人生が変わる。朝起きたら『絶対にJFLに上がるぞ』と口に出せ。決勝大会が始まるまで、すべてを捧(ささ)げて過ごせ」と伝えた。全員がその気になったと感じた。

数日後、練習試合があった。ある選手が自陣でのミスでピンチを招いた。別の選手が「ドンマイ」と言い、その選手は「ごめん、ごめん」と応えた。もう耐えられなくなり、試合のハーフタイムに怒鳴った。「おれが一緒にプレーしていたら、ミスした選手の胸ぐらをつかんで『おまえはおれの人生を台無しにするのか』と言うぞ。何がドンマイだ。人生を変えるってそんな甘いものじゃない」って。

西日本新聞「【クラブ経営1年の格闘】」より

乱暴に言ってしまうと、FC今治が昇格出来なかった理由は、「時間が足りなかった」ことに尽きるのだと思います。岡田武史さんがオーナーに就任してから、FC今治というチームには、変化の嵐が吹き荒れました。良いことも、悪いことも起こっている中、選手、スタッフ、今治市民、そして何より岡田さんも、環境の変化に対応するには、時間が足りなかったのだと思います。

最初に上手くいかないのは「岡田さんらしい」

たぶん、FC今治は今シーズンでのJFL昇格を想定していたので、来年は今シーズンと同じサポートが受けられない可能性があります。当然、岡田さんが語っていたビジョンや、急激な変化に対する反発の声も強まることが予想されます。結果が出なかったので、批判が出るのはしかたがないことだと思います。

でも、僕は不思議と、FC今治が2015年に昇格出来なかったことについて、「岡田さんらしいな」と思ってしまいました。コンサドーレ札幌、横浜F・マリノス、そしてサッカー日本代表。岡田さんが作るチームは、いつも最初に大きな理想をかかげ、そして大きな失敗をします。しかし、失敗から得た問題点を受け止め、改善すべき手を打ち、批判に耐えながら着実にチームを向上させ、結果を出す。そうやって、チームを作ってきました。

FC今治は、今シーズンJFLに昇格出来なかったことで、むしろ大きく進化するんじゃないかと期待しています。改革は一日にしてならず、です。今は逆風が吹き荒れているかもしれませんが、これは早かれ遅かれ訪れたことです。むしろ早く訪れたことで、問題が先送りにならずにすんだと考えたほうが良いと思います。

関係者は長い目で見て継続的な支援を

こうなることを予想していたわけではありませんが、僕は「革命前夜-FC今治が日本サッカーを変えるか-」という記事の後編で、こんなことを書きました。

FC今治でこれからやろうとしていることが実現できれば、日本におけるスポーツクラブにおける概念が変わる可能性があります。ただ、実現させるには、長い時間がかかります。実現させるまでには、様々な困難が待ち構えているはずです。当然、短期的には停滞する時期もあるはずです。

上手くいかない時は、周囲の目も厳しくなります。批判の声も強まります。そんなときこそ、ビジョンや理念に少しでも共感し、興味をもった方は、粘り強く活動をサポートして欲しいと思います。

FC今治の取り組みは、長い目で見れば必ず成果が出る取り組みだと思います。関係者、自治体、スポンサーの方々は、その点をご理解頂いたうえで、継続的にご支援頂けると嬉しいです。そして、僕も1人のサッカーファンとして、FC今治の取り組みを支援していきたいと思います。

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