2017年J1第14節 川崎フロンターレ対横浜F・マリノス プレビュー「実は堅守の川崎フロンターレ」

2017年Jリーグ第14節、川崎フロンターレの対戦相手は横浜F・マリノスです。

カウンター攻撃が得意な横浜F・マリノス

まず、第13節までのデータを基に、対戦する横浜F・マリノスのデータから分析した特徴を紹介します。

Football-LABのデータによると、シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は9.1%でリーグ14位。ゴール数をシュート数で割った「シュート成功率」は、10.1%でリーグ9位です。チャンス構築率もシュート成功率も10%が目安なのですが、チャンス構築率が目安より低く、シュート成功率が目安より高いということは、「セットプレーもしくはカウンターでシュートチャンスを作り出すチーム」であると読み取れます。

さらに詳しく分析すると、全得点のうちセットプレーが占める割合は27%と低く、セットプレーではなくカウンターでシュートチャンスを作っている事が分かります。1試合平均のボール支配率も50.0%でリーグ8位、パス数は445.6本でリーグ11位というデータからも、パスを数多く作って、時間をかけて攻撃しているチームでないという事が分かります。カウンターを得意とするチームはドリブルの回数が多いのですが、横浜F・マリノスは1試合平均のドリブル回数が16.5回でリーグ3位。齋藤学、マルティノスというスピードがあり、ドリブルも得意な選手を活かした攻撃をしていることがよくわかります。ちなみに直接フリーキックの本数は1試合平均16.1本でリーグ1位。いかに相手がドリブルを止めるのに苦労しているかが読み取れます。セットプレー経由の得点が増えたら、よりシュート成功率が高まってくる気がします。

守備のデータを分析してみると、攻撃回数に対してシュートを打たれる割合「被チャンス構築率」は11.1%でリーグ15位と、守備がよいという印象があるチームにしてはよい数値ではありません。しかし、シュート数に対するゴール数の割合「被シュート成功率」は、7.2%でリーグ5位。シュートは打たれるけれど、成功率の高いシュートは打たせていない。あるいは、シュートを打たれていてもしっかりブロックしている事が分かります。GKの飯倉の数値が特別よいわけではないので、中澤、デゲネクという2人のセンターバックの貢献度が高い事が読み取れますが、シュートチャンスが作られているところが現在の横浜F・マリノスの課題であるとも言えます。

堅守を支える谷口彰悟

川崎フロンターレは第10節から3連勝。この間にデータの内訳も変化しました。シュート数を攻撃回数で割った「チャンス構築率」は10.4%でリーグ9位。ゴール数をシュート数で割った「シュート成功率」は、12.3%でリーグ4位。第9節時点でのデータを読み返してみると、チャンス構築率が11.3%でリーグ4位でしたが、シュート成功率は8.8%でリーグ13位でした。チャンス構築率が若干下がりましたが、シュート成功率が大きく改善されている事が分かります。

また、第13節時点で川崎フロンターレは失点数11とリーグ3位(!)となっています。データで詳しく分析すると、攻撃回数に対してシュートを打たれる割合「被チャンス構築率」は10.3%でリーグ12位なのですが、被シュート成功率は6.6%でリーグ2位。川崎フロンターレも横浜F・マリノス同様に、成功率の高いシュートは打たせていない。あるいは、シュートを打たれていてもしっかりブロックしている事が分かります。

実は守備の数値だけ比較すると、中澤より谷口の方が高い数値を記録しています。Jリーグ最少失点という結果は、DFとしてJリーグ全試合に出場している谷口と車屋の貢献度が高いと、僕は感じていますが、特に今シーズンは谷口のプレーは素晴らしいと思います。

谷口はACLの第2戦は怪我で出場しませんでしたが、今シーズンもACLの2試合を除いて全試合スタメン出場中。「無事是名馬」という言葉がありますが、この言葉は谷口のためにある言葉ではないかとすら思います。谷口の凄さは、ボールを扱う技術や身体を上手く動かす技術といった点もありますが、何より凄いのは試合に出場し続ける事が出来る体力です。

谷口は決してミスが少ない選手ではありません。自分の背後に出されたパスの対応は上手くないし、相手のドリブルを1対1で止めるプレーも得意ではありません。簡単に相手のマークを外すプレーもあります。しかし、谷口はミスを引きづらず、次の試合への準備を怠らず、試合に出場し続けました。試合に出続け、痛い失敗をたくさん経験し、素晴らしいセンターバックへと成長しています。そして、攻撃開始時のパスの上手さはJリーグNo1だと思います。川崎フロンターレの攻撃は中村から始まると思っている人が多いと思いますが、実は川崎フロンターレの攻撃をコントロールしているのは谷口です。谷口が攻撃のテンポ、方向をコントロールしているからこそ、中村、エドゥワルド・ネット、大島がフリーでボールを受けられるのです。

このブログでは、谷口に随分厳しい事を書いてきましたが、最近は谷口のプレーが(第9節のセレッソ大阪戦のボランチでのプレーを除いて)よいプレーをしているので、厳しい事を書く機会が減っているので、面白くありません。ただ、リーグ最少失点を記録していても、日本代表に選ばれていないということは、もっと個人の力で相手の攻撃を止められるところをみせないといけないということだと思います。

僕は谷口は日本代表に選ばれる実力を備えた選手だと思います。だからこそ、もっと自分の力を証明するようなプレーをして欲しいと思います。引き続き注目したいと思います。

※公開時に「リーグ最少失点」と書いていた箇所を「リーグ3位」に、失点数を「11」に修正しました。

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