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革命前夜-FC今治が日本サッカーを変えるか-(前編)

   

今年、川崎フロンターレ以外に僕が注目しているクラブがあります。そのチームとは、FC今治。まだJリーグにも加盟していない、四国サッカーリーグのチームは、ある人物が突如オーナーになったことで、全国から注目を集めるチームになりました。

岡田武史がFC今治のオーナーになった理由

その人物とは、岡田武史さん。日本代表の監督として、2度のワールドカップの出場を果たし、2010年のワールドカップでは日本代表をベスト16に導いた、多くの日本人に知られる存在です。そんな、岡田さんが、昨年の11月にFC今治の株式の51%を取得し、オーナーに就任しました。岡田さんは、どんな目的でFC今治のオーナーになったのでしょうか。

スペインもドイツも、タイトルから遠ざかっていた時代は、“その国のサッカー”を作ろうと協会や代表監督が試行錯誤していたけど、結局はクラブのサッカーが代表に浸透して世界を制した。その流れを見ていると、日本も代表の強化を協会の責任にするのではなく、もっと小さいところから、僕らサッカーに携わる人間が責任感を持って動くべきじゃないかと感じたんです。

ブラジルW杯の後、J1とJ2のクラブから、『全権を任すので、チームを立て直してほしい』というオファーもありました。もちろんJリーグのクラブは規模も大きいし、やりがいもある。でも、新しいチャレンジをするために潰すべき既存の枠組みもその分大きいし、時間もかかります。ところが小さいチームなら、時間はかかるかもしれないけれど、一から始めることは比較的簡単です。
(中略)
具体的には育成からトップまで同じトレーニングメソッドを用い、同じプレースタイルを貫いて独自のサッカーを作り上げる。クラブチームでは、トップの監督が変わるとガラリとサッカーが変わることがあるけど、今治はそうではなく常に同じサッカーを目指します。そのためにはまず、FC今治の『型』をしっかり作り上げる。

<代表監督からオーナーへ> 岡田武史 「今治から日本を変える」(Number Web)

日本サッカーの「型」を作る

岡田さんは、2010年南アフリカワールドカップの時「ベスト4」という目標を掲げました。岡田さんは本当は「優勝」と言いたかったのかもしれませんが、当時一番日本代表の力を信じていたのは、岡田さんだと思います。岡田さんは、日本代表なら本気でベスト4を実現できる。そう信じていたのだと思います。だからこそ、岡田さんにとって、2014年ブラジルワールドカップの結果はショックだったのかもしれません。日本代表が予想外の結果になったこと、そして、世界が予想以上のスピードで進歩していること。その事を肌で感じ、「このままではまずい!」と危機感を感じたのではないのでしょうか。

そんな、岡田さんが起こした行動が、FC今治のオーナーだとすれば、納得がいきます。岡田さんがやりたいのは、FC今治のサッカーの「型」を作ることと書かれていますが、それは言い換えると日本サッカーの「型」を作ること」なんだと、僕は捉えています。それは、確かにJリーグクラブでは出来ない(風間さんと庄司GMが川崎フロンターレでやっていることは、岡田さんがやろうとしていることと同じだと思っていますが)、型破りな挑戦です。

呼び寄せられた常識はずれなメンバー

岡田さんは、自分のビジョンを実現させるために呼び寄せたスタッフは、四国サッカーリーグのスタッフとしては、常識外れなメンバーです。FC今治で、育成からトップまで用いる、同じトレーニングメソッドを考える「FCトレーニングメソッド部」の部長には、元U-17日本代表監督の吉武博文さん。圧倒的なポゼッションサッカーを構築し、U-17を2大会連続でベスト16に導いた指導者です。そして、アドバイザーにはJFA指導者養成ダイレクターを務めていた眞藤邦彦さんと、ヴァンフォーレ甲府で魅力的なサッカーを披露し、2010年南アフリカワールドカップでは岡田監督の下コーチを務めた、大木武さん。いずれも、日本サッカーの中心で活躍していた人物です。

こうした、日本サッカーの中心で活躍していた人物が、岡田さんのビジョンに共鳴して、今治の地に集まってきたのです。ワクワクしないわけはありません。たぶん、3名とも日本サッカーの中心で活躍しながら、今の日本サッカーに違和感を感じていたのではないのかと推測します。

身体の使い方もメソッド化して欲しい

個人的には、トレーニングメソッドを構築するにあたって、1つ注文があります。それは、「身体の使い方もメソッド化」して欲しいということです。日本人は、海外の選手に比べ、フィジカルが劣ると言われますが、近年長友のように、フィジカルを強みとして活躍する選手も現れていることからも、日本人が全てにおいて、フィジカルが劣っているとは思えません。

ただ、「身のこなし」という点では、日本人選手とメッシやクリスティアーノ・ロナウドやネイマールを比べると、見劣りしてしまうのも事実です。サッカーという競技では、どう身体を動かすかも大切な技術です。現在就任が決まっているメンバーは、どちらかというと、サッカーの戦術やボール扱いについて、知見をもった指導者です。岡田さんは、2010年南アフリカワールドカップの時、現在アメリカ代表のコンディショニングコーチを務める咲花正弥さんをアドバイザーとして登用していたこともあるので、身体の動かし方や、コンディショニングについても、何か考えがあるのだとは思います。現時点では特に発表はありませんが、今後の展開を期待したいと思います。

大きく動き始めた今治

実は、2015年4月に今治に「JFAアカデミー」が開校します。JFAアカデミー今治は、女子のみのアカデミーで、対象は中学校3年間。所属する選手たちは、平日は寄宿生活を行いながら、JFAアカデミーでトレーニングを積みます。今治はしまなみ海道が開通したことで、地域の再開発が進んでおり、再開発地域にスタジアムの建設も検討されました。現在は、白紙に戻っているようですが、岡田さんの就任によって、再検討される可能性も十分あります。

こうした、FC今治と周辺に起こったニュースを追いかけていくだけでも、何か新しいことが起こりそうな予感がします。こんな予感がするのは、風間さんが川崎フロンターレの監督に就任した時以来です。FC今治が起こそうとする革命は成功するのか。次回は、FC今治が成功するためのポイントについて、僕の考えを紹介したいと思います。

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