フォルランがイライラする本当の理由。-欲しいタイミングでパスが出てこない-

2014/08/24

セレッソ大阪にディエゴ・フォルランが加入した時、今年のセレッソ大阪は強くなると予想した人は、多かったと思います。僕もその1人です。しかし、セレッソ大阪の順位は16位(2014年8月16日現在)。優勝争いどころか、降格争いをしなければならないのが現状です。フォルランも19試合で7ゴールを記録していますが、開幕前の期待に十分応えているとは言いがたいのが、正直な感想です。

第19節のFC東京戦では、フォルランは途中交代に不満を現し、置いてあったペットボトルを蹴り上げていました。なかなか勝てないチームの状況が、フォルランを苛立たせているではないかと思いますが、それだけが理由ではないと思います。僕は、フォルランがイライラする理由は、別にあると思っています。

フォルランがDFの逆を取ってもパスが出てこない

フォルランがイライラする本当の理由は、欲しいタイミングでパスが出てこないからだと思います。フォルランの強みは、左右どちらの足でも打てる、強烈で正確なシュートです。その強みを活かすために、フォルランは試合中絶えず動き、相手のマークを外そうとします。特に、スピードや身体の向きを変えて、相手の重心を見極めながら、DFの逆をとる動きは絶妙です。

ところが、セレッソ大阪の試合を観ていると、フォルランがDFの逆を取って、パスを要求した瞬間、ほとんどパスが出てこないのです。開幕当初は、フォルランの動き出しについていけてないのだと思ったのですが、川崎フロンターレ戦でも、フォルランが欲しいタイミングでパスが出てきているということは、ほとんどありませんでした。

フォルランは、逆を取った瞬間、動きでパスだしを要求しているのが、テレビでも、スタジアムでも、よく分かります。DFから離れている距離としては、50cmも離れていませんが、フォルランの足元に正確にパスをすれば、フォルランの技術をもってすれば、きちんと止めて、チャンスに出来ます。

しかし、セレッソ大阪のチームメイトは、フォルランがゴールから遠い場所で、完全にフリーになった時にしかパスを出しませんでした。これでは、なかなかチャンスにはなりません。フォルランのイライラの原因は、ここにあるのだと思います。

素晴らしいパスを出す選手がJリーグから減った

FWがマークを外した瞬間、正確にパスを出す。以前は、Jリーグの上位に食い込むチームには、必ずパスの得意な選手がいました。しかし、近年この技術を武器とする選手が、Jリーグでプレーする数が年々減っています。

現在のJリーグで、フォルランの欲しいタイミングでパスを出せる選手で、僕が思いつくのは、ガンバ大阪の遠藤と二川、川崎フロンターレの中村憲剛と大島僚太、横浜F・マリノスの中村俊輔、ベガルタ仙台の野沢、名古屋グランパスのレアンドロ・ドミンゲス、ヴィッセル神戸のシンプリシオ、コンサドーレ札幌の小野、くらいしかいません。ちなみに、扇原は左足のキックは正確ですが、フォルランのリズムに合わせてパスを出す技術は持ちあわせていません。

風間監督は、味方にパスをする時、「相手の選手が近くにいても、相手のボールが届かないところにパスをすればいい」と語っています。たぶん、フォルランはこういう感覚でプレーしているのだと思います、30cmしか離れていなくても、自分にとってはフリーな状況であり、欲しいポイントにボールがもらえれば、チャンスは作れる。こう思っているはずなのです。

しかし、セレッソ大阪の選手にとって、フォルランがパスが受けられると思っている状況は、彼らにとってしてみれば、パスが出せる状況ではないのです。パスが出せるという認識もないし、その技術もない。この差は、小さいようで大きな差だと思います。これは、日本サッカーにとって、大きな課題だと思います。

カカウ獲得は正しいのか

そう考えると、セレッソ大阪はシュツットガルトからFWカカウを獲得しましたが、その補強が正しかったどうかは疑問です。カカウは、素晴らしいストライカーですが、周りを活かす技術に長けた選手ではありません。フォルランやセレッソ大阪が本当に必要としていた選手は、FWがマークを外した瞬間に、正確にパスが出せるMFじゃないかと思うのです。

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