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中村憲剛と大島僚太のダブルボランチ。2014年J1第5節 川崎フロンターレ対名古屋グランパス レビュー

      2014/07/22

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2014年J1第5節、川崎フロンターレ対名古屋グランパスは1-0で川崎フロンターレの勝利。ボールを繋ぎ、ゲームをコントロール。FC東京戦と同様に素晴らしい戦いぶりでした。この試合は等々力で観戦しましたが、観ていて楽しかったです。

決勝点の大久保嘉人のゴールまでに繋いだパスは、なんと30本。
丁寧に、丁寧に、パスを繋ぎ崩した、凄いゴールでした。

試合前に注目していたジェシとケネディのマッチアップですが、迫力ある空中戦を想像していたのですが、両者ともボールの落下点に速く入るために、いかによいポジションを取るかという駆け引きに力を注いでいたのが印象的でした。これは、生で実際に観ないとわからないポイントです。面白かったです。

正確なパス交換で攻撃がスムーズに

この試合で印象に残ったのは、中村憲剛と大島僚太のダブルボランチです。前節のFC東京戦で初めてコンビを組みはじめて、2連勝。ダブルボランチがこの2人になってから2連勝したのは、偶然ではないと思います。

風間監督就任後の川崎フロンターレは、主に図(A)と(B)のように、2人のボール交換から、マークを外して相手選手の間に入った選手に縦パスを入れて、攻撃を仕掛けます。このプレーを、フィールドの様々な場所で繰り返し繰り返し行います。


中村憲剛と大島僚太の2人はボールを扱う技術に優れているため、2人の間で行うパス交換のテンポがチームの中でどの組み合わせよりも早く、スムーズで、正確です。

最もボールに触るボランチの2人を、チームの攻撃の生命線となっているパス交換が最も正確に行える2人にしたことで攻撃がスムーズになり、相手を押し込んだ後も守備を崩せるようになりました。

攻撃に強みがある2人をボランチして無失点の理由

中村と大島は、2人とも攻撃に強みを持つプレーヤーです。ダブルボランチは、1人は攻撃が強いプレーヤー、1人は守備が強いプレーヤーを持つプレーヤーを配置するのがセオリーです。

ところが、川崎フロンターレはそのセオリーに反して、2人とも攻撃に強みをもつプレーヤーをダブルボランチに配置しています。ダブルボランチに攻撃に強みをもつ選手を配置すると、攻撃を重視するあまり守備が弱くなり、失点が多くなりがちです。ところが、中村と大島の2人のダブルボランチになってから、2試合連続無失点。なぜでしょうか。その理由は3つあります。

1つ目は、ダブルボランチでボールを失わないため、チーム全体としてボールを保持する時間が長くなり、攻撃の時間と機会が増え、逆に守備の時間と機会が減ったこと。2つ目は、2人ともチームのバランスを見ながら動ける選手なので、どちらかが攻撃、どちらかが守備のために残るポジションをとってプレーしていること。3つ目が重要なのですが、実は2人とも守備が上手いからです。

2人とも、スライディングタックルや敵に身体を当てて(コンタクトして)ボールを奪うタイプではありません。しかし、2人とも相手の動きを読んで、ボールを奪うのが上手です。大島はわざとパスコースを開けておいて、相手にパスを出させ、何度もパスカットに成功していましたし、中村憲剛は相手がトラップした瞬間に相手とボールとの間に身体を入れ、コンタクトせずにボールを奪っていました。

風間監督は、よく「守備の時はパサーの目になれ」という言い方をします。どういうことかというと、パサーの立場になって、相手がパスをどこに出すのか、どこにボールをコントロールするのか読めれば、そのコースに足を出せば、コンタクトせずにボールを奪えるという考え方です。

大島と中村憲剛は川崎フロンターレの中でも、パスが最もうまい2人です。つまり、「パサーの目」を最も持っている2人です。今まで攻撃で発揮していた「パサーの目」を守備で活かしてチームに貢献できるようになったからこそ、攻撃重視にみえる2人のボランチ起用にもかかわらず、守備が安定し、失点が減っているのです。

ただし、大島と中村憲剛のボランチ起用は、去年のチームではたぶん出来なかったと思います。2人の個人戦術のレベルが上がったからこそ(特に大島僚太)、出来るようになった起用法だと思います。こんなところにも、チームの成長を感じます。

目に見える結果が出てきた川崎フロンターレですが、次は中3日でACLウエスタンシドニー戦です。
ACLの予選リーグを突破するためには、勝利が必要です。
リーグ戦の連勝で得た勢いで、ぜひACLでも結果を出して欲しいと思います。

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