2017年J1第34節 川崎フロンターレ対大宮アルディージャ プレビュー「動き続けろ」

2017年Jリーグ第34節、川崎フロンターレの対戦相手は大宮アルディージャです。

ボールを相手陣内に運ぶ回数が少ない大宮アルディージャ

2017年シーズンの大宮アルディージャのデータを分析すると、ボールを相手陣内に運ぶプレーと、シュート成功率の高いチャンスを作り出すプレーの精度が低かった事が読み取れます。1試合平均の30mライン進入回数は、30.6回でリーグ18位。つまり、相手ゴール前から30m以内にボールを運ぶ回数が、J1チームの中で最も少ないのです。総得点が最も少ない、ヴァンフォーレ甲府より少ないというのは以外です。1試合平均のコーナーキックの回数も、4.0回でリーグ18位。コーナーキックの回数は、ボールを相手陣内に上手く運べているかどうかを測る指標の1つです。コーナーキックが少ないということは、大宮アルディージャが相手陣内にボールを運ぶ回数が少ないということが読み取れます。

相手陣内にボールを運べないので、シュートを打つ本数も少ないし、成功率が高いシュートチャンスを作り出すことも出来ません。1試合平均のシュート数は、10.4本でリーグ17位。枠内シュート数も2.9本でリーグ17位。シュート成功率こそ、7.6%でリーグ15位ですが、決して高い数字ではありません。ボールが相手陣内に運べないので、相手の攻撃を受ける回数も増え、失点が増える。この悪循環に大宮アルディージャはハマってしまいました。

中2日だけど積極的にボールを奪いにいく理由

川崎フロンターレとしては、ボールを相手陣内に運ぶプレーに問題をかかえているチームとの対戦なので、やるべきことは「積極的にボールを奪いにいくこと」です。大宮アルディージャのDFがボールを持ったら、積極的にボールを奪いにいき、パスコースを限定し、相手陣内でボールを奪う。大宮アルディージャを自陣から出さないくらい、積極的にボールを奪いにいっても良いと思います。

そして、僕がボールを奪いにいった方がよいと考えるのは、この試合が中2日で迎える試合だからです。中2日の試合は、選手も完全には体力を回復出来ていない状態で迎えると言われています。体力が完全に回復していない状態で、積極的にボールを奪いにいったら、余計に体力を消耗してしまうのではないかと思うかもしれませんが、積極的にボールを奪いにいったほうがよい理由がもう1つあります。それは、この試合に勝たなければならないからです。

中2日の試合は、自分の思い通りには身体は動きません。「動かなきゃ」と思っていても、身体が重く、思っていたタイミングより少し遅れてしまう。そんな事が起こりえます。だからこそ、普段以上に身体を動かす必要があります。相手の戦い方を受けてたち、相手の戦い方にあわせて、体力の消耗を最小限にして戦おう。そんな戦い方を選択したら、この試合は負けます。

昔、こんなエピソードを聞いたことがあります。

元サッカー日本代表の都並敏史さんが、自分のプレーが上手くいかなくて落ち込み、身体が思うように動かなくなっていた時、当時のサッカー日本代表監督だったハンス・オフトさんに相談したことがあるそうです。都並さんの話を聞いたオフトさんは、こう答えたそうです。

まず、走れ。
バカだと思われるくらい声を出して、身体を動かせ。
声を出して、身体を動かしていれば、そのうち上手くいくようになる。

まずは身体を動かす。アクションを起こす。声を出す。動きを止めずに、動かし続ける。そうすれば、次第に重かった身体も動くようになるはずです。最もまずいのは、身体を動かさず、頭を使ってプレーしようとして、結果的に判断が遅れ、身体が動かず、相手に先手を許してしまう事です。

まずは試合開始から全力で入る。そして、声を出し、後の事は考えずに、走る。プレッシャーや疲労といった、動きを止めやすい要素が影響しやすい試合では、まずは「アクションを起こす」という事を意識してプレーすることが大切です。

「アクションを起こす」「動き続ける」というテーマを書き続けた2017年

思い返せば、2017年シーズンは「アクションを起こし続ける」「動き続ける」という事をテーマにした文章が多かったと感じます。小林、家長、中村、エドゥアルド・ネット、谷口といった選手のプレーについて書く時も、常に「アクション」「動き続ける」という言葉を用いて、プレーを語っていたような気がします。

そんな「アクションを起こし続ける」チームを象徴しているのが、阿部と奈良です。このブログでは、阿部の攻守両面でアクションし続けるプレーを紹介し続けました。阿部が主に攻撃で体現しているとしたら、守備で体現しているのが奈良です。守備時にボールを奪うために足を止めず、相手に楽にプレーさせないように身体をぶつけ、常に気を配り、味方に声をかける。攻撃で出来ていた「アクションを起こし続ける」プレーが、守備では疎かになっていたチームですが、奈良が定着してから、アクションを止めてしまうような場面が減りました。

奇しくも、ルヴァンカップのスタメンに、二人の名前はありませんでした。この二人がスタメンで出ていれば、違う結果になったんじゃないか。僕は、今でもそう思っていますが、この試合に二人が出られるということは、川崎フロンターレにとって、とても良いことだと思います。

2017年シーズン最後の試合だからこそ、自らアクションを起こし、ボールを奪い、ボールを運び、ボールを止め、味方にパスをしたら次のパスを受けるために動き続け、ピンチやどちらのボールでもないときにでも、最後の最後まで身体を動かし続ける。そんなプレーが観たいと思うのは、僕だけではないと思います。

残念ながら、SAJ2017というイベントの運営をサポートしているので、試合をリアルタイムで観ることは出来ません。しかし、選手たちが満員のスタジアムで、どのようなプレーを披露するのか。楽しみです。吉報を待っています。