レッズの徹底した川崎フロンターレ対策。2014年J1第8節 浦和レッズ対川崎フロンターレ レビュー

2014/07/22

スタメンはこちら
スタメンはこちら

2014年J1第7節、浦和レッズ対川崎フロンターレは0-1の敗戦。どちらが勝ってもおかしくないゲームでしたが、浦和レッズ(以下、レッズ)の固い守備に、なかなか1点が取れませんでした。しかし、両チームともイージーなミスがなく、見応えのある試合でした。

負傷者の実践感覚とACLの影響

この試合から、負傷していた小林、大島、レナトが復帰しました。

好調時のメンバーが戻ってきたので、すぐにFC東京戦や名古屋グランパス戦でみせたサッカーをみせてくれると思っていたのですが、試合開始から15分ほどは攻撃が上手くいかず、レッズに攻め込まれる時間が続きました。一旦リズムを取り戻しましたが、その後もレッズに攻め込まれる時間が多く、前半はレッズのペースでゲームが進みました。

川崎フロンターレは、いつも自分たちのリズムをつかむのに、試合開始からだいだい10〜15分かかります。試合開始から15分くらいは、相手に押し込まれるのはよくあるのですが、この試合は15分過ぎても、中々自分たちのリズムでサッカーをすることが出来ませんでした。

大きな原因として考えられるのは、ACLに出場していた選手のコンディションです。全体的に身体が重そうでした。疲れている時は、身体が動いてくるまで時間がかかります。コンディションの影響か、この日は味方がボールを持った時に顔を出す動きが、普段より少なかったと思います。中国での試合から中3日で、そのうち1日は移動。相手はほとんど中6日。コンディションの不利は否めませんでした。

もう1つは、負傷していた3選手が久々の実戦だったので、相手のプレッシャーを感じてしまい、攻め急ぐ場面でないのに縦パスを出したり(大島)、ドリブルを仕掛けて捕まる(レナトと小林)場面がありました。風間監督がよくいう「頭のミス」が起きてました。後半には改善されましたが、この2点が前半からボールを支配して、上手く相手を動かせなかった要因かと思います。相手の体力が90分もってしまいました。

それでも、後半は1回のピンチを除いて、終始ゲームをコントロールしてみせました。
負けてなお、「フロンターレ強し」を相手に印象づけることが出来たゲームだと思います。

川崎フロンターレを研究してきた浦和レッズ

レッズは、川崎フロンターレの攻撃を相当警戒して、守備をしていました。

まず、レッズは川崎フロンターレの攻撃の核となる大島と中村のボランチに、強くプレッシャーをかけてきました。マークの担当も決めていて、中村に阿部、大島に柏木、とマンツーマンでマークをつけていました。前半は大島が中々リズムが掴めないため、このマンツーマンディフェンスが機能していました。

後半に入ると、大島が柏木を外し始めます。すると、レッズは柏木に代えて青木を投入。後半は中村より大島のほうが攻撃の起点になる場面が多かったので、レッズのマークは、中村に青木、大島に阿部に変わっていました。

いつもだと、ダブルボランチにマークがついていた場合は、大久保が下がってボールを受けに来るのですが、この日は森谷が中央でボールを受ける場面が目立ちました。すると、森谷が受けにきた場合は、ウイングバックの宇賀神がそのままマークについていき、宇賀神のポジションは原口が埋めていました。宇賀神がついていく場面と、槙野(濱田)に受け渡す場面もあったので、完全なマンツーマンという印象までは受けませんでしたが、レッズは守備の時の役割分担は、そのくらい徹底してました。

そして、攻撃の時は川崎フロンターレの左サイドを徹底的についてきました。

川崎フロンターレの左サイドは、谷口が守っていますが、彼の本来のポジションはボランチ。本職ではないので、背後のスペースのカバーがうまく出来ていないことがあります。これまではあまり大きな問題になっていませんでしたが、レッズは谷口の弱点をわかった上で、谷口の背後に蹴るロングパスや、サイドチェンジのパスを、右ウイングバックの梅崎に徹底的に集め、川崎フロンターレの守備を攻略しようとしていました。(井川が足の故障をかかえ、カバーが遅れることも計算にいれていたと思います。)

