改めて感じる遠藤保仁の凄さ。書評「フットボールサミット第15回 「攻め勝つ」ガンバ大阪の流儀」

図書館の書棚を眺めていたら、目に留まり、思わず手にとって読んでみた1冊。

本書は、ガンバ大阪の選手やクラブ関係者の総力インタビュー、選手アンケート企画、様々な検証企画、コラムなどから、ガンバの魅力と現在地をあらゆる角度から掘り下げた、180P以上にわたるガンバ大阪特集をまとめた1冊です。

試合中勝手にフォーメーションを変えていた遠藤

読んでいて驚いたのは、遠藤保仁がインタビューで答えていた、こんな言葉です。

-遠藤さんは、コーチ的な役割もしているのですか?

遠藤
西野監督のときは自由にプレーさせてもらっていたので、
ゲーム中に自分たちで勝手にフォーメーションを変えたりもしていました。
最初は厳しいイメージの監督だったので、
信頼関係が出来てからですけど。

ゲーム中に自分たちで勝手にフォーメーションを変えてた、って結構凄い言葉です。監督の言うとおりにやれ!という監督も多いし、監督の言うとおりに戦おうとする選手が多い中、遠藤の言葉には驚かされます。一歩間違えれば、監督批判や造反とも受け取れられかねない行動です。

ただ、監督は試合に臨む際にベースとなる戦い方は授けてくれますが、試合では監督の指示どおりにならないこともあります。むしろ、その方が多いくらいです。監督の指示どおりに試合が上手く進まなかったら、どうするのか。指示通り進まなかったら、選手はただ指をくわえるだけで、試合に負けてしまってもいいのか。それは違うと思います。

監督の指示通りに進まなかった時、選手が違和感を感じて修正できるのであれば、修正すべきだと思います。それが、相手にあわせて戦うということです。監督が指示したことを実行することしか考えず、上手くいかなかったら監督のせいにしていては、選手として進歩がありませんし、継続して試合に勝つことは出来ないと思います。

圧巻だった2007〜2008年頃の遠藤

2008年にACLを制覇した頃のガンバ大阪は、監督の指示にとらわれず、目の前の戦いにどうやったら勝てるのか、個人個人で判断できる選手たちが揃っていたのだと思います。そして、そんな選手たちの中で、圧倒的な存在感をみせていたのが、遠藤でした。特に、トップ下でプレーした時の遠藤のプレーは、圧巻でした。

当時の遠藤なら、ヨーロッパのビッグクラブでもプレー出来たと思います。嘘だと思う人は、当時の動画を観てください。ゲームをコントロール正確なパス、試合を決定づけるシュートを決める決定力、どれをとっても抜きん出てます。

遠藤保仁 2列目・トップ下プレー集 (1) 2007年編

遠藤保仁 トップ下・2列目プレー集 (2) 2008年編

「攻め勝つ」ガンバ大阪の復調を楽しみに待ちたい

本書を読んでいると、現在のガンバ大阪は、2005年から2010年頃のサッカーを取り戻すべく、再建中といった印象です。

ただ、遠藤保仁はまだ健在ですし、FWは宇佐美貴史が戻ってきましたし、ガンバ大阪ユース出身の倉田秋もいます。GKにもガンバ大阪ユース出身の東口が戻ってきましたし、DFにも西野貴治という楽しみな選手がいます。ガンバ大阪ユース出身の選手が、レギュラーに多く、チームへの忠誠心が高いのも、ガンバ大阪の強みですね。

最近のJリーグは、相手のミスを待つようなチームが多いので、ガンバ大阪のように自ら相手を崩して勝とうという志を持っているチームの復調してこないと、観ていて面白くないリーグになってしまいます。時間はかかるかもしれませんが、少しづつ、強いガンバ大阪のサッカーが戻ってくるのを楽しみに待ちたいと思います。

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