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2016年J1セカンドステージ第13節 川崎フロンターレ対横浜F・マリノス レビュー「自作自演の喜劇は一度で十分」

   

2016年Jリーグセカンドステージ第13節、川崎フロンターレ対横浜F・マリノスは3-2で川崎フロンターレが勝ちました。

横浜F・マリノスのゲームプランを狂わせた先制点

この試合のポイントは、先制点を川崎フロンターレが奪った事です。川崎フロンターレに先制点を奪われた事によって、横浜F・マリノスとしては、ゲームプランを変更しなければなりませんでした。

横浜F・マリノスとしては、今までの川崎フロンターレに対する試合と同じように、DF3人はフリーにする代わりに、大島、中村にはパク・ジョンスと中町、そして兵藤の3人でボールを奪いにいき、自由にプレーさせません。DFラインはペナルティエリア前に設定し、小林には背後を狙うスペースを与えず、DFラインとMFの間でボールを受けたい三好と狩野に対しては、DFが前に出て、MFと挟みうつようにして、ボールを奪う。そして、川崎フロンターレの攻撃を止め、自分たちがボールを保持したときには、川崎フロンターレの3人のDFが空けたスペースに伊藤を走らせ、センターバックを引きつけ、両サイドは斎藤とマルティノスがドリブルでボールを運び、チャンスを作る。相手に攻めさせてから、その勢いを利用して、自分たちが攻める。そんな試合展開を考えていたはずです。しかし、先制点を奪われた事で、自分たちが攻めなければならなくなりました。

横浜F・マリノスとしては、川崎フロンターレにボールを持たせるはずが、自分たちがボールを持たされる展開が続きました。ただ、この展開で焦れずに無理して攻めず、バランスを崩さず、ボールを保持し続けた事によって、川崎フロンターレのペースで試合を進めさせない事には成功しました。それが、後半の2得点に繋がったと思います。

得点したけど、ミスも多かった狩野と三好

川崎フロンターレとしては、先制点を奪った後、ボールを保持して試合をコントロールしたかったのですが、なかなかボールを保持できません。この試合は、FWに小林、小林の背後に狩野と三好という2人を並べました。ただ、小林は大久保のように、MFの選手が顔を上げたタイミングでパスを受けられる選手ではありませんので、徹底してDFと駆け引きして、相手の背後を狙い続けます。普段大久保がやっているMFとDFの間で受ける動きは、狩野と三好が担当しました。大久保の不在を、役割を分担することで補おうとしたというわけです。

この狙いは狩野と三好と小林が得点したということを考えると、上手くいったように思えます。しかし、狩野と三好がボールを受けた後、前を向けない、あるいは受けた後、味方に出すパスが遅かったり、方向が違っていたり、テンポが遅かったりといった具合で、他の選手のテンポとあっておらず、なかなか攻撃のテンポが上がりません。ミスも増え、横浜F・マリノスの守備にひっかかる場面が何度もみられました。

また、狩野と三好は一度パスを受けられなかったり、パスを受けて、味方にパスを出すと、動きを止めてしまう場面が何度もありました。大島や中村としては、パスを出して、受けて、というプレーを繰り返して、相手の守備を崩したいのですが、止まってしまっているので、パスが出せない。仕方なく相手の背後を狙って奪われる。そんな場面もみられました。

そして、小林、狩野、三好の3人の守備も上手くハマりません。3人の動きが連動しないので、横浜F・マリノスにボールを保持され、ズルズルと下がってしまいます。また、斎藤とマルティノスに1対1で対応する場面がみられたので、川崎フロンターレは新井の負傷後に、4-4-2に変更します。FWとMFの守備が連動するように調整し、サイドは2人で守る。これによって、少しづつ川崎フロンターレのペースで進める事が出来ました。中央でボールを受ける選手が三好1人になったことで、攻撃もスムーズになりました。

横浜F・マリノスとしては、2失点目が痛かったと思います。遠藤を入れて、マルティノスと斎藤を入れ替え、サイドからより崩していこうとした矢先の失点でした。1-0で残り10分まで我慢出来ていたらと思うと、悔やまれる失点でした。

新井の負傷交代で交代が遅れる

この試合は、新井の負傷交代が川崎フロンターレのゲームプランに大きく影響しました。新井が負傷交代するまでは、狩野と三好の動きがどこかで止まるだろうから、森谷や小宮山を入れつつ、3人目をロスタイムに入れて、試合をクローズさせよう。選手交代はそう考えていたような気がします。ところが、新井が負傷交代してしまったため、狩野と三好を交代させずらくなってしまいました。この試合の風間監督は、何度も何度もタッチラインとベンチを行き来していたのですが、その度に交代のタイミングについて悩んでいたような気がします。「ここは我慢だ!」という顔をして、タッチライン際に戻っていくのを何度も見ました。監督としては難しい決断だったと思います。2-1で進んでいたら、最後は奈良を入れて、クローズさせたはずです。

結果として、長く引っ張った三好のミスで同点に追いつかれてしまいます。1失点目も三好が足を止めて、中村のパスを受けられなかったこと、そして中村の軽率なディフェンスが要因による失点でした。ただ、1人交代枠を残しておいたからこそ、森本を入れて、ロスタイムの決勝ゴールに結び付けられるのですから、サッカーは分かりません。森本が動いた事によって、中澤が引きつけられ、小林が受けられるスペースが出来ました。小林はスペースを見逃さず、ゴールに結びつけました。

試合のテンポを落とせず、相手のペースに巻き込まれる

本来なら、2-0で終わらせるべき試合だったと思います。2-0になった後、横浜F・マリノスが攻撃に意識を傾けるのは分かっていたはずなので、川崎フロンターレとしては、3点目を無理して狙いにいかず、ボールを回して、試合のテンポを落とし、時間を進める事に注力すればよい試合でした。ところが、小林や三好といった選手は、ボールを持ったらテンポを落とさず、相手の守備を崩そうと攻撃を仕掛けてしまいました。2-0で勝っているのですから、主導権は自分たちが握っています。無理をする必要はありませんでした。

もし、大久保がいたら、ゆったりとボールをキープして、試合のテンポを落とし、相手を苛立たせながら、空いた場所を攻めるように促したはずです。また、大久保がいたら、味方の動きが止まっていても、ボールを受けてくれ、一息いれる時間を作ってくれたはずです。

そして、エドゥアルド・ネットの出場停止も試合展開に大きく影響しました。中村がボランチに入ると、どうしてもエドゥアルド・ネットに比べると、ボールを奪う能力は見劣りします。相手がスピードを上げて攻撃を仕掛けるとき、エドゥアルド・ネットだったら攻撃を遅らせてくれたり、ボールを奪えた場面で、ズルズルと後方に下がってしまう事がありました。

三冠を獲得したときの鹿島アントラーズ、完全優勝した時のジュビロ磐田、2連覇した横浜F・マリノスであれば、こんな試合はしないと思います。本当に強いチームなら、憎たらしく2-0で終えているはずです。横浜F・マリノスがセカンドステージの優勝を諦めず、ロスタイムに攻撃に出てくれなかったら、逆転していなかったかもしれません。僕はあそこまでリスクを負って攻めなくてもよかったと試合直後は思いましたが、セカンドステージの優勝の事を考えると、仕方がないところもあるのかもしれません。川崎フロンターレは幸運でした。

ファンにとっては楽しい試合かもしれませんが、こういう試合は二度とやってはいけません。自作自演の喜劇は一度は面白いかもしれませんが、何度も何度も楽しめるものではありません。この試合で得た反省を活かして、次にどうつなげるか。注目したいと思います。

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