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2016年J1ファーストステージ第6節 川崎フロンターレ対サガン鳥栖 レビュー「大久保嘉人と他の選手の身体の使い方がまるで違う理由」

   

2016年Jリーグファーストステージ第6節、川崎フロンターレ対サガン鳥栖は1-0で川崎フロンターレが勝ちました。

大久保と他の選手では動きが全く違う

プレビューにも書きましたが、この試合は元川崎フロンターレのトレーニングコーチを務めていた、西本直さんと一緒に観戦しました。Twitterで事前に西本さんへの質問を募集したところ、GKの身体の使い方、谷口、武岡、中村、小林、大島そして鎌田、豊田といった選手の身体の使い方について、質問を頂きました。質問をくださった方々、本当にありがとうございます。

当日は西本さんに1人1人の動きについて解説して頂き、それをまとめて文章にする予定でした。ところが、西本さんに動きを解説して頂いたら、そんな僕の考えが浅はかだったこと、そして僕が身体の使い方について、何も分かっていなかった事に気づきました。なぜなら、1人の選手とそれ以外の選手とでは、全く動きが違うことが分かったからです。

1人の選手とは、大久保嘉人です。西本さんに解説して頂いたポイントに従って、大久保と他の選手を比較すると、中村、小林、谷口、豊田、鎌田といった他の選手の身体の使い方は大なり小なり一緒で、個別に比較しても意味がないことが分かりました。素人目にも大久保と他の選手の動き、そして身体の使い方が違っていたのです。

チェックポイントは「姿勢」と「足の位置」

大久保と他の選手の身体の使い方は、どう違うのか。違いがわかりやすいのは、走っている時の姿勢です。サガン鳥栖戦ではありませんが、こちらの写真を見てください。

この写真は、大久保がドリブルしている時の写真です。見て頂きたいポイントは2箇所あります。1箇所目は姿勢。2箇所目は足の位置です。まず、姿勢。自然と背すじが真っ直ぐになっています。また、走っている時でも、肘が身体の後ろにあります。肘が後ろにあるため、身体が前に引っ張られることがありません。また、振り出された右足が身体の近くにありますし、残っている左足も身体の近くにあり、身体がほぼ一直線になっていることが分かります。

一方、小林悠の写真です、サガン鳥栖戦ではありませんが、こちらの写真を見てください。

大久保との違いは「姿勢」と「足の位置」です。まず、姿勢。身体が前傾しています。そして、足の位置。膝が頭の下にあり、大久保のように1直線ではなく、くの字に曲がっているように見えます。西本さんによると、この姿勢は膝に負担がかかるのだそうです。小林は膝の怪我が多い選手ですが、プレー中の身体の使い方が要因なのかもしれません。

大久保と小林の姿勢の違いは、要約すると「屈筋」と呼ばれる身体を曲げる時の筋肉を使っているか、「伸筋」と呼ばれる身体を伸ばす時の筋肉を使っているかの違いです。大久保は伸筋の1つである、背中にある広背筋を上手く使えているため、骨盤が引き上げられ、股関節の自由度が高い姿勢を試合中もずっと継続することが出来ます。伸筋は主に身体の後ろ側にあり、肥大しづらいですが、大きなパワーを出すことが出来て、疲れにくい筋肉です。

一方、屈筋は身体を曲げるときに使用する筋肉です。屈筋は主に身体の前側にある筋肉のため、意識しやすく、肥大しやすい筋肉ですが、伸筋に比べると大きなパワーを出すことは出来ません。また、伸筋に比べると疲れやすい筋肉です。

部分部分で出来ているだけでは不十分

伸筋を使っている選手か、それとも屈筋を使っている選手か。その視点で選手を比較すると、常に伸筋を使えている選手は、僕の見た目では、大久保とチョン・ソンリョンしかいませんでした。この2人は常に身体を細かく上下に揺らし、身体が固まらないように工夫しながら、よい姿勢を保ちながら、90分継続してプレーを続けていました。チョン・ソンリョンが1対1で素晴らしいセーブをみせ、大久保が最後の最後にゴールを決められたのは、偶然ではないと思います。

もちろん、大島のようにボールをトラップする時、ドリブルする時など、部分部分で伸筋を使っているような選手もいます。しかし、西本さんに解説して頂くと、大島はボールが無い時は身体が前傾して、膝が前に出てしまっていることが分かりました。常によい動きが出来ているわけではないのです。

伸筋は意識しないと使えない

西本さんによると、日本人はウエイトトレーニングをするとき、自然を屈筋を使ってしまうのだそうです。欧米の選手は生まれつき骨盤が引き上げられているので、ベンチプレスなどのトレーニングをしても、背中にある伸筋を使うことが出来るのですが、生まれつき骨盤が引き上げられていない日本人は、身体の前側にある胸の筋肉を鍛えてしまうのだそうです。したがって、トレーニングをするときは常に伸筋を意識してトレーニングしないと、屈筋が鍛えられてしまい、トレーニングをすればするほど、パフォーマンスが落ちてしまうのだそうです。

ちなみに、大久保は西本さんが川崎フロンターレから離れても、「西本さんのトレーニングをしないと、得点が取れなくなる気がする」と言いながら、西本さんが教えてくれたトレーニングを継続しているそうです。昨年のJリーグのMVPであるサンフレッチェ広島の青山敏弘、そして3年連続得点王の大久保嘉人。得点王とMVPが同じトレーニングをして成果を出しているのは、偶然ではないと思います。

西本さんに教えていただいた、身体の使い方を見るポイントに従ってJリーグを見ると、目の前で繰り広げられているサッカーが、全く違うものに見えてきました。そして、日本サッカーが世界一になるには、現在「正しい」と言われていることと、全く別の事をしなければならないんじゃないか。そんな事を考えてしまいました。これから、伸筋が使えている選手が他にいるか、探してみたいと思います。

最後に、改めて貴重なお話を頂いた西本さんに感謝したいと思います。西本さんありがとうございました。

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