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川崎フロンターレの風間監督が語る伸びる選手の条件「今持っていることとプラスαのことに取り組む」

   

先日発売された「フットボールサミット第32回 川崎フロンターレ 夢の新等々力劇場」で一番おもしろかった特集は、風間監督と水沼貴史さんの対談です。かつて日本代表でもあり、同世代でもある2人。水沼さんが解説する時の的確さにうなり、試合後の風間監督へのインタビューが楽しみにしていた人としては、本が発売される前からこの特集を楽しみにしていました。そして、期待以上に面白い特集でした。

この特集では、風間監督が珍しく川崎フロンターレが目指しているところ、現在の問題点を詳しく語っています。風間監督の著書やDVDを何度も観た人には聞き慣れた言葉も多いと思いますが、改めて印象にのこったポイントを紹介したいと思います。

走るのが速くても、攻撃は速くならない

風間監督は、走るのが速ければ攻撃が速くなるとは考えていません。風間監督は、攻撃におけるスピードについて、以下のように語っています。

スピードは自分の中では正確性です。正確性=スピードだって言ってます。例えば、止めて蹴るまでの、その0コンマ何秒の間。それから動きながら、(ボールを)止められるかどうか。止めた時に身体がスムーズにボールと移動できているか。これも技術ですよね。
(中略)
急ぐということじゃないし、速く走ることでもない。でも、一番早い判断の中から、全てを一番正確にやること。それが出来ると、放っておいても速さが生まれるということを言ってます。正確性を上げていくことがスピードにつながる。

局面だけを切り取れば、足が速い選手がボールをもったり、ボールを追いかけている時は、スピードがあるように見えます。ただ、それは選手だけが速いのであって、動かすべきボールや、連動すべき他の選手が速いわけではありませんし、攻撃のスピードが速くなっているとは、必ずしも言えません。

全てのプレーを正確に、時間をかけずに行う。パスは走っている選手の足元に正確に出し、受け手は正確に止める。これが本当の速さだと、風間監督は考えているのです。

クロスの数が少ない理由

川崎フロンターレは、クロスの数が他のチームに比べて少ないというデータがあるそうです。確かに試合を観ていても、クロスを上げる場面をあまり目にしません。しかし、川崎フロンターレの得点パターンの1つは、速いグラウンダーのクロスをファーサイドで大久保が合わせるというものです。この点について風間監督は普通とは違う発想で物事を考えていました。

クロスの時に、全部高さを使っちゃダメだとずっとやってきたんですよ。全部高さで解決しようとすると、(相手の)外し方がわからなくなるから。
(中略)
あれもこれもと、本当はやりたいけど、最初からそれやると、絶対にクロスは上手くならないから。もちろん我慢はいる。

川崎フロンターレのサッカーは、「止める」「運ぶ」「外す」「受ける」という技術を徹底的に突き詰めることで成り立っています。クロスをなんとなく相手のDFが届かない高いポイントに合わせるというプレーで得点を取れてしまうと、相手を「外す」動きをゴール前でしなくなると考え、「クロスで高さを使わない」。この発想を貫ける指導者は、他にはいないと思います。

風間監督が語っている通り、これを貫くには我慢が必要です。風間監督のチーム作りを追っていると、ほんと我慢の人だと思います。辛抱して、辛抱して、変えるべきタイミングで一気に変える。このタイミングを間違えないのが、風間監督の凄さです。クロスに関する言葉には、風間監督の考えがよく現れています。

伸びる選手は「今持っていることとプラスαのことに取り組む」

個人的に印象に残っているのは、自主トレについて風間監督が語っていた言葉です。川崎フロンターレでは、1時間ほどの全体練習の後、個人個人が自主的に技術を磨くためのトレーニングを行います。ヘディングの練習をする者、シュート練習をする者、パスを止めて動く練習をする者、1人1人様々な練習をこなしています。この自主練習について、風間監督の考えが面白かったので紹介します。

伸びていく選手っていうのは、頭の中が違うから、今持っているものにプラスの事を取り組んでいくんです。そうじゃない選手は、自分の得意なことしかやらない。もっとよくない選手になると、何をすればよいか分からなくて、何もしないで帰ってしまうこともある。

これは、僕自身の事を言われている気がしました。僕はどちらかというと、自分の得意なことしかやらないタイプです。本当に伸びていきたかったら、今持っているものにプラスの事を取り組む努力をしなければならない。それが自分自身が苦手だと思うことだったら、なおさらその事に取り組む必要があるのだと、この言葉を読んだ時感じ、反省しました。

「フットボールサミット第32回 川崎フロンターレ 夢の新等々力劇場」は、川崎フロンターレのサポーターの人はもちろん、川崎フロンターレの取り組みやサッカーに興味がある人、あるいはファン・サポーターといかに良好な関係を築いていくべきか考えている人、チームマネジメントに悩んでいる人にも、おすすめの1冊です。特に今回紹介した風間監督と水沼貴史さんの対談はおすすめです。ぜひ読んでみてください。

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