2017年J1第28節 川崎フロンターレ対セレッソ大阪 プレビュー「事故にあわず、事故を起こす」

2017年Jリーグ第28節、川崎フロンターレの対戦相手はセレッソ大阪です。まず第27節までのデータを基に、セレッソ大阪のデータから分析した特徴を紹介します。

セレッソ大阪は「得点が奪えるヴィッセル神戸」

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は12.0%でリーグ4位。攻撃回数は122.9回とリーグ5位。1試合平均のシュート数は14.8回でリーグ3位。シュートを打つプレーまでボールを運ぶのが上手いチームです。そして、シュート成功率は12.8%でリーグ2位。つまり、「ボールを敵陣に運んで成功率が高いシュートチャンスを作るのが上手い」チームだと言えます。

攻撃に関するデータを詳しく分析すると、興味深いのはボール支配率の低さです。チャンス構築率が高いチームは、ボール支配率が高いチームが多いのですが、セレッソ大阪の1試合平均のボール支配率は48.2%でリーグ11位。実は前節対戦したカウンター戦略を採用するヴィッセル神戸とほぼ同じ(ヴィッセル神戸は第26節時点で48.3%)です。1試合平均の30mラインの侵入率も44.0回でリーグ8位で、前節対戦したヴィッセル神戸の44.0回と似ています。

ヴィッセル神戸との差が分かるのは、セットプレーからの得点の比率です。総得点全体の27%しかなかったヴィッセル神戸に対して、セレッソ大阪は総得点全体の43%がセットプレー関連プレーからの得点です。クロスからの得点の割合も25%と高く、サイドからのパスでシュートチャンスを作り、得点するのが上手いチームだという事がよく分かります。ヴィッセル神戸とセレッソ大阪の順位の差は、実はセットプレーからの得点の差くらいしかないのかもしれません。

守備のデータを分析すると、ヴィッセル神戸とセレッソ大阪の数字はほぼ同じです。シュートを打たれた数を攻撃を受けた数で割った「被チャンス構築率」は10.2%でリーグ6位。これはヴィッセル神戸と同じです。攻撃を受ける回数は120.7回でリーグ10位(ヴィッセル神戸は121.2回でリーグ11位)なので、攻撃を受ける回数は多いのですが、シュートは打たれない守備が上手いチームです。「被シュート成功率」は9.9%でリーグ11位。これもヴィッセル神戸と同じ数字です。シュートは打たれないけど、打たれたらゴールを決められてしまう。そんなチームだといえます。

つまり、セレッソ大阪は「得点が奪える」ヴィッセル神戸とも言えるかもしれません。前節苦戦した川崎フロンターレとしては、決して戦いやすい相手ではないと言えます。

事故を起こさず、起こさない

前節ヴィッセル神戸戦は、0-0の引き分け。鹿島アントラーズとの勝ち点差が8に広がってしまったため、のこり7試合は負けられない試合が続きます。

僕が負けられない試合を勝つためにポイントとして挙げたいのは、「事故を起こさず、事故を起こす」事です。川崎フロンターレは、ボールを保持して、自分たちがプレーの選択権をもった状態で、試合を進めようとするチームです。「受ける」「運ぶ」「外す」「止める」といった技術を駆使し、相手がいてもボールを奪われない場所をみつけ、相手を攻略して、ゴールを奪うチームです。

しかし、サッカーというスポーツは、常に狙ったプレーでゴールが生まれるスポーツではありません。サッカーでゴールが生まれるのは、ボールを保持している時間が長く、シュートチャンスが増えている事とは関係なく、守備者が足を滑らせたりして、戻るべき場所に戻らなかったりした時です。相手がミスをしなくても、自分たちのプレーが相手を上回ってゴールを奪うのが理想ですが、誰もいない場所や誰が対応したら良いか分からない場所にボールを蹴って、ヘディングしようと相手選手同士がぶつかってゴールキーパーと1対1のチャンスを作るといった、相手の判断ミスを誘うというプレーも、実はゴールを奪う確率が高いプレーだったりします。

川崎フロンターレは、こうした「偶然」や「事故」に頼るプレーを出来るだけ排除してきたチームです。しかし、拮抗した試合に勝とうとしたら、意図的に「事故」を起こし、チャンスを作るようにしてもよいと思います。そして、守備では事故を起こさないのも大切です。試合だけでなく、日頃の練習から身振り手振りで意図を伝え、でプレーに対する対応をすりあわせ、判断のミスをしない。事故は大抵準備不足から起こります。よい準備が出来ているか、より問われる試合が続いていきます。

シーズンも終盤なので、劇的にチーム力が上がったりすることはありません。ここからは、1つ1つのプレーの重みが増してくるので、試合だけでなく、試合前の準備できちんとやるべき事をやっているかどうかが、勝敗を分ける気がします。どんな試合になるか楽しみです。

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