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川崎フロンターレの選手獲得が成功したパターンを考える

   

先日「「角田の移籍から考える「人材のミスマッチが起こった理由」」という記事を書いたのですが、この記事は趣旨はサッカーの戦術や技術のことではなく、どちらかというとビジネスでも起こりうる「人材のミスマッチ」について考えたものです。

先日、「トップアスリート量産地に学ぶ 最高の人材を見いだす技術」という本を読んだのですが、この本には最高の人材を見出す方法について、様々な観点で分析を試みています。そこで、「トップアスリート量産地に学ぶ 最高の人材を見いだす技術」という本をヒントに、川崎フロンターレを題材にして、「選手獲得が成功した事例」を考えてみました。

本来はもっと力があった選手

1つ目は、獲得当時は成績は出ていなかったものの、本来はもっと力があった選手です。この事例を考えた時に、真っ先に浮かんだのは大久保嘉人、山本真希、そして森谷賢太郎です。

大久保は2013年シーズンに加入したのですが、前年のシーズンは26試合で4ゴール。当時30歳という年齢を考えても、下り坂に差し掛かった選手と評価されていてもおかしくありません。しかし、川崎フロンターレに入ってからは、2年連続で得点王を獲得。2013年からの2シーズンで公式戦で53ゴールを決めています。

山本は、大久保同様に2013年シーズンに加入したのですが、前年所属していたコンサドーレ札幌はJ2に降格。25試合に出場していた山本にかかる期待は、そこまで高くありませんでした。しかし、2013年シーズンは33試合に出場。リーグ戦3位に大きく貢献しました。

森谷賢太郎は、山本以上に期待されていなかったと思います。2013年に川崎フロンターレに加入する前にリーグ戦に出場したのは、わずか8試合。筑波大学で風間監督の指導を受けていた繋がりから、入団が決まったのではないかとすら言われていました。しかし、2013年は16試合、2014年は27試合に出場し、今では川崎フロンターレの攻撃を支える存在として、欠かせない選手になりました。

3人に共通しているのは、獲得当時の評価は、そこまで高くなかったことです。しかし、見た目の成績に隠された本来の力を、フロントの方は見抜いていたのだと思います。

元陸上100m世界記録保持者のアサファ・パウエルを見出したスティーブン・フランシスというコーチによると、能力を見極めようとする際にしてしまいがちなミスは、「現在の成績がよい選手には大きな可能性があり、平均的な成績の選手はあまり可能性がないと自動的に思い込んでしまうこと」なのだそうです。現在の成績は可能性を示すバロメーターにはなるが、それがいつも正しいとは限らないというわけです。

戦い方に慣れている選手

2つ目は、川崎フロンターレの戦い方に慣れている選手です。この事例を考えた時に、真っ先に浮かんだのは筑波大学を卒業した選手、そしてアカデミーを出た選手です。

風間監督が筑波大学を去った後も、筑波大学は内藤監督の元同じメソッドで、同じ戦い方を続けていました。そこで川崎フロンターレは、筑波大学を卒業した、山越享太郎、谷口彰悟、車屋伸太郎、中野嘉大といった選手を獲得し、育て、チームの戦い方に慣れるまでの時間を短縮することで、チーム作りをスムーズに進めようと考えたのだと思います。また、今年はユース出身者の三好康児と板倉滉が加入。トップチームと同じ戦い方をしているユース出身者を加入させることで、筑波大学出身者を加入させることと、同じ効果を狙っています。

また、この事例の成功事例として紹介したいのが、風間宏希、風間宏矢の2人です。2012年シーズン、怪我人が続出し、紅白戦のメンバーすら組めず、風間監督の戦い方に戸惑う選手が多い中、戦い方になれた2人がチームを救ってくれました。この2人がいなかったら、2012年シーズンは8位という順位で終えることは出来なかったと思います。

成功に飢えていて、努力を惜しまない選手

3つ目は、「成功に飢えていて、努力を惜しまない選手」です。この事例で真っ先に思い浮かぶのが、新井と武岡です。選手は皆、成功に飢えていて努力を惜しまないものですが、この2人は特にそんな姿勢を前面に出しています。

新井は2013年シーズンに加入しましたが、2014年シーズンまでリーグ戦に1試合も出場したことはありません。以前所属していた東京ヴェルディでも出場機会はゼロ。加入当初、なぜこの選手が川崎フロンターレに加入したのだろうと思った人もいると思います。しかし、前向きな性格とキャラクターで控え選手とは思えない人気を勝ち取りました。また、大久保のシュート練習に必ずつきあうなど、絶え間ない努力を続けたことで、少しづつ実力を伸ばしていきました。

2014年シーズンから少しづつベンチ入りする機会も増え、2015年シーズンには西部の怪我もあり、ついにリーグ戦の出場機会を得ることが出来ました。西部の怪我が治った後も、スタメンの座を守り続けています。

武岡は2014年シーズンの夏に、コーチとずっとボールを止めて蹴るという基本的な練習を繰り返していた姿が目に焼き付いています。攻撃力を期待されて加入した選手でしたが、レナトと1対1を繰り返すことで、守備力が向上。ついには、スタメンの座を勝ち取りました。

アサファ・パウエルを見出したスティーブン・フランシスというコーチによると、彼は「見逃しようがない選手は避ける」のだそうです。才能があって、キャリアを積んだ選手ではなく、成功に飢えていて、努力を惜しまない選手を獲得して鍛える。それが成功への近道だと語っていました。

サッカークラブにかぎらず、戦力になる人材を獲得するのは、決して簡単なことではありません。失敗事例のほうが目につきがちですが、この記事では、成功事例からどんな方法がよいのか、考えてみました。

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