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サッカー代表監督の任期は、本当に4年間が適切か。

      2014/07/08

2014年ブラジルワールドカップで繰り広げられる熱戦を観ていて、僕自身が感じたことを書きたいと思います。

ベスト8のうち7チームの代表監督の在任期間が4年未満

2014年ブラジルワールドカップのベスト8の国を比べていると、ある特徴がわかりました。それは、代表監督の在任期間です。

ベスト8に進出した国の監督在任期間

ブラジル(ルイス・フェリペ・スコラーリ):2012年11月(1年8ヶ月)
コロンビア(ホセ・ペケルマン):2012年1月(2年6ヶ月)
ドイツ(ヨアヒム・レーヴ):2006年7月(8年)
フランス(ディディエ・デシャン);2012年7月(2年)
オランダ(ルイス・ファン・ハール):2012年7月(2年)
コスタリカ(ホルヘ・ルイス・ピント):2011年1月(3年6ヶ月)
アルゼンチン(アレハンドロ・サベーラ):2011年7月(3年)
ベルギー(マルク・ヴィルモッツ):2012年5月(2年2ヶ月)

なんと、ドイツを除くベスト8に進出した7カ国の代表監督が、4年未満の在任期間だったのです。平均すると、2年6ヶ月弱の在任期間です。

ベスト16のうち12チームの代表監督の在任期間が4年未満

ベスト16の監督まで調べても、この傾向は大きく変わりありません。

ベスト16で敗退した国の監督在任期間

チリ(ホルヘ・サンパオリ):2012年12月(2年7ヶ月)
ウルグアイ(オスカル・タバレス):2006年7月(8年)
ナイジェリア(ステファン・ケシ):2011年11月(2年8ヶ月)
アルジェリア(ヴァヒド・ハリホジッチ):2011年6月(3年1ヶ月)
メキシコ(ミケル・エレーラ):2013年10月(9ヶ月)
ギリシャ(フェルナンド・サントス):2010年7月(4年)
スイス(オットマー・ヒッツフェルト):2008年7月(6年)
アメリカ(ユルゲン・クリンスマン):2011年11月(2年8ヶ月)

ベスト16まで比較対象としても、代表監督の在任期間が4年未満のチームが、なんと12チーム。実に3分の2のチームの代表監督が、在任期間4年未満だったのです。この事実から考えたいのは、代表監督の在任期間です。果たして、4年間という在任期間は適切だといえるのでしょうか。

大きな大会を節目として監督を交代するヨーロッパと南米

ヨーロッパの国々は、ワールドカップとワールドカップの間に、ヨーロッパ選手権があります。ヨーロッパ選手権の成績によって、監督が代わるケースがあります。南米の国だと、ワールドカップの翌年に南米選手権があるため、そのタイミングで監督が代わるケースがあります。フランスやオランダは、ヨーロッパ選手権をきっかけに監督を交代し、アルゼンチンは南米選手権をきっかけに監督を交代しました。

ベスト8に進出した国の平均在任期間が2年6ヶ月という点は、どういうことが考えられるでしょうか。個人的には、監督就任によってもたらされるプラスの効果が効く期間が、2年くらいなんじゃないかと思うのです。たぶん、それ以上経過すると、同じ練習メニュー、同じメンバーでプレーすることも多くなり、マンネリ化してくることによるマイナス面の方が大きくなるのではないのでしょうか。そう考えると、新しい監督の考え方が浸透し、ワールドカップにちょうどチームとしてのピークが来たことが、フランスやオランダがベスト8に進出した要因の一つなのかもしれません。

逆に、長期にわたって代表監督を固定することで、チームを強化してきたのが、ウルグアイとドイツです。この2カ国は、サッカー協会が育成面でも確固たる方針を持つだけでなく、代表監督の戦術や選ぶ代表選手の基準が、育成年代にも浸透しています。長期にわたって監督を固定することで、戦い方を明確にし、必要な選手を育成し、適度に入れ替えることで成果を出してきました。

ザッケローニ在任3年目に成績が下がった日本代表

そう考えると、日本代表はどうだったのでしょうか。ザッケローニ在任期間中の成績を年別に比較すると、ある傾向が明確になりました。

2011年〜2014年の日本代表の成績

2011年:9勝5分1敗(勝率:600)
2012年:8勝2分2敗(勝率:667)
2013年:8勝3分8敗(勝率:421)
2014年:4勝1分2敗(勝率:571)

就任2年間は勝率が6割を超えていたものの、2013年になって、勝率が急に4割まで落ち込みました。対戦相手のレベルも関係するので、一概には言えませんが、2013年になってチームの成長が止まってしまったことは、対戦成績からも伝わってきます。

以前、木崎伸也さんというスポーツジャーナリストが、メルマガでこんな事を書いていました。

ザッケローニ監督はアジアカップのとき、
攻撃の向上に関しては「パターン練習」をすることが多かった。
「パターン練習」とは、複数の選手の動きをあらかじめ決めておき、
その手順どおりのパスまわしと連動性を練習するというものだ。
(中略)
しかし、パターン練習には限界がある。
パターンに頼るということは、相手を見ずにプレーするということで、
相手の出方によってはいとも簡単に想定していたものが崩れてしまう。
(中略)
ここ数年、イタリアサッカーが地盤沈下し続けているのは、
攻守両方においてパターンに頼っているからだと個人的に見ている。
もしこのままザッケローニ監督にパターン練習以上の手がないようだと、
トンネルを抜けた先に待っている完成形は、期待にそぐわないものになる可能性が高い。

最近、個人的にはこう考え始めている。
確かにザッケローニ監督は優れた指揮官だが、
期間が2年を超えるとなると、慎重に検討した方がいいのではないか、と。

(木崎伸也のNumberでは書けない話 Vol.31(2011/10/11)より)

このメルマガに書かれていることが現実になってしまいましたが、ザッケローニに4年間を任せたことが適切だったのか。その検証はきちんとすべきではないのでしょうか。

新しい代表監督を決めるとき、次のワールドカップまで必ず任せなければならない。そんな考えを持っている人もいると思います。しかし、クラブチームの監督とは一概に比較できませんが、4年も1つのクラブの監督をつとめていれば、長期政権です。今回のワールドカップで結果を出しているチームの代表監督が、2年弱の在任期間で結果を出していることを踏まえて、本当に1人の代表監督に4年間を任せることが適切か、きちんと考えるべきではないかと思うのです。

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