川崎フロンターレの左サイドは、レナトがカウンター攻撃要員として前に残っているため、守備の時にサイドバックは、数的不利もしくは同数で守ること場面が多くあります。登里は、昨シーズンの後半くらいからレナトを必要に応じてうまく帰陣させて、数的不利になることを防いでいたのですが、谷口にそれを求めるのは酷です。

この試合を観ていて、レッズは川崎フロンターレを相当研究してきたな、という印象を持ちました。

気になる大久保と中村のコンディション

この試合、気になったのは大久保と中村のコンディションです。

大久保は、普段のように中盤まで下がってボールを受ける場面が多くありませんでした。シュートもわずかに1本。たぶん、コンディションがあまり良くなかったのだと思います。コンディションが悪かったので、あまり動きまわらず、1発を狙ってゴール前で待機していたのですが、逆に動きがないため、相手につかまってしまいました。ターンも、普段の鋭さがありませんでした。

中村も、後半珍しく足をつらせていました。大久保同様にコンディションがあまり良くなかったのだと思います。

負傷者が出たこともあって、川崎フロンターレは開幕以降メンバーを入れ替えながら戦ってきましたが、大久保、中村、田中の3選手だけは、ここまで全試合に出場しています。特に、大久保と中村は、フロンターレの中心選手なので、相手のマークも集中しますし、実際2人の出来が勝敗を左右します。

一時的なコンディションの低下であればいいのですが、中2日で蔚山現代戦、その後中3日でガンバ大阪戦、中2日でベガルタ仙台戦と連戦が続きます。コンディションを回復させている時間がないので、どこかの試合でうまく休ませることが出来るといいと思うのです。

ワールドカップの中断期間があるとはいえ、シーズンは長く、先のことも考えて、中心選手を最後までもたせるために、思い切って休ませる。
こういう采配も、風間監督には求められてきているのではないのでしょうか。

センターバックからのビルドアップが狙われている

最後に気になることを、ひとつ。

柏レイソル戦、そしてレッズ戦の川崎フロンターレに対する相手チームの守備をみていると、センターバックのジェシと井川のところを狙っているな、と感じることがあります。レッズ戦では、ジェシと井川が1回ずつ相手に引っかかる場面がありました。レッズでも柏レイソル戦のレアンドロ同様、李忠成が2人の間に立って、横パスを交換させないように守備をしていました。

特に、ジェシがボールを持った時は、井川とのパスコースを切って、縦パスを出させるように守備をしてきます。ジェシは、プレッシャーをかけられるとFWに縦パスを出すことが多いのですが、そのクセを利用され、ボールを奪われていました。

井川がボールを持った時は、ジェシほどプレッシャーは受けないものの、ドリブルで持ち運ぶスペースが消されていたり、左サイドの谷口にしかボールが出せないように、パスコースが切られていました。

川崎フロンターレの前6人とサイドバックの2人は、攻撃の時にほとんどミスをしません。したがって、センターバックの2人が狙われるのは、当然です。ここをどう打開するか。メンバーを代えることも、ありだと思います。左サイドバックに登里が復帰してくるので、谷口をセンターバックで使ってもよいかもしれません。谷口をセンターバックで使えば、ビルドアップの問題は解決されます。

中2日で迎える蔚山現代戦は、井川が累積警告で出場停止。普通に考えれば、中澤が出場するはずなのですが、メンバーの入れ替えがあるとしたら、このタイミングじゃないかと思ってます。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるこの試合。どんなメンバーで臨むのか楽しみです。

関連記事

上手くいかない前半と対応した後半。2014年J1第7節 川崎フロンターレ対柏レイソル レビュー
難しいコンディションにきちんと対応。2014年J1第6節 徳島ヴォルティス対川崎フロンターレ レビュー
守備の堅い相手を攻略。アウェーの雪辱を果す。ACLグループリーグ 川崎フロンターレ対ウエスタン・シドニー レビュー

関連商品