「機能しない選手交代から考えるチームマネジメント」2014年J1第3節 川崎フロンターレ対大宮アルディージャ レビュー

2014/07/22

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2014年J1第3節、川崎フロンターレは大宮アルディージャに3-4と逆転負けを喫しました。86分に大久保に待望のゴールが生まれた後、アディショナルタイムに2点を取られての逆転負け。あってはいけない展開での逆転負けでした。

風間監督の怒りのコメント

この試合は、風間監督の以下のコメントがすべてです。

「言うこともないゲームです。というのは、やはり本気度ですよね。最後何分しか無いところで、絶対に自分だけはやらせない。あるいは絶対にここだけは許さないということを本気で思えるかどうか。ここにすべての勝因が関わっていたと思います。ですから、あまり内容のことを言っても仕方ないと思います」
(中略)
「心の中でも無いです。もちろん慎重にフリーキックを取らせない。ほとんど触れる機会がありませんでしたが、ここは厳しいところでセットプレーというのは理屈じゃなくて、自分の目の前の選手にやらせないと本気で思えるかどうか。死ぬか生きるかの立場なんですね。ここの場所というのは。うちに足りないのはそこです。それ以外は無いです。そうすれば1本2本、あれを防ぐに決まっている。ですからやっぱりそこのところで、自分たちが本気でもっと望まないと。あるいは戦わないと、それ以外はないですね」

【J1:第3節 川崎F vs 大宮】風間八宏監督(川崎F)記者会見コメントより

機能していない山本の途中投入

今シーズン気になっているのは、山本真希のプレーです。広島戦は観れていないのですが、途中から出場した神戸戦、蔚山現代戦、そしてこの大宮戦と途中出場した後に失点するなど、お世辞にも機能しているとはいい難いという印象を受けます。この試合も4失点目の原因になるパスミスをしてしまいました。

山本の持ち味は、豊富な運動量と気の利いた動き、そしてミドルシュートです。特に途中出場した時は、豊富な運動量でスペースを埋め、ボールに触ることでチームにリズムを与える役割が期待されています。しかし、途中出場した時の山本は、試合の流れに乗りきれず、よいプレーが出来ていません。特に、豊富な運動量でスペースを埋める動きがみられません。

必ずしも交代が多くない風間監督の選手交代で、必ず交代として使われるというのは、昨年レギュラーとして素晴らしいプレーをしていた山本への信頼の証です。しかし、何回もうまくいかないと、交代策を考えざるを得なくなります。

逃げ切りなら稲本の投入、中盤でリズムを作りたい時はキャンプ中好調だった森谷を使うなど、交代策に変化が出てくるかもしれません。

福森のプレーが象徴するチーム内の競争意識の低さ

この試合、登里が欠場した左サイドバックには福森が起用されました。福森の武器は、左足の正確なキックを活かした攻撃です。しかし、1失点目に菊池のマークを外してしまうなど、この試合では自分の持ち味をほとんど発揮できず、前半で交代させられてしまいました。

残念ながら、福森のプレーからは「レギュラーをとってやろう!」「このチャンスをものにしてやろう!」という気持ちを感じることが出来ませんでした。タイトルを取るチームは、怪我で欠場した選手の代わりに出場した選手が、欠場した選手以上のプレーを披露し、チームを活性化していきます。こういう働きが、チームの競争意識を高め、選手層を厚くしていきます。

この試合の福森のプレーは、現在のチーム状態を象徴している気がしました。
試合の負けより、その事のほうが僕は残念でした。

競争意識の低さにつながる風間監督の選手交代

競争意識が低くなっているのは、風間監督の選手起用にも原因があります。風間監督は試合中の選手交代で、3人交代できるにもかかわらず、3人を使いきらずに試合を終えることがあります。神戸戦は1人、広島戦はロスタイムに2人代えるまでは1人、大宮戦も2人しか代えていません。

選手交代が少ないと、控えの選手に「ベンチに入っても試合に出られないんじゃないか」という気持ちが芽生えても不思議ではありません。こういう気持ちが芽生えると、チャンスが与えられた時にチャンスを活かすのは難しいものです。

風間監督が選手交代が少ないのは、「まずはグラウンドにいる選手に問題を解決させる」という考えがあるからなのですが、自身の考えがチームをマネジメントしていく上で、マイナスになっている部分があることも、認識してほしいなと思うのです。

とはいえ、次のシドニー戦まで中3日しかありません。次節のFC東京戦までキツイ日程が続きます。
中々勝てない中でも、大久保嘉人にゴールが生まれるなど、明るい兆候もみえてきています。
この困難な状況をチームとしてどう打開していくのか。注目していきたいと思います。

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