nishi19 breaking news

スポーツでもっと楽しい未来を作る

柏レイソルが仕掛けた罠。2015年J1第8節 川崎フロンターレ対柏レイソル レビュー

   

2015年Jリーグ第8節、川崎フロンターレの対柏レイソルは、1-4で柏レイソルが勝ちました。

この試合は、走行距離は柏レイソルが112.26km、川崎フロンターレ107.30kmと柏レイソルの方が走行距離は上回っていますが、スプリント数は川崎フロンターレが136回、柏レイソルが121回と、川崎フロンターレの方が上回っています。川崎フロンターレが勝つ時は、スプリント数も、走行距離も相手より少なくなります。

川崎フロンターレはボールは保持しましたが、スプリント数を見ると、縦に早い攻め、縦に早い守備を強いられていたことがよく分かります。したがって、走行距離は柏レイソルの方が上回っていますが、動かされていたのは、川崎フロンターレの方だということが、データからも分かります。

巧妙だった柏レイソルの川崎フロンターレ対策

柏レイソルの川崎フロンターレ対策は、巧妙でした。

まずは、守備です。この試合は小林をスタメンに起用し、中村に小林、大島に大谷をマークさせます。ボランチがボールをもったら、マークしている選手が寄せて、横向きか後向きにさせます。そのタイミングで、工藤、レアンドロ、武富のいずれかが、ボールを奪いにいきます。

また、センターバックの谷口と角田がボールを持った時、レアンドロはセンターバックの間、工藤と武富はセンターバックとサイドバックの間に立ち、パスコースを塞ぎます。パスコースがなくなった川崎フロンターレは、サイドから攻めようとしますが、1対1の攻防だけでは、相手の守備を崩しきることが出来ませんでした。

攻撃は、さらに巧妙でした。柏レイソルのフォーメーションは「4-1-2-3」。攻撃のキーマンは、「1」のポジションを務める茨田です。茨田とセンターバックの2人、茨田とMFの2人がボールをつなぎながら、ボールを進めていくのが、柏レイソルの攻撃の特徴です。

しかし、川崎フロンターレは茨田に特定のマークをつけませんでした。本来、大久保がマークしても良いとは思うのですが、守備で下がる事を嫌う大久保は、茨田のポジションまで下がろうとはしません。フリーになった茨田からボールを回されることを嫌った中村憲剛は、茨田のマークにつこうとします。中村が自分に食いついてくる瞬間を逃さず、茨田はパスを出します。

そして、茨田がパスを出す場所が、さらに巧妙でした。柏レイソルがボールを持っている時、本来、左のFWを務める武富が、左から中央にポジションを移し、センターバックとボランチの間に立っていたのです。ただ立っているだけなら、センターバックの角田と谷口がマークをすればよいのですが、右FWの工藤はセンターバックがマークしようとすると、右から背後のスペースを狙って、走り出します。この動きを警戒したセンターバックの2人は、なかなか武富にマークに行けませんでした。

ボランチの2人は、目の前の選手が気になる。センターバックの2人は、工藤とレアンドロが気になって、武富のマークに行ききれない。もともと、中村と大島は、センターバックの前のスペースに入ってくる選手に対応するのが、得意ではありません。そして、サイドバックのキム・チャンスと輪湖が高いポジションをとるので、車屋とエウシーニョがDFラインに吸収されてしまいました。柏レイソルの戦い方を観ていて、よく研究しているなと感心しました。

痛かった森谷の欠場

川崎フロンターレにとって痛かったのは、森谷の欠場です。森谷がいれば、茨田に森谷をつけることで、中盤の数的不利を解消できたと思います。また、攻撃の時は、ボールを受けるアクションを連続させることが出来る森谷がいれば、他の選手もつられて動き出し、パス回しのテンポを上げることが出来たと思います。

柏レイソルの守備は巧妙でしたが、川崎フロンターレの攻撃力をもってすれば、絶対に攻略できないレベルではなかったと思います。川崎フロンターレの選手たちは、パスコースが少なくなったことで、頭でどうしようかと考えてしまい、動きが普段より遅くなったのだと思います。だからこそ、森谷がいればとこの試合を観ていて感じました。

風間監督が選手交代に込めたメッセージ

ただ、こんな試合でもただでは転ばないのが、川崎フロンターレらしいところです。そう思ったのは、風間監督の選手交代です。この試合、風間監督はいつになく攻撃的な選手交代を行いました。まずは船山を出場させたのですが、交代したのはセンターバックの角田。今シーズン初めて、DFを減らして、FWを入れて、得点を奪いにいきました。そして、杉本、アンビョンジュンを立て続けに投入。試合終了時には、FWが5人も出場していました。

これは、パス回しのテンポが上がらない選手たちに対する、そして風間監督の強烈なメッセージだと受け止めました。自分たちは、相手より多く得点を奪って勝ってきたチームだ。そして、今日のように失点が増えても、スタイルを変えるわけではない。そんなメッセージを伝えたくて、交代を行ったのだと感じました。

もちろん、得点を奪われるリスクは折込済みだったと思います。実際、カウンターからクリスティアーノにゴールを決められてしまいましたが、ゴールを決められるリスクを覚悟してまで、風間監督は選手、サポーターに、「自分たちの戦い方は変えない」と伝えたかったのだと思います。改めて、風間監督の覚悟を感じました。

次節は中2日でFC東京戦を迎えます。何かが劇的に変わることはありません。むしろ、積み上げてきたものを、どう表現するのか。その事が問われている試合だと思います。引き続き注目したいと思います。

おすすめ商品

 - , , ,