大人が変われば、子供が変わる。書評「サッカーで子どもがみるみる変わる7つの目標 」(池上正)

2015/11/06

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サッカーだけでなくすべての少年スポーツの育成に関わる大人たちへ7つの質問を投げかけることから、本書は始まります。

  1. 日常の指導が「指示命令の連続」になっていないか?
  2. 「わかった?本当にわかった?」と念押しばかりしていないか?
  3. 対面パスなど「ひとりでやるメニュー」に時間を費やしすぎていないか?
  4. 運動量の少ない子を「体力がない」「根性がない」と決めつけていないか?
  5. 「ドリブルをはじめたら止まらない」エースばかり育てていないか?
  6. 「転んで泣く子」をかまいすぎていないか?
  7. 「この子はここまで」のレッテルを貼っていないか?

自分で局面を読み、考え、プレーできる子どもたちを育てるには、いま全国で普通に行われているジュニアサッカーの指導法を根本から変える必要があるのではないか。本書は「サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法」の著者が書いたサッカーで子どもを成長させるメソッドの第二弾です。

デンマークサッカー協会の「子どものサッカー10箇条」

サッカーをしている子どもに、ついつい入れ込んでしまうことは、日本以外の国でもあるようです。
デンマークサッカー協会では「子どものサッカー10箇条」として、こんな言葉を関係者に伝えているそうです。

子どもたちはあなたのものではない
子どもたちはサッカーに夢中だ
子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる
子どもたちから求められることはあっても、あなたから求めてはいけない
あなたの欲望を、子どもたちを介して満たしてはならない
アドバイスはしても、あなたの考えを押し付けてはいけない
子どもの体を守ること。しかし子どもたちの魂まで踏み込んではいけない
コーチは童心になること。しかし子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない
コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ
コーチは子どもを教え、導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。

スイスサッカー協会が配る「カード」

また、スイスサッカー協会では、少年チームにある「カード」を配布しているそうです。子どもの大会の際、子どもたちはそのカードを応援に来ている大人たちに渡しに行くそうです。要約すると、以下のようなことが書かれているそうです。

大人の方々へ。
ぼくたちの試合を観に来てくださってありがとうございます。
また、いつもぼくたちのスポーツ活動を支援していただいてありがとうございます。
今日という日は、ぼくたちの一日です。
ぼくたちはサッカーを思う存分やろうと、喜んでここに来ています。
もちろん、誰だって勝ちたいにきまっています。
でも、一番大切なことは「プレーができる」ということです。
だからどうか、ぼくたちの思うようにプレーさせてください。
ピッチのそばで怒鳴らないで、相手チームのサポーターに対しても、フェアでいてください。
ミス・プレーをいちいち、なじらないでください。
ぼくたちはしょんぼりするだけで、何の役にも立たないからです。
以上、よろしくご理解ください。

子ども一同

コストが低い教え方

糸井重里さんが、何かの記事で「怒ったり、罰を与えたり、暴力で何かをさせるのは、コストが低い教え方だ」と語っていたことがあります。僕も含めて大人たちは、知らず知らずのうちに、子どもに何かを話すとき、コストが低い教え方をしている時があります。僕はその原因を、親が「子どもは自分のものだ」、もしくは「子どもより親のほうが立場が上だ」「子どもは親の言うことを聞くべきだ」と考えているからじゃないかと考えています。

子どもは親のものではありません。ましてや、子どもより親のほうが立場が上ということもありません。杉山愛さんのお母さんの言葉を借りるなら、「子どもが1歳なら、親としての年齢も1歳」なのです。ですから、子どもと親の関係は対等であるべきだと、僕は思います。

大人どうしの関係でも同じですが、子どもに何かをしてもらいたかったら、まずは大人から、話を聞いてもらうように工夫して話す。子どもより長く生きてきた経験は、こうした知恵や工夫で発揮するべきだと思います。池上さんの著書を読んでいると、改めて子どもとの接し方について考えさせられます。自分自身、本書に書いてあることができているか、常に考えながら、子どもと接していきたいと思います。

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