nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

2016年J1ファーストステージ第8節 川崎フロンターレ対浦和レッズ レビュー「普通に戦って勝った浦和レッズ。普通に戦うことも出来なかった川崎フロンターレ」

   

2016年Jリーグファーストステージ第8節、川崎フロンターレ対浦和レッズは0-1で浦和レッズが勝ちました。

フォーメーションを「変えさせられた」時点で負け

この試合のポイントは、後半に3-4-3にフォーメーションを変えた事です。フォーメーションを変えた理由は浦和レッズがボールを保持している時、「どこで」ボールを奪いに行くのか、明確に出来なかったからです。

川崎フロンターレは、FWの大久保と小林はゴールに近い位置でボールを奪いに行きましたが、MFとDFが連動しません。したがって、選手間の距離が広がってしまいました。選手間の距離が広がってしまったため、ボールを奪っても近くに味方がおらず、奪ったボールを攻撃に結びつけることが出来ず、浦和レッズに奪われてしまいました。

浦和レッズは、「空いている場所」を使って、ボールを保持するのが上手いチームです。浦和レッズにとって「空いている場所」とは、両サイドとGKの西川の事を指します。ボールを奪ったら、無理して攻撃せず、空いているサイドとGKにパスを繋ぎ、自分たちが攻撃しやすくしてから、攻撃を仕掛けてきます。この試合、浦和レッズは特別な川崎フロンターレ対策をしてきたとは思えませんでした。普段通りの戦いをしただけだと思います。しかし、浦和レッズは普段通りのプレーでゲームをコントロールしましたが、川崎フロンターレは出来ませんでした。

川崎フロンターレは後半になって、フォーメーションを3-4-3に変更します。3-4-3にすることで、浦和レッズが空けているサイドを塞ぎ、マークのずれを防ぎ、相手の選択肢を減らすことが狙いでした。しかし、相手にやり方を変えさせた時点で既に浦和レッズのペースです。川崎フロンターレにとって、3-4-3は2015年シーズンは多くの試合で採用していましたが、2016年は初めて採用します。特に、奈良とエドゥアルドにとっては、ぶっつけ本番だったので、微妙にマークがずれていました。失点はこうした微妙なマークのずれをつかれてしまいました。

開幕戦のサンフレッチェ広島戦は、フォーメーションを変えずに戦うことが出来ました。なぜなら、FWとDFの距離を短く保ち、チーム全員が連動して動くことができていたからです。大久保と小林がボールを奪いにいけば、MFとDFも連動して動き、サンフレッチェ広島に余裕を与えませんでした。ところが、この試合はサンフレッチェ広島戦とは同じように戦うことは出来ず、フォーメーションを変えざるを得ませんでした。

攻撃のクオリティが低いと感じる理由

そして、2016年シーズンが開幕してから、ずっと言い続けていることですが、攻撃のクオリティが改善されません。僕が攻撃のクオリティが低いと思う理由は、「止める」「外す」「受ける」「運ぶ」動きの質が、2015年シーズンまでに比べて低いと思うからです。

特に「止める」「外す」動きの質が低いと感じます。ボールを止める時、ボールを浮かしてしまう選手が多くみられます。中村や大島といった選手ですら、この試合ではボールが正確に止まっていない場面がありました。ボールが正確に止まらない理由は2つあります。1つ目は、パスの質が低く、バウンドしたパスや浮いたパスが多く、正確に止めるのが難しいパスを蹴ってしまっていること。2つ目は、止めるときに身体を浮かせたりといった、身体を柔らかく使う動きが出来ておらず、ボールの勢いを身体で吸収出来ていないため正確に止まらないからです。

また、「外す」動きも、今年は頻度が少なく、また効果的ではありません。ちなみに、今年は4-4-2のフォーメーションを採用しています。4-4-2のフォーメーションの利点としては、守備の時にボールが奪いやすいことなのですが、反面攻撃の時に、誰かがフォーメーションを崩して、段差をつけないと、パスを受ける角度がつけづらく、円滑にパスが回りません。

しかし、今年は「外す」動きが少ないため、パスを出す角度がつかず、なかなかスムーズにパスが回りません。横に横にパスが回るのは、4-4-2のフォーメーションを採用すると、横に人が1列に並んでいるため、人が横にしかいないので、どうしても横にパスが回ってしまうのです。縦にパスを入れるなら、誰かが下がったり、サイドから中に入ったりしなければなりませんが、その動きも少ないし、相手から離れる動きも多くありません。

浦和レッズは特によい守備をしていたというわけではないのですが、これだけ「止まらない」「外せない」となると、高いクオリティの攻撃は出来ません。攻撃のクオリティが低い問題は、2016年シーズンの川崎フロンターレがシーズンを通して抱える課題のような気がします。色々原因は考えられますし、推測で書くことは出来ますが、1つ言えることがあるとすれば、解決するのは簡単ではないということです。

谷口の復調なくしてタイトル獲得はありえない

最後に、谷口のプレーについて書きたいと思います。この試合の谷口は、正直に申し上げてよいプレーをしてたとは言えませんでした。残念な出来だったといっていいくらいです。

この試合、谷口を左サイドバックで起用したのは、相手のクロスボールを跳ね返すという役割だけでなく、相手がボールを奪いに来た時、正確に味方につないで、チームを落ち着かせる役割を期待されていたからです。実際、2014年に谷口がデビューしたシーズンでは、その期待に応えていました。谷口としては、特に難しい役割が与えられていたわけではありません。

ところが、この試合の谷口は、この役割すら出来ていませんでした。ボールが止まらず、相手の守備にパスコースを消され、ボールを奪われる。あるいは、苦し紛れのパスを出して、相手にボールを渡してしまう。味方にパスをつないでも、味方が処理しづらいパスを出してしまい、パスを受けた味方がボールを失ってしまう。そんな場面がみられました。

谷口のプレーを見ていると、まず身体が動いていません。持ち味のしなやかで柔らかい身体の使い方が、2016年シーズンの谷口からは失われています。本人も自覚があるのだと思いますが、上手くプレーしようとすればするほど、普段やらないミスを増やしてしまう。ミスが増えることで、今まで出来ていたプレーすら出来なくなってしまう。こうした悪循環に谷口がはまっている気がします。

風間監督も谷口の状態が悪いことは、よく分かっています。だからこそ、役割を限定して起用したり、ナビスコカップではセンターバックで起用して、復調を待っています。試合に出ることで修正できれば、と考えていたのかもしれませんが、正直そんな悠長なことを言ってられないほど、状態はよくないと感じました。

谷口の復調は、川崎フロンターレがタイトルを獲得するには欠かせません。谷口のクオリティは、こんなものではありません。正直、浦和レッズ戦の谷口は、観ていて悲しくなるような出来でした。僕はそんな谷口は見たくありません。2014年シーズンの時のように、余裕をもって相手と対峙する谷口に戻ってくれることを期待したいと思います。

たかが1敗、されど1敗です。2015年シーズンまでの川崎フロンターレは、連戦になると、とたんに成績が悪くなりました。今シーズンも同じなのか。ガンバ大阪戦で真価が問われています。負けた次の試合に、どんな戦いをするのかで、チームがどんな状態にあるのか分かります。注目したいと思います。

おすすめ

 - , , ,