2017年J2第35節 FC岐阜対名古屋グランパス レビュー「風間監督のやりたいサッカーは「ジャズ」」

2017/10/07

2017年J2第35節、名古屋グランパスの対戦相手はFC岐阜です。

風間監督のサッカーは「ジャズ」

2014年から川崎フロンターレの試合のレビュー・プレビューを書き始め、2017年シーズンは名古屋グランパスの試合のレビュー・プレビューを書いているのですが、最近風間監督のサッカーは「ジャズ」なのではないかと思うようになりました。

ジャズではある程度の曲の構成やコードは決まっていますが、プレーヤーの判断によって、曲のテンポを変えたり、コードにあわない音を演奏したりする事があります。譜面通り演奏するのではなく、演奏者が個人個人の判断によって、その場に応じて最適な演奏をする。何度も同じように再現されない反面、時にミラクルのような演奏が生まれる事がある。それが、ジャズの魅力だと思います。

風間監督が目指しているサッカーは、ジャズのようなものです。ある程度の決まりごとはあるものの、その決まりごとを逸脱してもよいし、上手くいくなら何をやってもよい。そんなチームを作ろうとしているのだと思います。しかし、譜面通りに演奏することに慣れている選手が、突然「ジャズを演奏してください。フリーに演奏してください」といっても、素晴らしい演奏が出来るわけではありません。ジャズが好きな人はよく分かると思いますが、ジャズが音楽として成立するためには、卓越した演奏技術が前提です。きちんと楽器が演奏出来る技術がなければ、ジャズはジャズにならないのです。

「ジャズ」は技術がなければ成立しない

だからこそ、風間監督はジャズでいう演奏技術を高めるのと同じように、ボールを扱う技術にこだわります。「止める」「外す」「運ぶ」「受ける」という技術を噛み砕き、丁寧に何度も選手に教えているのは、即興で素晴らしいプレーをする土台を作りたいからなのです。風間監督は守備の練習をしない監督と言われますが、守備の練習をしないわけではありません。ボールを奪うための技術を高めるトレーニングも繰り返し練習する監督なのですが、守備は実は攻撃以上に即興でプレーするのが難しく、味方の位置や相手の位置を把握出来ていなければ、よい守備は出来ませんし、チーム全員が同じ考えを持ってプレーすることが求められます。

サッカーの指導者は守備が難しい事が分かっているので、譜面にあたる「戦術」「ルール」を選手に教えるのですが、風間監督は守備でも譜面を渡しません。だって、やりたい事はジャズなのですから。「守備の戦術がない」のではありません。譜面がなくても成立するサッカーをしたいのですから、「譜面がないのはなぜですか?」と質問しても、風間監督がはぐらかすような答えをするのは当然です。

2017年シーズンを通じて、名古屋グランパスの選手は大分ジャズが上手く演奏出来るようになってきたと思います。譜面がなくても演奏するコツは少しずつつかみつつあるので、あとは技量を高めていくだけです。

残り8試合はジャズメンとしては、腕の見せ所でしょう。自分の力を思い切り発揮して、素晴らしい演奏ならぬ素晴らしい演奏を期待したいと思います。

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